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第4章 マコこそが真の聖女

愛し子の本気とざまぁ~宮中晩餐会編~

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「あ!これ美味し~。」

「あぁ、そうだな。上手いな。」

「だよね~。王族って毎日こんな美味しい料理食べてるんだね。」

「あぁ、そうかもな。」

「こんなの毎日食べちゃったら、無駄肉いっぱいつきそうよね。」

「俺は今のお前のままで丁度いいから。だから太るなよ?」

と小声で、しかも大好きなリックのテノールボイスで耳許みみもとささやかれ、大いに照れてしまった。

きっと耳まで赤くなってしまっただろう私は、

「リック~~~。」

と、リューベックを睨んだのだが、

「そんな可愛い顔で睨んでも少しも怖くない。」

と言われ、益々ますます照れて俯いてしまった。

(もう!後で覚えてなさいね?リック。)
とリックをジト目で見たが、私の視線に気付かない振りをして料理を食べるリックがフッと笑ったから、私もつられて笑ってしまった。



「おい!見たか?リューベック様の今のあの顔。」

「はい。私も初めて見ました。」

「あの時も人目を気にしないでマコ様と……」

「ええ。私も目のやり場に困りましたが、お2人のあの行為の中に無言の会話が聞こえたような…」

「あぁ。俺もそう思ったよ。祈りにも似た接吻せっぷんだったよな。」

「それに、着飾った聖女様はなんて美しいのでしょう。」

「あぁそうだな。しかもあの身体…リューベック様が隠したくなるのも分かるよな。」

「ええ。そうですよね。大人の女性の魅力が……。」

なんて事を、ランスロットとその部下達が、私を見ながらそんな会話をしていた事は気づかなかった。



そう。今は国王主催の晩餐会ばんさんかいが行われている大広間。
こういう画像…前の世界でも見た事あったわ。宮中晩餐会てやつだよね。
各国の要人ようじんが来て、料理食べながら交流するって行事だったはず。
こんなのニュースでしか見た事無かったし、ましてや自分がその場にいるとか有り得なかったはずなのに…人生何が起こるか分からないとはこの事だよね。


分からないと言えばもう1つ。このドレスの事よ。
今私が着ているドレスは、この晩餐会ばんさんかい様に国が用意した物。色はオフホワイトで、胸元が大きく大胆に開き、身体の線がはっきりと出るマーメイドラインと呼ばれるもの。
本来ドレスというのは、コルセットでウエストを…また背中の紐をグイグイ締めてグラマラスな身体を作る(所謂いわゆる補正下着的な感じね)らしい。
だから歴史上の人物画の女性達のウエストは皆、超絶細かったんだなって思った。
コルセットなんてしなくても、そこそこ持ち上がる綺麗な私の胸元を見たリックは、

「流石にこれはやり過ぎだろ。」

と言って、急いで王都にある邸宅からカルディール侯爵夫人のラベンダー色のストールを持ってきてくれた。
私はそれを羽織はおり、女神様から貰ったブローチでそれを止めて晩餐会に参加する事で、リックに安心してもらったのだ。

私だってリック以外の男性ひとからいやらしい目で見られるのは嫌だから、機転を効かせストールを持ってきてくれたリックには感謝しかないんだけど……まさかこの後あんな事になるとは、この時点では思ってもみなかったわ。





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