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第七章 ヲタは領域を制す(王の依頼と煩い奴等編)
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「君は先程、陛下が仰った『封印は、勇者殿達には頼まない』とのお言葉に対して、意味が分からないのか?キョロキョロと目を動かしていたようだが、如何だろうか?」
とルードリッヒさんから問われた愛子は、またコクコクと首を縦に振った。
すると、
「話の意味が分からないと申すならば、即刻この謁見の間から出ていってくれるか?君は、封印へは行かないとみなさせて貰おうと思う。」
とまで言われてしまったんだ。だが出ていけの言葉に対しては、愛子も黙ってはいなかった。
「でもでも!愛子は聖女さまなんですよ?封印には絶対に聖女さまが行かないとじゃないですか~。ね?王様。そうですよね?」
と、ルードリッヒさんが駄目なら、今度は王に縋ろうとする愛子。
「あ、あぁ……、確かにそうではあるが……。」
と言葉を濁す王。だが、愛子にとってはそれは援護射撃だと思ったのだろう。
「ほらほらほら~。王様だってそう言ってるじゃない?封印には愛子が必要なんだって~。そうだよね?のぞむくん。」
と、キュルンという効果音が付きそうな仕草で愛子は僕に向かってそう言うが、根本はニンニク増しましのラーメンを食べる女だろ?と冷めた目つきで愛子を見てしまう僕。そんな僕を見たカールソンさんは、声を殺して肩を震わせて笑っているが、その一方でルードリッヒさんの怒りは未だ収まっていないようだ。
「では聞くが、君は聖女としての能力はどれくらいなんだ?我が妹 ミランダよりも、当然能力は上であろうな?」
「ミランダさんて人がどのくらい凄いのか知らないけど~。多分~愛子のが凄いんじゃない?」
と堂々と嘘をつく愛子に、
「よく言うよね?西山さんは、火達磨になった寺田の治療が出来なかったじゃないか。それなのにミランダさんより凄いと言えるの?」
と大規模討伐の情けない姿を思い出させようと試みた。が、
「だってだってだって~。愛子、怖くなっちゃったんだもん。本当は~、ちゃんと出来るんだからね~。」
と言い返してくる始末だ。
「なら、こうしたらどうだ?」
なかなか引かない愛子に、カールソンさんがひとつの提案をした。
それは、ミランダさんと愛子による、聖女としての能力比べというものだった。
とルードリッヒさんから問われた愛子は、またコクコクと首を縦に振った。
すると、
「話の意味が分からないと申すならば、即刻この謁見の間から出ていってくれるか?君は、封印へは行かないとみなさせて貰おうと思う。」
とまで言われてしまったんだ。だが出ていけの言葉に対しては、愛子も黙ってはいなかった。
「でもでも!愛子は聖女さまなんですよ?封印には絶対に聖女さまが行かないとじゃないですか~。ね?王様。そうですよね?」
と、ルードリッヒさんが駄目なら、今度は王に縋ろうとする愛子。
「あ、あぁ……、確かにそうではあるが……。」
と言葉を濁す王。だが、愛子にとってはそれは援護射撃だと思ったのだろう。
「ほらほらほら~。王様だってそう言ってるじゃない?封印には愛子が必要なんだって~。そうだよね?のぞむくん。」
と、キュルンという効果音が付きそうな仕草で愛子は僕に向かってそう言うが、根本はニンニク増しましのラーメンを食べる女だろ?と冷めた目つきで愛子を見てしまう僕。そんな僕を見たカールソンさんは、声を殺して肩を震わせて笑っているが、その一方でルードリッヒさんの怒りは未だ収まっていないようだ。
「では聞くが、君は聖女としての能力はどれくらいなんだ?我が妹 ミランダよりも、当然能力は上であろうな?」
「ミランダさんて人がどのくらい凄いのか知らないけど~。多分~愛子のが凄いんじゃない?」
と堂々と嘘をつく愛子に、
「よく言うよね?西山さんは、火達磨になった寺田の治療が出来なかったじゃないか。それなのにミランダさんより凄いと言えるの?」
と大規模討伐の情けない姿を思い出させようと試みた。が、
「だってだってだって~。愛子、怖くなっちゃったんだもん。本当は~、ちゃんと出来るんだからね~。」
と言い返してくる始末だ。
「なら、こうしたらどうだ?」
なかなか引かない愛子に、カールソンさんがひとつの提案をした。
それは、ミランダさんと愛子による、聖女としての能力比べというものだった。
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