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第12章 ブス姉が幸せになる為に(ブス姉vs元家族)
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廊下から聞こえてきた甲高い声
それは、
「あ!この声はリー…「あぁ……。本当に耳障りだな。」え?」
と私の言葉に被せてそう仰ったザック様は、
「ヴァン、風壁で外部からの音を遮断してくれ!」
とザック様に加護を与えている風の妖精ヴァンにそう言ったの。
少しして、ふわりと暖かい風が私達の周りに吹いたかと思うと、忽ちリーナの声は聞こえなくなったわ。
「凄いのですわね。あの子の声が全く聞こえなくなりましたわ。ヴァン、ありがとう」
とヴァンにお礼を言うと、ヴァンは嬉しそうに空中でくるくる回っていたの。
室内が静かになったので、婚約式の段取りの確認作業に集中することにした私達。
一通り流れを確認すると、
「名残惜しいけれど、俺は一旦自室に戻るよ、ジェーン。また今夜、大広間で会おう。」
と仰って、ザック様は私の客間からお隣のザック様のお部屋へと続く扉を開けて入って行かれたわ。
部屋に一人残された私は、取り敢えず先に搬入されていた荷を解き、中から隣国である帝国仕様の、真っ白な婚約式用のドレスを引っ張り出したの。
この国では、貴族同士の婚約に婚約式等という儀式を行う事はないの。元婚約者だったハワード殿下との婚約が決まった時も、そんなことはしなかったもの。
だけれど、お隣の帝国ではそれは当たり前の儀式だそうで、お義父の妹君のウィンザード伯爵夫人…あ!お義母様って呼んでって言われてたっけ…シャルルーシェお義母様も、この国に嫁がれた際にこの儀式をされたってオースティンお義父様が仰ってたわ。
大きな箱の中から取り出した真っ白なローブモンタントのドレスは、急な事だった為に、帝国にある貴族御用達のドレス店で既製品の物を購入せざるを得なかったのだけれども、私の体型に合ったデザインで、仕立ても生地も最高級なドレスだった。こんなに素敵なドレスを用意してくださった、ランドルフ公爵夫妻には感謝しかないわ。
私はそのドレスに、空いた時間を使ってユーリブランドの象徴でもある百合の刺繍を、銀糸の刺繍糸で襟や袖口、それからドレスの裾部分に施していくことにしたの。
ザック様との幸せな婚約生活、その先の結婚生活を想像しながら刺していく刺繍は、私の心をとても暖かくしてくれたわ。
それに、出来上がったドレスに身を包んだ私の姿を見た元家族達は、一体どんな思いをするのだろう、どんな事を言ってくるのだろう。
そう思うとワクワクしてきてもいたの。
こんな事を言うと、なんだか心底意地の悪い人間だと思われるかもしれないけれど、元家族が私にしてきた事は虐待に値すると思っているし、実際そうだったのだから、私がそんなふうに思う事は致し方のない事だと思うの。
もし仮に、彼等が反省していたとしても、私は到底許すつもりもないのだけれど。
「よし!出来た~!」
出来上がったドレスをドレス用の衣紋掛けにかけると、糸くずが付いていたり生地にひきつれなどが生じていないかを細かくチェックしたの。そしてそれを再度箱の中に戻すと、大事に抱えてとある部屋を訪ねたのよ。
それは、
「あ!この声はリー…「あぁ……。本当に耳障りだな。」え?」
と私の言葉に被せてそう仰ったザック様は、
「ヴァン、風壁で外部からの音を遮断してくれ!」
とザック様に加護を与えている風の妖精ヴァンにそう言ったの。
少しして、ふわりと暖かい風が私達の周りに吹いたかと思うと、忽ちリーナの声は聞こえなくなったわ。
「凄いのですわね。あの子の声が全く聞こえなくなりましたわ。ヴァン、ありがとう」
とヴァンにお礼を言うと、ヴァンは嬉しそうに空中でくるくる回っていたの。
室内が静かになったので、婚約式の段取りの確認作業に集中することにした私達。
一通り流れを確認すると、
「名残惜しいけれど、俺は一旦自室に戻るよ、ジェーン。また今夜、大広間で会おう。」
と仰って、ザック様は私の客間からお隣のザック様のお部屋へと続く扉を開けて入って行かれたわ。
部屋に一人残された私は、取り敢えず先に搬入されていた荷を解き、中から隣国である帝国仕様の、真っ白な婚約式用のドレスを引っ張り出したの。
この国では、貴族同士の婚約に婚約式等という儀式を行う事はないの。元婚約者だったハワード殿下との婚約が決まった時も、そんなことはしなかったもの。
だけれど、お隣の帝国ではそれは当たり前の儀式だそうで、お義父の妹君のウィンザード伯爵夫人…あ!お義母様って呼んでって言われてたっけ…シャルルーシェお義母様も、この国に嫁がれた際にこの儀式をされたってオースティンお義父様が仰ってたわ。
大きな箱の中から取り出した真っ白なローブモンタントのドレスは、急な事だった為に、帝国にある貴族御用達のドレス店で既製品の物を購入せざるを得なかったのだけれども、私の体型に合ったデザインで、仕立ても生地も最高級なドレスだった。こんなに素敵なドレスを用意してくださった、ランドルフ公爵夫妻には感謝しかないわ。
私はそのドレスに、空いた時間を使ってユーリブランドの象徴でもある百合の刺繍を、銀糸の刺繍糸で襟や袖口、それからドレスの裾部分に施していくことにしたの。
ザック様との幸せな婚約生活、その先の結婚生活を想像しながら刺していく刺繍は、私の心をとても暖かくしてくれたわ。
それに、出来上がったドレスに身を包んだ私の姿を見た元家族達は、一体どんな思いをするのだろう、どんな事を言ってくるのだろう。
そう思うとワクワクしてきてもいたの。
こんな事を言うと、なんだか心底意地の悪い人間だと思われるかもしれないけれど、元家族が私にしてきた事は虐待に値すると思っているし、実際そうだったのだから、私がそんなふうに思う事は致し方のない事だと思うの。
もし仮に、彼等が反省していたとしても、私は到底許すつもりもないのだけれど。
「よし!出来た~!」
出来上がったドレスをドレス用の衣紋掛けにかけると、糸くずが付いていたり生地にひきつれなどが生じていないかを細かくチェックしたの。そしてそれを再度箱の中に戻すと、大事に抱えてとある部屋を訪ねたのよ。
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