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第二章 人々の思惑

第5話 京極利樹

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俺の名前は京極 利樹きょうごく としき16歳。高等部の2年生だ。
親は医療機器メーカーの社長をやっている。
俺には8歳年上の兄貴の裕貴ゆうきがいるから、親の会社を継ぐことは出来ないが、何処かの社長令嬢と結婚したら社長になるなんて簡単じゃね?と思っている。兄貴みたいに1から下積みとか、絶対したくないし、俺の美学に反するもんな。

だから俺は、足繁あししげく『社会勉強と将来への顔繋ぎ』と称し、親父に着いていっては、パーティーに顔を出してコネ作りにはげんでいた。
ま、最悪どうにもならなかったら、不本意ではあるが、隣の白金の家に婿入りすりゃいいしな。

白金といえばだが、アイツ 百合香はなんでいきなりあんな不細工になったんだろうか。

幼稚舎の頃は、アイスブルーの瞳で綺麗な金髪、死んだアイツの母親によく似ている将来有望な見た目だったはずなのにな。
あのままでいてくれたら、将来社長になった俺の隣に置いておいても良かったんだが、今の百合香じゃ到底そうは思えない。

そんな事を考えていた矢先、百合香の親父さんが再婚すると聞いた。

あの人は公然の秘密で、百合香の母親とは金の為に結婚。本命は別にいて、その女と生活しているって事だったから、百合香の母親が死んじまった今、晴れて結婚する事になったんだろう。

まぁいい。俺が社長になる計画にブレはないからな。

俺は親父から、白金貴生氏が新しい奥さんの披露パーティーをする事を聞きつけ、会場に足を運んだ。

そして見つけた!

白金貴生の隣にいる女、あれが新しい奥さんで、その隣の女の子……

百合香とは違って、可愛いだけで頭が悪そうな扱いやすい女。
百合香は地味で陰キャだが、学年首席だ。
俺もそこそこ出来る方だとは思うが、百合香には絶対適わないだろう。
俺より出来る女だと、俺が思ったように会社を操れないからダメなんだ。

決めた!!あの子 桃花を取り込んで、『sirogane.co』を俺の・・にしてやる。

百合香は…俺に気がある素振りがあるから、俺の第1秘書にして、愛人にでもしてやれば喜ぶだろう。
陰キャだから、結婚とか無理だろうしな。

俺はそう考えながら、披露パーティーから帰る百合香に声をかけ、桃花との接触を試みる事にした。
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