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第二章 異世界での生活

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「いいですね。そうです。はい。そのままそのまま。」
そう言って聖女となった愛子は今、イケメンの王子…………ではなく、自分の年齢の2.5倍位年上の司祭に光魔法の訓練を受けていた。
(全く~!なんで愛子の先生が、こんなしわしわジジィなのよ!イケメンの王子様が手取り足取り、「君の事は私が護るよ。」とか言いながら教えてくれるんじゃないの?)と聖女とは程遠い雑念100%の感情で訓練を受けていた。その為、自身の手から発せられる光魔法はまだ僅かな光しか出す事が出来ないでいる。

「ほらほら聖女様。光が無くなってしまいましたよ。さぁ!始めから参りましょう。を込めて手を翳して……。」
と司祭が優しく言うが、
(だから~。ジジィじゃ愛子のモチベ上がんないんだってば!)と毒づく愛子。
そのせいだろうか。愛子のMPは召喚された時に判定された値から全く変わってはいなかった。
~聖女の愛子side ~

    ゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚+o。◈。o+゚
「いいですか?そもそも僧侶とは……え~っと…あ。こ、後方、支援を……。」
と僧侶についてたどたどしい説明をする自分より数段若い、なんなら元の世界での教え子と同世代とも思える司祭の男性の講習を受けているのは昭弘である。
若い司祭の拙い教え方より、自分は教師だから、自分の方がこの男より上手く説明出来る自信があると自負しているが、如何せんこの世界の文字が読めないからどうしようも無い。
俺はその若い司祭をイライラしながら睨みつけた。するとその司祭は、ますます萎縮し口ごもってしまう。

「はぁ……。分かりました。早く続きをお願いします。」
自分が折れる事でしか先に進まないと思った昭弘は、若い司祭に話を進めるよう促す。
「で、では続けます。……僧侶というのは、後方支援を…する立場にあ、あります。で、です…から、前線で、た、戦う人達の……えと……人達を呪文で回復したり……時には、攻撃にも加わります。……」
と、まだ続く説明をなんとなく聞きながら、(その魔法だか呪文だかを早く教えろってんだよ。魔獣だか魔王だか何だか知らんが、早いとこ倒して嫁と子供の元に帰りたいんだ。)と、昭弘は心の中で憤っていた。すると若い司祭は、
「お分かりですか?僧侶の寺田様。」
と突然聞いてきたのだ。
咄嗟の事で、条件反射的に「はい。」と言ってしまったが最後、
「では、今私が説明した事を最初から一言一句間違えずに言ってください。」
と言われ、答える事が全然出来なかった。
「答えられないのは、頭の中で違う事を考えていらっしゃるからではありませんか?早く愛する方の元に帰りたいのであれば、私の話を真剣に聞いて下さらないと。」
と先程迄とは打って変わって雄弁に話す若い司祭に、あんぐりと口を開けてしまう昭弘。
「仕方ありません。最初からもう一度ご説明致します。よくお聞きください、寺田様。あ!ちなみにではありますが。私の能力は、『読心』ですよ。」
そう言ってニヤリと笑う司祭に、昭弘は白旗をあげるしか無かった。
因みに昭弘も、愛子同様、レベルもなにもかも、殆ど変わってはいなかった。
~僧侶の昭弘 side~
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