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第8章 学園生活で見聞した事は(ジェフェリー目線)
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ミーナリンド伯爵令嬢とサリーナヴェルテ侯爵令嬢とお会いする今日。
俺は朝から大忙しだった。
それというのも、彼女達と会う時刻は学園での勉学後だからだ。
本日は、教授達の都合で、全学年全学科の講義が午前中で終了する。
だからこそ本日を、義姉上のご学友の令嬢達にお会いする日と決めたんだ。が、騎士科に所属している俺は、一日の講義が座学より実技科目の方が大半を占めている。その為、武術やら剣術の実技の後は、汗を大量にかいてしまうんだ。
そのような理由から、講義後は、騎士科の更衣室でのタオル乾燥と着替えをする様にしている。だが、それだけでは身体に染み付いた汗臭さを拭いきれない。
だからいつも、一日の講義が終了すると、寮の自室で湯浴みを済ませてから、学生食堂にて食事をとっているのだ。
だが本日は、午前中で講義が終了する為、寮に帰って直ぐに湯浴みをせねばならないし、昼食も学生食堂で済ませなければならない。
当然の事ながら、貴族の子息令嬢達にお会いするのに、手土産一つ持たずに伺うわけにはいかないし、俺自身、貴族の息子であるわけだから、それなりに身なりを整えて行く事は必須だ。
兎に角時間が無い!
「落ち着いて下さい、ジェフェリー様。アンジェリータ様のご友人であるご令嬢達にお渡しする物等の準備は殆ど済ませております。あとは、本日の講義が終わり次第、真っ直ぐにお部屋にお戻り下されば大丈夫ですよ。」
と、朝から一人で右往左往している俺を見たラファイエットからそう叱責され、漸く俺は冷静さを取り戻した。
そうだ。確かにラファイエットの言うとおりで、準備は概ね出来ているんだ。
あとは計画どおりに事を進めれば良いだけなのだから。
「ありがとうラファイエット。お前の言葉で頭がスッキリしたよ。そうだった。殆ど準備は出来ているんだ。慌てる必要は無かったんだな。」
「左様にございます、ジェフェリー様。どうやら、いつもの冷静な貴方様にお戻りになられたようですね。安心致しました。本日は、ご存知のとおり、私の講義も午前中に終了となりますうえ、貴方様が湯浴みをなさっておられます間に、私が学生食堂よりお食事をこのお部屋までお運び致します。そうすれば、無駄な移動時間を削れましょう。限られた時間を有効的に活用致しましょう。」
「そうだな。ありがとう、ラファイエット。昼食の件は宜しく頼むよ。」
「畏まってございます。そろそろ一限目の講義が始まりますお時間にございます。ジェフェリー様は、いつものように先にお出になられて下さい。私は、少し時間を経ましたら自分の教室へと向かいます故。」
「あぁ分かった。行ってくるよ、ラファイエット。」
「行ってらっしゃいませ、ジェフェリー様。ご武運を。」
こう言ってラファイエットは一旦自身の部屋に戻って行くのを見届けた俺は、自室の扉の鍵を閉めると、一限目の座学の講義がある教室へと向かった。
ついこの前まで、俺はラファイエットと共に寮の自室から出て、それぞれの教室に入る為に別れるその場所まで一緒に行動していたのだが、リーナカレンデュナ様がおこされた手配書事件の調査に入ったあの日より、お互いの関係を隠す為、寮内の部屋以外ではこのように別行動をしている。
「平穏な日々を取り戻せるのはいつになるだろな、ラファイエット。」
と小さく呟いた俺は、一限目の座学担当教諭の講義に集中したんだ。
俺は朝から大忙しだった。
それというのも、彼女達と会う時刻は学園での勉学後だからだ。
本日は、教授達の都合で、全学年全学科の講義が午前中で終了する。
だからこそ本日を、義姉上のご学友の令嬢達にお会いする日と決めたんだ。が、騎士科に所属している俺は、一日の講義が座学より実技科目の方が大半を占めている。その為、武術やら剣術の実技の後は、汗を大量にかいてしまうんだ。
そのような理由から、講義後は、騎士科の更衣室でのタオル乾燥と着替えをする様にしている。だが、それだけでは身体に染み付いた汗臭さを拭いきれない。
だからいつも、一日の講義が終了すると、寮の自室で湯浴みを済ませてから、学生食堂にて食事をとっているのだ。
だが本日は、午前中で講義が終了する為、寮に帰って直ぐに湯浴みをせねばならないし、昼食も学生食堂で済ませなければならない。
当然の事ながら、貴族の子息令嬢達にお会いするのに、手土産一つ持たずに伺うわけにはいかないし、俺自身、貴族の息子であるわけだから、それなりに身なりを整えて行く事は必須だ。
兎に角時間が無い!
「落ち着いて下さい、ジェフェリー様。アンジェリータ様のご友人であるご令嬢達にお渡しする物等の準備は殆ど済ませております。あとは、本日の講義が終わり次第、真っ直ぐにお部屋にお戻り下されば大丈夫ですよ。」
と、朝から一人で右往左往している俺を見たラファイエットからそう叱責され、漸く俺は冷静さを取り戻した。
そうだ。確かにラファイエットの言うとおりで、準備は概ね出来ているんだ。
あとは計画どおりに事を進めれば良いだけなのだから。
「ありがとうラファイエット。お前の言葉で頭がスッキリしたよ。そうだった。殆ど準備は出来ているんだ。慌てる必要は無かったんだな。」
「左様にございます、ジェフェリー様。どうやら、いつもの冷静な貴方様にお戻りになられたようですね。安心致しました。本日は、ご存知のとおり、私の講義も午前中に終了となりますうえ、貴方様が湯浴みをなさっておられます間に、私が学生食堂よりお食事をこのお部屋までお運び致します。そうすれば、無駄な移動時間を削れましょう。限られた時間を有効的に活用致しましょう。」
「そうだな。ありがとう、ラファイエット。昼食の件は宜しく頼むよ。」
「畏まってございます。そろそろ一限目の講義が始まりますお時間にございます。ジェフェリー様は、いつものように先にお出になられて下さい。私は、少し時間を経ましたら自分の教室へと向かいます故。」
「あぁ分かった。行ってくるよ、ラファイエット。」
「行ってらっしゃいませ、ジェフェリー様。ご武運を。」
こう言ってラファイエットは一旦自身の部屋に戻って行くのを見届けた俺は、自室の扉の鍵を閉めると、一限目の座学の講義がある教室へと向かった。
ついこの前まで、俺はラファイエットと共に寮の自室から出て、それぞれの教室に入る為に別れるその場所まで一緒に行動していたのだが、リーナカレンデュナ様がおこされた手配書事件の調査に入ったあの日より、お互いの関係を隠す為、寮内の部屋以外ではこのように別行動をしている。
「平穏な日々を取り戻せるのはいつになるだろな、ラファイエット。」
と小さく呟いた俺は、一限目の座学担当教諭の講義に集中したんだ。
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