上 下
75 / 85
第7章 番外編(ルミエール王国奪還 〜準備編)

転ばぬ先の杖でいこう!

しおりを挟む
翌日私はリックと共有している書斎にいた。

天井まである巨大な本棚に向かい、
「えっと……あれは何処に置いたっけ?……確かこの辺に…あれ?違った……。じゃこっち?……あら違った。う~ん……じゃここだったかしら?…あ!!あったあった。これよ、これ。」

私はこの世界に召喚された時に、イズール様に頼んでチートにして貰った時貰った魔法の本(放ったらかしだったから、少し埃を被ってた。ごめんね女神様)を引っ張り出して、私用の机の上に置いた。

「えっと……。使い魔、使い魔っと……。え?聖女は使い魔って使わないの?じゃ動物を使役する……はぁ?それもダメ?聖女ってば使えないじゃない!」
私はそう叫んでバタンと本を閉じ、椅子の背もたれに身体を預けた。

本によると、使い魔を使えるのは"魔法使い”で動物を使役するのは"テイマー”なんだって。
もう!折角ルミエール王国に動物のスパイを送り込んで、内部調査しようって決めたのに。

現在ルミエール王国を支配してるのは魔族でしょ?
魔族って事は、イコール悪魔って事じゃない?
で、悪魔から連想される動物っていえば、『烏』と『蝙蝠』でしょ?

だから、それのどっちかを使い魔ないしは使役してルミエール王国に送り込んでやろうって思ってたのに……
聖女はそのどっちも出来ないとか聞いてな~い!

ユニコーンが言ってた『おさの娘』って、要は"王女様”でしょ?
その王女様が、操られてるとはいえ実父を裏切ってたと分かっちゃったら、絶対危ない事になってるって思うよね。
最悪もう既に殺されてるか?
辛うじて生かされてるけど、地下牢とかに押し込められてるとか?
王様も正気じゃないだろうから、実の娘とはいえ、きっと庇わないだろうしさ。

う~ん……
なんかいい方法ないのかなぁ…

てか、早く行動に移さないとどんどん悪化して、取り返しがつかない事になりかねないし、魔族が調子づいてこっちに攻めてくる可能性もあるわけじゃない?

勿論そうなったら、聖女として断固戦うし、フルパワーでこの国を守ってみせるけどね。

ま、そんな事になる前にちゃんと対策を施さないとよね。

だってそうでしょ?

昔から、転ばぬ先の杖 っていうし、急がば回れ…あ!これは違うかな?
ううん
今の状態だと、どっちもよね。

よし!
そうと決まれば、今夜リックに何かいい案が無いか相談して、それによってはイズール様呼び出しちゃお。

聖女マコ
久しぶりに頑張るわよ!
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

【完結】一緒なら最強★ ~夫に殺された王太子妃は、姿を変えて暗躍します~

竜妃杏
恋愛
王太子妃のオフィーリアは、王太子の子を身に宿して幸せに暮らしていた。 だがある日、聖女リリスに夫を奪われれ、自分に不貞の濡れ衣を着せられて殺されてしまう。 夫とリリスに復讐を誓いながら死んだ……と思ったらなんと翌朝、義弟リチャードの婚約者・シャーロットになって目が覚めた! 入り込んでしまったシャーロットの記憶を頼りに、オフィーリアは奔走する。 義弟リチャードを助けるため、そして憎き二人に復讐するため、オフィーリアが周囲の人々を巻き込んで奮闘する物語です。 ※前半はシリアス展開で残虐なシーンが出てきます。 後半はギャグテイストを含みます。 R15はその保険です。苦手な方はお気をつけて下さい。

【短編】冤罪が判明した令嬢は

砂礫レキ
ファンタジー
王太子エルシドの婚約者として有名な公爵令嬢ジュスティーヌ。彼女はある日王太子の姉シルヴィアに冤罪で陥れられた。彼女と二人きりのお茶会、その密室空間の中でシルヴィアは突然フォークで自らを傷つけたのだ。そしてそれをジュスティーヌにやられたと大騒ぎした。ろくな調査もされず自白を強要されたジュスティーヌは実家に幽閉されることになった。彼女を公爵家の恥晒しと憎む父によって地下牢に監禁され暴行を受ける日々。しかしそれは二年後終わりを告げる、第一王女シルヴィアが嘘だと自白したのだ。けれど彼女はジュスティーヌがそれを知る頃には亡くなっていた。王家は醜聞を上書きする為再度ジュスティーヌを王太子の婚約者へ強引に戻す。 そして一年後、王太子とジュスティーヌの結婚式が盛大に行われた。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

よくある父親の再婚で意地悪な義母と義妹が来たけどヒロインが○○○だったら………

naturalsoft
恋愛
なろうの方で日間異世界恋愛ランキング1位!ありがとうございます! ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆ 最近よくある、父親が再婚して出来た義母と義妹が、前妻の娘であるヒロインをイジメて追い出してしまう話……… でも、【権力】って婿養子の父親より前妻の娘である私が持ってのは知ってます?家を継ぐのも、死んだお母様の直系の血筋である【私】なのですよ? まったく、どうして多くの小説ではバカ正直にイジメられるのかしら? 少女はパタンッと本を閉じる。 そして悪巧みしていそうな笑みを浮かべて── アタイはそんな無様な事にはならねぇけどな! くははははっ!!! 静かな部屋の中で、少女の笑い声がこだまするのだった。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

虐げられた令嬢、ペネロペの場合

キムラましゅろう
ファンタジー
ペネロペは世に言う虐げられた令嬢だ。 幼い頃に母を亡くし、突然やってきた継母とその後生まれた異母妹にこき使われる毎日。 父は無関心。洋服は使用人と同じくお仕着せしか持っていない。 まぁ元々婚約者はいないから異母妹に横取りされる事はないけれど。 可哀想なペネロペ。でもきっといつか、彼女にもここから救い出してくれる運命の王子様が……なんて現れるわけないし、現れなくてもいいとペネロペは思っていた。何故なら彼女はちっとも困っていなかったから。 1話完結のショートショートです。 虐げられた令嬢達も裏でちゃっかり仕返しをしていて欲しい…… という願望から生まれたお話です。 ゆるゆる設定なのでゆるゆるとお読みいただければ幸いです。 R15は念のため。

(改訂版)帝国の王子は無能だからと追放されたので僕はチートスキル【建築】で勝手に最強の国を作る!

黒猫
ファンタジー
帝国の第二王子として生まれたノルは15才を迎えた時、この世界では必ず『ギフト授与式』を教会で受けなくてはいけない。 ギフトは神からの祝福で様々な能力を与えてくれる。 観衆や皇帝の父、母、兄が見守る中… ノルは祝福を受けるのだが…手にしたのはハズレと言われているギフト…【建築】だった。 それを見た皇帝は激怒してノルを国外追放処分してしまう。 帝国から南西の最果ての森林地帯をノルは仲間と共に開拓していく… さぁ〜て今日も一日、街作りの始まりだ!!

処理中です...