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第三章 旅立ち
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殿下が下を向かれた理由
それは…
私の身体つきをご覧になったからでしたの。
私、顔は(自分ではそうは思っておりませんが)リーナと比べたら地味顔ではありますけども、身体はとてもグラマラスなんですの。
コルセットなんて物で締めあげなくともバストはDカップですので自然な胸の谷間が出来ますし、ウエストも細く、前世で言うところの所謂"ボンキュッボン”なんですのよ。
その上、上背もある為、高めのハイヒールを履いてしまうと、殿下との身長差が0になってしまうのですわ。
学園の制服では分かりにくい身体つきではございますが、ドレスを着てしまうと分かってしまいますものね。
特に貴族令嬢は、自身の身体の線を強調するドレスを身に付けるものですしね。
逆にリーナは、背も低めでお子ちゃま体型なんですの。
いくらコルセットで締め上げていたとしても、胸に詰め物でもしない限りはスッカスカのぶっかぶかなんですのよ。
ですので、彼女が着るドレスは、胸元に出来る余計な皺を隠す為に、大振りなリボンや布で作られた花が縫い付けられるんですの。
一応オートクチュールですのに、そんな物を付けなければ誤魔化せ無いだなんて、デザイナーの腕を疑いたくなりますわね。
もしかしたら、(貧相な)身体に合うドレスをデザイナーが作ってきたのに、リーナが見栄を張って、胸がキツい!と我儘を言った為に、致し方なく作ったドレスなのかもしれませんわ。
キツいのは胸囲ではなく胴囲なのでしょうけども。
だとしたら、デザイナーの方には申し訳無い事致しましたわね。
寸胴体型のリーナに、減り張りをつけたドレスを作らなくてはいけないのですものね。
ご苦労様ですわ。
「お分かりになられまして?ハワード殿下。着丈も胸囲腹囲腰まわり。何もかもどこもかしこも私の寸法ではございませんの。どちらかと申せば、寸法的にだけではございますが、リーナでしたら着られるドレスと言えませんこと?ねぇお母様。そうですわよね?」
とお母様に話を振りますと、
「え…えぇ。そ、そうかもしれませんわね、旦那様。」
と、返答に困られましたお母様。お父様に話を振っておられましたわ。
流石にお父様も殿下の私への仕打ちに顔を歪められ、
「ハワード殿下。そんなにアンジェーヌを貶められたいのでございますか?」
とお聞きになられましたの。
それに対して殿下は何も仰らず、ただ俯いておられるばかり。
ですがこれは不味い状況になりそうですわ。
このままでは私の計画が頓挫してしまいそうですし。
めっちゃ
ヤバイよヤバイよて状況よね?
どうにかしないとじゃん!
と思いました私は、
「まぁまぁお父様。今更ではございませんか。それよりも!そろそろ舞踏会が始まってしまいますわ。学園の筆頭貴族の娘であります私が会場に入りませんとでございましょう?さぁお父様。私をエスコートして下さいませ。」
と申しまして、お父様を強引に引っ張り会場入り致しましたの。
入場前にそんなやり取りをした後ではございますが、婚約者のハワード殿下より蔑ろにされている公爵令嬢と揶揄されている私でございますので、父にエスコートされながらの登場には、貴族達のヒソヒソ話は収まりませんでしたわね。
私をエスコートしながらそんなお声を耳にされているであろうお父様の顔をチラリと見遣りますと、苦虫を噛み潰したようと申しましょうか情けないと申しましょうか……、なんとも形容し難いお顔をなさっておられましたの。
まさか自分の子供が、学園でそんな風に言われているだなんて、思いもよらなかったのでございましょう。
でもお父様?
貴方も私達姉妹が幼い頃から、見た目で優劣を付けておられましたわよ?
お前の顔は華やかさが足りないですとか、お前はリーナと比べると愛嬌が無いですとか。
また、リーナと違ってどうせ勉強しか取り柄が無いのだから、しっかり領地運営の勉強をしろですとかね。
よもやお忘れになったわけではございませんでしょう?
それに、私はもう覚悟が出来ておりますので、誰に何をどう言われましょうとも平気なのですわ。
ですのでお父様?
お父様も、これから起こると思われます事をしっかりと受け入れて下さいましね。
それは…
私の身体つきをご覧になったからでしたの。
私、顔は(自分ではそうは思っておりませんが)リーナと比べたら地味顔ではありますけども、身体はとてもグラマラスなんですの。
コルセットなんて物で締めあげなくともバストはDカップですので自然な胸の谷間が出来ますし、ウエストも細く、前世で言うところの所謂"ボンキュッボン”なんですのよ。
その上、上背もある為、高めのハイヒールを履いてしまうと、殿下との身長差が0になってしまうのですわ。
学園の制服では分かりにくい身体つきではございますが、ドレスを着てしまうと分かってしまいますものね。
特に貴族令嬢は、自身の身体の線を強調するドレスを身に付けるものですしね。
逆にリーナは、背も低めでお子ちゃま体型なんですの。
いくらコルセットで締め上げていたとしても、胸に詰め物でもしない限りはスッカスカのぶっかぶかなんですのよ。
ですので、彼女が着るドレスは、胸元に出来る余計な皺を隠す為に、大振りなリボンや布で作られた花が縫い付けられるんですの。
一応オートクチュールですのに、そんな物を付けなければ誤魔化せ無いだなんて、デザイナーの腕を疑いたくなりますわね。
もしかしたら、(貧相な)身体に合うドレスをデザイナーが作ってきたのに、リーナが見栄を張って、胸がキツい!と我儘を言った為に、致し方なく作ったドレスなのかもしれませんわ。
キツいのは胸囲ではなく胴囲なのでしょうけども。
だとしたら、デザイナーの方には申し訳無い事致しましたわね。
寸胴体型のリーナに、減り張りをつけたドレスを作らなくてはいけないのですものね。
ご苦労様ですわ。
「お分かりになられまして?ハワード殿下。着丈も胸囲腹囲腰まわり。何もかもどこもかしこも私の寸法ではございませんの。どちらかと申せば、寸法的にだけではございますが、リーナでしたら着られるドレスと言えませんこと?ねぇお母様。そうですわよね?」
とお母様に話を振りますと、
「え…えぇ。そ、そうかもしれませんわね、旦那様。」
と、返答に困られましたお母様。お父様に話を振っておられましたわ。
流石にお父様も殿下の私への仕打ちに顔を歪められ、
「ハワード殿下。そんなにアンジェーヌを貶められたいのでございますか?」
とお聞きになられましたの。
それに対して殿下は何も仰らず、ただ俯いておられるばかり。
ですがこれは不味い状況になりそうですわ。
このままでは私の計画が頓挫してしまいそうですし。
めっちゃ
ヤバイよヤバイよて状況よね?
どうにかしないとじゃん!
と思いました私は、
「まぁまぁお父様。今更ではございませんか。それよりも!そろそろ舞踏会が始まってしまいますわ。学園の筆頭貴族の娘であります私が会場に入りませんとでございましょう?さぁお父様。私をエスコートして下さいませ。」
と申しまして、お父様を強引に引っ張り会場入り致しましたの。
入場前にそんなやり取りをした後ではございますが、婚約者のハワード殿下より蔑ろにされている公爵令嬢と揶揄されている私でございますので、父にエスコートされながらの登場には、貴族達のヒソヒソ話は収まりませんでしたわね。
私をエスコートしながらそんなお声を耳にされているであろうお父様の顔をチラリと見遣りますと、苦虫を噛み潰したようと申しましょうか情けないと申しましょうか……、なんとも形容し難いお顔をなさっておられましたの。
まさか自分の子供が、学園でそんな風に言われているだなんて、思いもよらなかったのでございましょう。
でもお父様?
貴方も私達姉妹が幼い頃から、見た目で優劣を付けておられましたわよ?
お前の顔は華やかさが足りないですとか、お前はリーナと比べると愛嬌が無いですとか。
また、リーナと違ってどうせ勉強しか取り柄が無いのだから、しっかり領地運営の勉強をしろですとかね。
よもやお忘れになったわけではございませんでしょう?
それに、私はもう覚悟が出来ておりますので、誰に何をどう言われましょうとも平気なのですわ。
ですのでお父様?
お父様も、これから起こると思われます事をしっかりと受け入れて下さいましね。
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