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第六章 本格的な始動
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それから一週間
私は我が家とウィンザード伯爵邸を往復するという忙しい日々だったわ。
でもまぁ、そのおかげでユーリブランドの商品も、納品に間に合いそうなので良かったんだけどね。
マーサの腰もすっかり良くなった日昼頃。
「ウィンザード伯爵閣下。今までありがとう存じました。お陰様で私の腰もすっかり良くなりました。本当に助かりました。」
と、昼餉が済まれましたウィンザード伯爵家の食堂で、私の後ろに控えていたマーサが閣下の元へと近付き、そうお礼を述べたの。
「そうかそうか。それは良かった。」
「はい。ありがとう存じます。あ!そうですわ。お世話になりましたお礼を思い此方を閣下と夫人に……。」
そう言ってマーサは、自身が刺した刺繍入りの手巾をお二人に差し出したの。
それを広げてご覧になったお二人は、
「まぁまぁ!なんて素敵なんでしょう!」
「あぁ。本当だな。これは見事な刺繍だ。これはマーサ嬢が?」
「はい。心を込めて、ひと針ひと針刺させて頂きました。お嬢様に教えて頂きながらにございますが。」
と言った為、夫人がすかさず
「そうだったのね。アンジェリータ様が貴女のお師匠様ですのね?」
と仰ったの。
「お師匠だなんてそんな大それたものではございませんわ、伯爵夫人。」
と謙遜しきりよ。
そうそう
さっき夫人が仰られた『アンジェリータ嬢』って名前なんだけどね
先日話題にした私の改名話。話し合い(?)で決定致した私の新しい名前なの。
私としては、本当は"ユーリ”にしたかったの。既に街の人達始め今ではカーターさん御一家も皆さんと同様に、私をアンジーちゃんと呼んで下さるのと、このアンジェリータだったら、ザック様も私を"ジェーン”の愛称で呼べるからと納得して下さったからアンジェリータでいいかなと思う様にしたの。
「私からも、お世話になりましたウィンザード伯爵家の皆様に此方を。」
と、閣下には鷹と剣をモチーフとした家紋入りのマントを、夫人には黄緑色の糸で編んだの総レースのストールを、ジェフェリー様には学園で着られる制服の為に、学年色で作った家紋入りのネクタイを、そしてザック様にはキルトで作りました馬布をお渡ししたの。
どれにも一様に、ユーリブランドの証である百合の刺繍を目立たない場所に施してあるんだけど何方かお気づきになられるかしら?
しばしの時間が流れ、
「あれ?これって!」
しげしげとネクタイをご覧になっていたジェフェリー様が声を出されたの。どうやら百合を見つけたご様子よね。
「アンジェリータ様。あの……これって…王都で有名な……。」
「左様ですわ。お嬢様のユーリブランドの証である百合の刺繍ですわ、ジェフェリー様。」
と首を傾げるジェフ様に向かって胸を張るマーサ。
「え?ユーリブランドですって?もしかしてわたくしのこれも?」
と、夫人も百合を探し始めたの。
「まさか私のこのマントもか?」
「この馬布も?」
と他の皆様も同様に、それはそれは必死にね。
そんなに必死にならなくたって皆さんの物それぞれにちゃんと証はあるんだってば。
安心して欲しいわよね
私は我が家とウィンザード伯爵邸を往復するという忙しい日々だったわ。
でもまぁ、そのおかげでユーリブランドの商品も、納品に間に合いそうなので良かったんだけどね。
マーサの腰もすっかり良くなった日昼頃。
「ウィンザード伯爵閣下。今までありがとう存じました。お陰様で私の腰もすっかり良くなりました。本当に助かりました。」
と、昼餉が済まれましたウィンザード伯爵家の食堂で、私の後ろに控えていたマーサが閣下の元へと近付き、そうお礼を述べたの。
「そうかそうか。それは良かった。」
「はい。ありがとう存じます。あ!そうですわ。お世話になりましたお礼を思い此方を閣下と夫人に……。」
そう言ってマーサは、自身が刺した刺繍入りの手巾をお二人に差し出したの。
それを広げてご覧になったお二人は、
「まぁまぁ!なんて素敵なんでしょう!」
「あぁ。本当だな。これは見事な刺繍だ。これはマーサ嬢が?」
「はい。心を込めて、ひと針ひと針刺させて頂きました。お嬢様に教えて頂きながらにございますが。」
と言った為、夫人がすかさず
「そうだったのね。アンジェリータ様が貴女のお師匠様ですのね?」
と仰ったの。
「お師匠だなんてそんな大それたものではございませんわ、伯爵夫人。」
と謙遜しきりよ。
そうそう
さっき夫人が仰られた『アンジェリータ嬢』って名前なんだけどね
先日話題にした私の改名話。話し合い(?)で決定致した私の新しい名前なの。
私としては、本当は"ユーリ”にしたかったの。既に街の人達始め今ではカーターさん御一家も皆さんと同様に、私をアンジーちゃんと呼んで下さるのと、このアンジェリータだったら、ザック様も私を"ジェーン”の愛称で呼べるからと納得して下さったからアンジェリータでいいかなと思う様にしたの。
「私からも、お世話になりましたウィンザード伯爵家の皆様に此方を。」
と、閣下には鷹と剣をモチーフとした家紋入りのマントを、夫人には黄緑色の糸で編んだの総レースのストールを、ジェフェリー様には学園で着られる制服の為に、学年色で作った家紋入りのネクタイを、そしてザック様にはキルトで作りました馬布をお渡ししたの。
どれにも一様に、ユーリブランドの証である百合の刺繍を目立たない場所に施してあるんだけど何方かお気づきになられるかしら?
しばしの時間が流れ、
「あれ?これって!」
しげしげとネクタイをご覧になっていたジェフェリー様が声を出されたの。どうやら百合を見つけたご様子よね。
「アンジェリータ様。あの……これって…王都で有名な……。」
「左様ですわ。お嬢様のユーリブランドの証である百合の刺繍ですわ、ジェフェリー様。」
と首を傾げるジェフ様に向かって胸を張るマーサ。
「え?ユーリブランドですって?もしかしてわたくしのこれも?」
と、夫人も百合を探し始めたの。
「まさか私のこのマントもか?」
「この馬布も?」
と他の皆様も同様に、それはそれは必死にね。
そんなに必死にならなくたって皆さんの物それぞれにちゃんと証はあるんだってば。
安心して欲しいわよね
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