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第三章 それぞれの魔獣戦
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話は戻って、ハイネの店で話し合いをしている望達は……。
「これから のぞむには、実際に魔獣と戦って貰おうと思っている。」
そう何でもない事のようにルードリッヒさん……いやルードリッヒ殿下がそう僕に言った……いや、仰った。
「じ、実戦ですか……。だ、大丈夫なんでしょうか、僕は。」
「大丈夫よ、のぞむ君。だってお兄様がそう仰ってるんだもの。ね?お兄様。」
「あぁ。ミランダの言うとおりだよ。のぞむは強くなっているからね。でも先ずは、Eクラスの魔獣から行こう。その後徐々にランクを上げていけばいいから。」
「あの森でEですと、アルミラージあたりですね。まぁ、今の のぞむの力なら、簡単に50匹は駆除できるかと。」
とこれまた簡単な事のように言ってのけるカールソンさん?様? あぁ。カールソンさんも貴族だって言ってたよな。王子様についているなら、護衛騎士とか?だったら、"様”付けないといけないかな?……。等と考えていると、
「お前は異世界人なんだ。だから俺のことは今までどおりの呼び方でいい。」
とカールソン様…いや、カールソンさんが僕の頭を撫でながら言った。
「え?で、でも……。」
そんな彼の言葉に戸惑いながら答えると、
「俺に対しても同じだよ、のぞむ。それに俺はもう王子では無いから。」
とにこやかに笑って言うルードリッヒ殿下……いや、殿下呼びじゃなくていいって言われたから戻していいのか?て、
「え?王子様じゃない……とは?」
「そのままの意味だよ。俺は王位継承権を放棄したからね。」
と、とても重大な事なのに、さらっと言うルードリッヒさんに絶句してしまう。
「ごめんなさいね、のぞむ君。驚かれたでしょ?お兄様はいつもこうなんですのよ。かくいう私も(継承権)放棄してますけども。ですので のぞむ君。わたくしの事も"ミランダ”でよろしくてよ。」
とケラケラと笑うミランダ王女……いやミランダさん。
似た者兄妹に、僕は頭を抱えそうになった。
「ま、王位継承権の話はまたいつかするよ。それより!のぞむの実戦は明日からだ。」
とパンッと1つ手を叩いてルードリッヒさんは言った。
「あ、明日から?!そんな……無茶な……。」
ルードリッヒさんの本日の爆弾発言第三段に、僕は本格的に頭を抱えてしまった。
「大丈夫だ、のぞむ。ルードリッヒ様は、お前が出来ると判断しておられるんだ。だから大丈夫だ。自分を信じてやってみろ。それに…「アミラージは物理攻撃で倒せる魔獣だから、魔力がないのぞむでも倒せるよ。」と仰ってる。」
「それに、わたくしが身体強化魔法をかけて差し上げますわ。ですので安心して戦ってくださいな。」
と、カールソンさん(途中にルードリッヒさん)ミランダさんが言って、尻込みしそうになる僕を励ましてくれる。
でも……まだ……とうじうじ考えていた僕の背中をバシンッ!と叩く人がいる。
「痛っ!」
と言いながら、右側から痛みを与えた人物を睨もうと右を向くと、俺じゃない!俺じゃない!とカールソンさんが全否定をしていた。
「叩いたのはあたしだよ。」
と言いながら僕達の前にあるテーブルにドカッとスコーンを大量に乗せた大皿を置いたハイネさん。
「え?なんで?」
「何を悩んでるんだい、のぞむ。殿下も王女殿下も騎士様も、のぞむなら出来るって言って下さってるんじゃないか。それとも何かい?その2本の足の間にあるモンは作りもんなのかい?」
豪快に下ネタをぶち込むハイネさんの言葉に、ルードリッヒさん達は飲んでいた紅茶を吹き出してしまった。
「これから のぞむには、実際に魔獣と戦って貰おうと思っている。」
そう何でもない事のようにルードリッヒさん……いやルードリッヒ殿下がそう僕に言った……いや、仰った。
「じ、実戦ですか……。だ、大丈夫なんでしょうか、僕は。」
「大丈夫よ、のぞむ君。だってお兄様がそう仰ってるんだもの。ね?お兄様。」
「あぁ。ミランダの言うとおりだよ。のぞむは強くなっているからね。でも先ずは、Eクラスの魔獣から行こう。その後徐々にランクを上げていけばいいから。」
「あの森でEですと、アルミラージあたりですね。まぁ、今の のぞむの力なら、簡単に50匹は駆除できるかと。」
とこれまた簡単な事のように言ってのけるカールソンさん?様? あぁ。カールソンさんも貴族だって言ってたよな。王子様についているなら、護衛騎士とか?だったら、"様”付けないといけないかな?……。等と考えていると、
「お前は異世界人なんだ。だから俺のことは今までどおりの呼び方でいい。」
とカールソン様…いや、カールソンさんが僕の頭を撫でながら言った。
「え?で、でも……。」
そんな彼の言葉に戸惑いながら答えると、
「俺に対しても同じだよ、のぞむ。それに俺はもう王子では無いから。」
とにこやかに笑って言うルードリッヒ殿下……いや、殿下呼びじゃなくていいって言われたから戻していいのか?て、
「え?王子様じゃない……とは?」
「そのままの意味だよ。俺は王位継承権を放棄したからね。」
と、とても重大な事なのに、さらっと言うルードリッヒさんに絶句してしまう。
「ごめんなさいね、のぞむ君。驚かれたでしょ?お兄様はいつもこうなんですのよ。かくいう私も(継承権)放棄してますけども。ですので のぞむ君。わたくしの事も"ミランダ”でよろしくてよ。」
とケラケラと笑うミランダ王女……いやミランダさん。
似た者兄妹に、僕は頭を抱えそうになった。
「ま、王位継承権の話はまたいつかするよ。それより!のぞむの実戦は明日からだ。」
とパンッと1つ手を叩いてルードリッヒさんは言った。
「あ、明日から?!そんな……無茶な……。」
ルードリッヒさんの本日の爆弾発言第三段に、僕は本格的に頭を抱えてしまった。
「大丈夫だ、のぞむ。ルードリッヒ様は、お前が出来ると判断しておられるんだ。だから大丈夫だ。自分を信じてやってみろ。それに…「アミラージは物理攻撃で倒せる魔獣だから、魔力がないのぞむでも倒せるよ。」と仰ってる。」
「それに、わたくしが身体強化魔法をかけて差し上げますわ。ですので安心して戦ってくださいな。」
と、カールソンさん(途中にルードリッヒさん)ミランダさんが言って、尻込みしそうになる僕を励ましてくれる。
でも……まだ……とうじうじ考えていた僕の背中をバシンッ!と叩く人がいる。
「痛っ!」
と言いながら、右側から痛みを与えた人物を睨もうと右を向くと、俺じゃない!俺じゃない!とカールソンさんが全否定をしていた。
「叩いたのはあたしだよ。」
と言いながら僕達の前にあるテーブルにドカッとスコーンを大量に乗せた大皿を置いたハイネさん。
「え?なんで?」
「何を悩んでるんだい、のぞむ。殿下も王女殿下も騎士様も、のぞむなら出来るって言って下さってるんじゃないか。それとも何かい?その2本の足の間にあるモンは作りもんなのかい?」
豪快に下ネタをぶち込むハイネさんの言葉に、ルードリッヒさん達は飲んでいた紅茶を吹き出してしまった。
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