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第七章 襲撃
第11話 誘拐 3
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俺が所長と一件の挨拶回りを終え車に戻った時、事務所のメンバーで作ったメッセージアプリのグループトークに連絡が入った。
事務所の近藤さんからだ。
『❖近藤❖さくら濱銀行の濱田菜々子さんを誘拐した。返して欲しくば、白金百合香さんを連れて来いと、若先生ご指名の電話が今入っています。』
と。
どうやらリアルタイムで事務所の近藤さんが、犯人と思しき人物と話をしているようだ。
犯人の要求が、身代金じゃなくて、菜々を返して欲しければりりを連れて来い?だって?
『❖駿斗❖近藤さん。犯人の性別は?』
『❖近藤❖変声機で声を変えてはいますが、恐らく口調からして女です。』
女?だったらアノ妄想勘違い女しかないな。
『❖所長❖近藤君。会話の録音は?』
『❖近藤❖しています。』
『❖所長❖流石だな。犯人の発信元は分かるか?』
『❖近藤❖この犯人ってどうなんですかね?事務所の電話に、相手の電話番号出ちゃってるんですけど……』
『❖駿斗❖恐らく犯人は白金桃花だと思います。』
『❖所長❖私もそう思う。』
「父さん、りりに連絡は?」
「私からしよう。お前は、百合香ちゃんを連れて濱田家に急ぎなさい。」
「はい、分かりました。」
俺が車を走らせている間も、父さんは近藤さんとやり取りを続けていた。
父さんを事務所に降ろし、俺はマンション迄車を走らせる。
櫻井のおじさんから連絡があったらしいりりが、マンションの前で泣いて震えながら羽田さんに支えられて待っていた。
俺は、ハザードランプを点滅させ車を止め、急いでりりの元へと走った。
「りり。りり!」
「は、やと…菜々が……菜々子が。」
俺に縋り付き泣きじゃくるりりを抱き締める。
「菜々は大丈夫だ。」
「どうして?なんでそんな事が言えるの?」
「犯人は十中八九りりの元義妹だからだ。アノ女に菜々を傷付ける度胸は無い。」
「え?桃花が?桃花が犯人なの?」
「とりあえず今から菜々の実家へ行く。詳しい事は車の中で話すから。」
「う、うん。」
「私が、先導致します。お嬢様は連城様のお車へ早く。」
羽田さんに促されたりりは、なんとか歩きだし、俺の車の助手席に乗り込んだ。
俺はシートベルトをしてやり、運転席へと回り込む。
すると羽田さんの車が、マンションの地下駐車場から出てきて俺の車の前でまで来ると、ついてこいというように小さくクラクションを鳴らす。
俺はりりの右手をそっと握り、
「行くぞ!」
と微笑みかけた。
事務所の近藤さんからだ。
『❖近藤❖さくら濱銀行の濱田菜々子さんを誘拐した。返して欲しくば、白金百合香さんを連れて来いと、若先生ご指名の電話が今入っています。』
と。
どうやらリアルタイムで事務所の近藤さんが、犯人と思しき人物と話をしているようだ。
犯人の要求が、身代金じゃなくて、菜々を返して欲しければりりを連れて来い?だって?
『❖駿斗❖近藤さん。犯人の性別は?』
『❖近藤❖変声機で声を変えてはいますが、恐らく口調からして女です。』
女?だったらアノ妄想勘違い女しかないな。
『❖所長❖近藤君。会話の録音は?』
『❖近藤❖しています。』
『❖所長❖流石だな。犯人の発信元は分かるか?』
『❖近藤❖この犯人ってどうなんですかね?事務所の電話に、相手の電話番号出ちゃってるんですけど……』
『❖駿斗❖恐らく犯人は白金桃花だと思います。』
『❖所長❖私もそう思う。』
「父さん、りりに連絡は?」
「私からしよう。お前は、百合香ちゃんを連れて濱田家に急ぎなさい。」
「はい、分かりました。」
俺が車を走らせている間も、父さんは近藤さんとやり取りを続けていた。
父さんを事務所に降ろし、俺はマンション迄車を走らせる。
櫻井のおじさんから連絡があったらしいりりが、マンションの前で泣いて震えながら羽田さんに支えられて待っていた。
俺は、ハザードランプを点滅させ車を止め、急いでりりの元へと走った。
「りり。りり!」
「は、やと…菜々が……菜々子が。」
俺に縋り付き泣きじゃくるりりを抱き締める。
「菜々は大丈夫だ。」
「どうして?なんでそんな事が言えるの?」
「犯人は十中八九りりの元義妹だからだ。アノ女に菜々を傷付ける度胸は無い。」
「え?桃花が?桃花が犯人なの?」
「とりあえず今から菜々の実家へ行く。詳しい事は車の中で話すから。」
「う、うん。」
「私が、先導致します。お嬢様は連城様のお車へ早く。」
羽田さんに促されたりりは、なんとか歩きだし、俺の車の助手席に乗り込んだ。
俺はシートベルトをしてやり、運転席へと回り込む。
すると羽田さんの車が、マンションの地下駐車場から出てきて俺の車の前でまで来ると、ついてこいというように小さくクラクションを鳴らす。
俺はりりの右手をそっと握り、
「行くぞ!」
と微笑みかけた。
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