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第七章 襲撃
第12話 救出 1 ~白金桃花side〜
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ドンドンドンドン
「此処を開けろ!!」
ドンドンドンドン
「早く開けるんだ!!」
ドンドンドンドン
「いるのは分かってるんだ!!早くしろ!」
ったく~……誰なの?
気持ち良く寝てたのに~
私一日10時間寝ないとダメな人なのに~
部屋の扉をドンドン叩く男の怒鳴り声で目が覚めるとか、ホント最悪ね~。
と思いながら、
「はいはい。今開けますよっ。って、え?」
ドアを開けるとそこには流星さんが沢山の人の前に立っていた。
「え?ルイさんってばどうしっ……!?」
後退りしながら聞く私の言葉を無視して、どんどん部屋の中に入ってくるルイさん。
「ルイさんてば、ちょっと待って……!?」
「退け!デブ!!」
ドシッ!!
「え?デブ?ギャッ!痛ッ。」
ルイさんに蹴られ、私はボールの様にゴロゴロ転がって壁に激突した。
「菜々!!菜々!!」
ちょっと!酷いじゃない!!
か弱い乙女を蹴り飛ばすとか。
少しイケメンだからって暴力はどうかと思うわ。
「ちょっと!ルイさんってば、蹴るとか止めてよね。」
と文句を言ってやろうと思い起き上がろうとすると、
「おい!この豚女!!俺の菜々を何処にやった!!」
「え?俺の菜々?俺のって…「煩い!!早く言え!!言わないと…」!?」
私の胸ぐらを掴んまま無理やり立たせると、ガツンと壁に押し付けられた。
キャー!壁ドン~
とか喜んでる場合じゃないわ!
「ちょッ。ル、イさん…く、ぐるじぃ……」
「煩ぇ!!早く言えよ!」
壁に押し付ける力を緩めてくれないルイさんが怖くて、私はチラッと濱田菜々子を閉じ込めている部屋の方を見てしまった。
「あそこか!」
私の一瞬の目の動きを見逃さなかったルイさんが、私から手を離した。
ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ..
気道に突然大量の空気が入ってきた事により、噎せかえっている私を置いて、彼は部屋へ向かっていく。
「菜々!いるなら返事をしろ!」
部屋の中にいる菜々子に呼びかけるルイさんの顔に焦りが見えた。
中の菜々子は、男達が後ろ手に縛った状態で、口には猿轡とまでじゃないけど、口を布で覆っているから、ちゃんとした返事は出来ないだろう。
「くっそ!!鍵かかってんじゃねぇか。菜々子!!蹴破るからドアから離れろ!」
部屋のドアをガチャガチャ回していたルイさんの口からとんでもない言葉が飛び出した。
え?蹴破る?マジ!?
ルイさんは、一度ドアから離れると、
「はぁ~……」
と言った後……
「せいやー!!」
と言ってドアを蹴り飛ばした!
バキッ!でもドカッ!でもバリバリッ!でもない音が響いたかと思うと、ドアがバァーンと音を出し蝶番を壊しながら吹っ飛んで行くのを呆然として見ていた。
「菜々!」
私がいる所から、部屋の中の二人の様子がよく見える。
ルイさんは菜々子を抱き締め、口の布を外し、手の拘束を解いていた。
「大丈夫か?菜々。痛い所は?」
「お兄様…助けてくれてありがとうございます。」
「当たり前だろう。世界中のどこに居たって探し出して助けてやるよ。」
それはまるで悪い魔女に閉じ込められたお姫様を助け出す王子様の様で、そんなのを見せられるとは思わなかった私はボーッと抱き合うルイさんと菜々子を見つめていた。
「白金桃花さんですね?」
声がした方に顔を向けると、知らないおじさんが目線を合わせてきた。
「はい。」
「警視庁特殊犯の杉田です。」
「はぁ……」
「貴女を誘拐及び監禁の疑いで逮捕します。」
え?逮捕?
「はぁ?」
「20△△年✕月○○日、午後19:48分。犯人確保。」
「え?ちょっ待ってよ!!なんで?逮捕とかおかしいでしょ!」
「話は管轄の警察署で聞きます。おい!お連れしろ。」
私は、警察官に手錠をかけられ、部屋の外に出された。
チラッと中の二人を見遣ると、彼等はまだ抱きしめあっていた。
~白金桃花side 終~
「此処を開けろ!!」
ドンドンドンドン
「早く開けるんだ!!」
ドンドンドンドン
「いるのは分かってるんだ!!早くしろ!」
ったく~……誰なの?
気持ち良く寝てたのに~
私一日10時間寝ないとダメな人なのに~
部屋の扉をドンドン叩く男の怒鳴り声で目が覚めるとか、ホント最悪ね~。
と思いながら、
「はいはい。今開けますよっ。って、え?」
ドアを開けるとそこには流星さんが沢山の人の前に立っていた。
「え?ルイさんってばどうしっ……!?」
後退りしながら聞く私の言葉を無視して、どんどん部屋の中に入ってくるルイさん。
「ルイさんてば、ちょっと待って……!?」
「退け!デブ!!」
ドシッ!!
「え?デブ?ギャッ!痛ッ。」
ルイさんに蹴られ、私はボールの様にゴロゴロ転がって壁に激突した。
「菜々!!菜々!!」
ちょっと!酷いじゃない!!
か弱い乙女を蹴り飛ばすとか。
少しイケメンだからって暴力はどうかと思うわ。
「ちょっと!ルイさんってば、蹴るとか止めてよね。」
と文句を言ってやろうと思い起き上がろうとすると、
「おい!この豚女!!俺の菜々を何処にやった!!」
「え?俺の菜々?俺のって…「煩い!!早く言え!!言わないと…」!?」
私の胸ぐらを掴んまま無理やり立たせると、ガツンと壁に押し付けられた。
キャー!壁ドン~
とか喜んでる場合じゃないわ!
「ちょッ。ル、イさん…く、ぐるじぃ……」
「煩ぇ!!早く言えよ!」
壁に押し付ける力を緩めてくれないルイさんが怖くて、私はチラッと濱田菜々子を閉じ込めている部屋の方を見てしまった。
「あそこか!」
私の一瞬の目の動きを見逃さなかったルイさんが、私から手を離した。
ゴホッ...ヴ...ゲホッゴホッゴホッ..
気道に突然大量の空気が入ってきた事により、噎せかえっている私を置いて、彼は部屋へ向かっていく。
「菜々!いるなら返事をしろ!」
部屋の中にいる菜々子に呼びかけるルイさんの顔に焦りが見えた。
中の菜々子は、男達が後ろ手に縛った状態で、口には猿轡とまでじゃないけど、口を布で覆っているから、ちゃんとした返事は出来ないだろう。
「くっそ!!鍵かかってんじゃねぇか。菜々子!!蹴破るからドアから離れろ!」
部屋のドアをガチャガチャ回していたルイさんの口からとんでもない言葉が飛び出した。
え?蹴破る?マジ!?
ルイさんは、一度ドアから離れると、
「はぁ~……」
と言った後……
「せいやー!!」
と言ってドアを蹴り飛ばした!
バキッ!でもドカッ!でもバリバリッ!でもない音が響いたかと思うと、ドアがバァーンと音を出し蝶番を壊しながら吹っ飛んで行くのを呆然として見ていた。
「菜々!」
私がいる所から、部屋の中の二人の様子がよく見える。
ルイさんは菜々子を抱き締め、口の布を外し、手の拘束を解いていた。
「大丈夫か?菜々。痛い所は?」
「お兄様…助けてくれてありがとうございます。」
「当たり前だろう。世界中のどこに居たって探し出して助けてやるよ。」
それはまるで悪い魔女に閉じ込められたお姫様を助け出す王子様の様で、そんなのを見せられるとは思わなかった私はボーッと抱き合うルイさんと菜々子を見つめていた。
「白金桃花さんですね?」
声がした方に顔を向けると、知らないおじさんが目線を合わせてきた。
「はい。」
「警視庁特殊犯の杉田です。」
「はぁ……」
「貴女を誘拐及び監禁の疑いで逮捕します。」
え?逮捕?
「はぁ?」
「20△△年✕月○○日、午後19:48分。犯人確保。」
「え?ちょっ待ってよ!!なんで?逮捕とかおかしいでしょ!」
「話は管轄の警察署で聞きます。おい!お連れしろ。」
私は、警察官に手錠をかけられ、部屋の外に出された。
チラッと中の二人を見遣ると、彼等はまだ抱きしめあっていた。
~白金桃花side 終~
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