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第2章 マコ巫女になる
修道院の現状
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その日の晩。
私はシスターキャシー(子供達がそう呼んでると聞いたから、私も倣わないとね。)の横に立ち、食堂に並んで座る子供達と向き合っていた。
「今日から皆さんのお世話をしてくれる事になったシスターマコよ。皆、ご挨拶なさい。」
「初めましてシスターマコ。宜しくお願いします。」
最年長らしい少女の第一声に合わせ、
「宜しくお願いします。」
と他の子供達がそれに続いた。
「マコです。皆と一緒に勉強したり働いたりしたいと思っています。宜しくお願いしますね。」
可愛い笑顔が並び私は嬉しくなった。この感じ、教師だった頃の事を思い出すな~。まさかまたこんな風に子供達と接する事が出来るなんて、異世界召喚、聖女不適合(あ!言っておきますが、私が不適合となった訳じゃないからね?勝手にンコ王子がやったことだから。\_(・ω・`)ココ大事。)になって良かったわ。
「では、女神様へ祈りを捧げましょう。」
シスターキャシーが言えば、さっきの少女がそれに続き
「女神様。大地の恵みに感謝します。」
と祈りを促す。子供達は、手を合わせ目をつぶり、真剣に祈っているようだった。
その後食事が始まったのは良いが、こいつが酷いてもんじゃない。
味が殆ど無く具材も少ないスープに固いパンと小さなクッキーが2枚だけ。とてもじゃないけど、成長期の子供達にとって、満腹になる事は有り得ないだろう。
年齢に応じた必要な摂取カロリーと、良質なタンパク質やビタミン豊富な野菜。どの栄養素も満足に摂れないじゃんこんなのじゃ。だから子供達は皆痩せてガリガリなんだわ。
それに乳幼児はどうよ。乳母がいる訳じゃないから、離乳食の年齢じゃない子は、水でのばしたみたいなうっすい粉ミルクっぽいのを飲ましてるみたいだった。あんなんじゃ、綠に栄養とれなくて、その内免疫力落ちて病気で死んじゃうじゃん。
健全な精神は健全な体内に宿るもの。こんな人間を人間とも思えない生活を強いられ、学が無いからといってまともな職にも就けないようなシステムとかマジ有り得ないから。
乙ゲーじゃ世界のこんな詳細なシチュとか絶対見られないよね。データ量ばっか多くなって処理しきれないくなるもん。
でもこれはちゃんと対策考えないとだよな。と私は美味しくない食事をしながら、悶々と考えていた。
食事の後各々の食器を調理場へ持っていき食器を洗うのも、子供達の日常だそうだ。まぁ偉いよね。
だけどその水がまた汚い。こんなんで洗った食器で食べたら、食中毒になるわ。
キャシーさんに聞くと、水場までとても遠い為、どうしてもこうなってしまうと言われた。
勿論そんな事だから、お風呂に入るとかシャワーを浴びるなんて事は出来ず、濡らした布で身体を拭く程度の状態。赤ちゃんも紙オムツなんて無いから布のおしめなのは仕方ないけど、その布は薄汚れてて…。
何処をどう見ても不潔極まりない修道院での生活に唖然とするが、キャシーさんも一生懸命やっている。彼女は一切手を抜いてはいない。それだけは確かだった。
私はシスターキャシー(子供達がそう呼んでると聞いたから、私も倣わないとね。)の横に立ち、食堂に並んで座る子供達と向き合っていた。
「今日から皆さんのお世話をしてくれる事になったシスターマコよ。皆、ご挨拶なさい。」
「初めましてシスターマコ。宜しくお願いします。」
最年長らしい少女の第一声に合わせ、
「宜しくお願いします。」
と他の子供達がそれに続いた。
「マコです。皆と一緒に勉強したり働いたりしたいと思っています。宜しくお願いしますね。」
可愛い笑顔が並び私は嬉しくなった。この感じ、教師だった頃の事を思い出すな~。まさかまたこんな風に子供達と接する事が出来るなんて、異世界召喚、聖女不適合(あ!言っておきますが、私が不適合となった訳じゃないからね?勝手にンコ王子がやったことだから。\_(・ω・`)ココ大事。)になって良かったわ。
「では、女神様へ祈りを捧げましょう。」
シスターキャシーが言えば、さっきの少女がそれに続き
「女神様。大地の恵みに感謝します。」
と祈りを促す。子供達は、手を合わせ目をつぶり、真剣に祈っているようだった。
その後食事が始まったのは良いが、こいつが酷いてもんじゃない。
味が殆ど無く具材も少ないスープに固いパンと小さなクッキーが2枚だけ。とてもじゃないけど、成長期の子供達にとって、満腹になる事は有り得ないだろう。
年齢に応じた必要な摂取カロリーと、良質なタンパク質やビタミン豊富な野菜。どの栄養素も満足に摂れないじゃんこんなのじゃ。だから子供達は皆痩せてガリガリなんだわ。
それに乳幼児はどうよ。乳母がいる訳じゃないから、離乳食の年齢じゃない子は、水でのばしたみたいなうっすい粉ミルクっぽいのを飲ましてるみたいだった。あんなんじゃ、綠に栄養とれなくて、その内免疫力落ちて病気で死んじゃうじゃん。
健全な精神は健全な体内に宿るもの。こんな人間を人間とも思えない生活を強いられ、学が無いからといってまともな職にも就けないようなシステムとかマジ有り得ないから。
乙ゲーじゃ世界のこんな詳細なシチュとか絶対見られないよね。データ量ばっか多くなって処理しきれないくなるもん。
でもこれはちゃんと対策考えないとだよな。と私は美味しくない食事をしながら、悶々と考えていた。
食事の後各々の食器を調理場へ持っていき食器を洗うのも、子供達の日常だそうだ。まぁ偉いよね。
だけどその水がまた汚い。こんなんで洗った食器で食べたら、食中毒になるわ。
キャシーさんに聞くと、水場までとても遠い為、どうしてもこうなってしまうと言われた。
勿論そんな事だから、お風呂に入るとかシャワーを浴びるなんて事は出来ず、濡らした布で身体を拭く程度の状態。赤ちゃんも紙オムツなんて無いから布のおしめなのは仕方ないけど、その布は薄汚れてて…。
何処をどう見ても不潔極まりない修道院での生活に唖然とするが、キャシーさんも一生懸命やっている。彼女は一切手を抜いてはいない。それだけは確かだった。
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