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第十一章 領域封印(準備編)

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「まぁ、なんてこと!驚きましたわ!昨日お願いしたばかりなのに、もう完成したのですの?」
「はい、ミランダさんが一生懸命頑張っていると伺いまして、僕も負けられないと思ったのです。」
そう言って、のぞむ君は真新しい杖を私に差し出しましたの。

「本当にありがとうございますわ、のぞむ君。」
私はその杖を両手でしっかりと受け取り、胸に抱きしめて感謝の意を表しました。すると、のぞむ君は顔を真っ赤に染め、視線を私からそらしてしまいましたの。

すると、あからさまに動揺しながら
「い…いえ、どういたしまして。さ、さあ!ぜひお試しください。不具合があれば、すぐに調整いたしますから。」
とおずおずと、うつむきながら話すのぞむ君に、
「分かりましたわ、のぞむ君。今からこのクリスタルを付与された杖の性能を確かめさせていただきますわね。」
と告げると、彼はまるでシャキーンという効果音が聞こえてくるかのように勢いよく顔を上げ、
「はい!よろしくお願いします、ミランダさん!」
と、目をキラキラと輝かせながら、まるでおねだりする赤子のように私を見つめてきましたの。そんな愛らしい姿に胸がときめいてしまいましたが、杖と気持ちを持ち直したわたくしは、結界師ではなく聖女としての聖結界を張るための詠唱を始めましたわ。

すると、杖の先に取り付けられたクリスタルが眩い光を放ち、私がこれまでに張ったことのない、どう言葉で表現すれば良いのか分からないほど、全く異なる形状の結界がその場を包み込みましたの。

「まぁ!これが聖結界なのですわね。」
私は、自分を囲むドーム状の結界をぐるりと見回し、手を差し出してその強度を確かめました。それは、驚くほど堅固で、申し分のない出来映えでしたの。

「ミランダさん、杖の使い心地は如何ですか?何か不具合や違和感はありませんか?」
結界を解いた後、のぞむ君が心配そうに尋ねてきましたの。私は微笑みながら、
「完璧でございますわ、のぞむ君。」
と答えると、彼は破顔し、
「そうですか!それは良かった。」
と嬉しそうにしていましたの。でも、すぐに真剣な表情になり、
「あ、そうだ。少しよろしいでしょうか?」
と尋ねてきたので、
「どうなさったの?何か問題でもありますの?」
と問い返しましたの。すると、のぞむ君は、
「ちょっとお借りしますね。」
と言って、私の手から杖を受け取りました。そして道具を取り出して、何やら加工を始めたのです。

「何をなさっているのかしら?」
とのぞむ君の手元を覗き込んで尋ねてみましたのですが、
「………」
彼はとても集中しているようでしたので、邪魔をしてはいけないと思い、そっと彼の傍から離れましたの。
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