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第五章 ウィンザード領での生活
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結局アイザックス様と同時に座る事を余儀なくされた私は、お客様をいつまでも立たせておくわけにはいかず、殆ど同時に椅子に腰かけたの。
マーサが入れてくれたお茶を一口飲まれたアイザックス様は、
「このお茶、とても美味しいね。これは何処産なのかな?」
と紅茶の産地を聞いてこられたので、マリヴェル公爵家の領地産であるとお答えしたわ。
何を隠そう
元実家であるマリヴェル公爵の領地の一角だった土地は、今や国内有数の紅茶の産地になってて、良質な茶葉が採れるの。そして茶葉は何気に王室御用達でもあるのよね。
あ!因みにだけど…そこの地主は私なの。
放ったらかしの所謂"休耕地”だったから、二束三文(言い方古いよね笑)でこっそり買い取って、リリアン達と土壌改良とかめちゃくちゃテコ入れして、半年前位に、殿下の(元)婚約者の特権乱用して、王室に売り込んだってわけ。
私ってば、なかなかの営業マンでしょ?
でも…、今のところ、私が地主だってことは内緒にしてるの。だっていつ元父親に見つかって、「その土地を返しなさい!」て言われるか分からないじゃない?
一応土地の権利書はあるけど、前世みたいに、土地の境界線に、しっかり杭打ちしてあるわけじゃないからね。
「そうでしたか。マリヴェル公爵領は紅茶の名産地なんですね。でも公爵家から出られたアンジェーヌ嬢は、これからお茶はもう飲めなくなるのですか?」
と残念そうに眉尻を下げられるアイザックス様に、
「いいえ、ご心配には及びませんわ。何故なら私、この茶葉の独自の販売経路を持っておりますの。ですので、このウィンザード領でも飲めますのよ。」
と言って、私はまたお茶を一口飲み込んだの。
うん、やっぱめちゃくちゃ美味しいわ。
今年の茶葉も安定した美味しさを保っているわね。
ほんと、私の土地の茶葉ってハイグレードなんだよね~。
香りも良いし、すっきりとした味わいがめちゃくちゃ良いのよ。
とはいえ、マリヴェル公爵領にいつまでもお茶の木を置いておくのも癪に障るわよね。
公爵閣下にお茶の木が見つかっちゃう前に、ウィンザード伯爵領に移植させたいわよね。
なんて事を考えていたら、
「何やらとても楽しそうな事をお考えのご様子ですね、アンジェーヌ嬢。」
とアイザックス様がニコニコされながらそう仰ったの。
え?まさかそんなに顔に出てた?
「えぇ。顔に出ていらっしゃいましたよ。」
え?今度は私の頭の中を読んだ?
「いえ、読んでいませんよ。」
と楽しそうにクスクスと笑いながら仰るアイザックス様を睨みながら、
「え?読んでらっしゃいますよね?ウィンザード伯爵令息様?」
と言ってギロリと睨むと、
「そんな事ありませんよ。」と仰いながら、またお茶を優雅な所作で飲まれるアイザックス様。
そして紅茶のカップをソーサーに置きながら、
「ただ…私の守護と、貴女の守護達は、とても仲が良くなったようですね。私に思念を使って教えてくれただけですよ。」
といきなりの爆弾発言をされたの。
「え?妖精でございますか?私……何を仰られ「ているか分からないと?本当にそうですか?」え……えぇ。全く分かりませんわ。」
苦しい誤魔化し言葉で逃げようとしたのに、まさかの被せ発言で煽ってこられるとは……。
どう返したら良いのか分からず、池で餌を強請る鯉の様に口をパクパクさせてたら、
「出ておいで。フゥ!ヴァン!」
と、どうやらアイザックス様の妖精達の名前だろう言葉を空中に向かって言うアイザックス様。
アイザックス様も妖精の加護持ちとか…
マジ!?
マーサが入れてくれたお茶を一口飲まれたアイザックス様は、
「このお茶、とても美味しいね。これは何処産なのかな?」
と紅茶の産地を聞いてこられたので、マリヴェル公爵家の領地産であるとお答えしたわ。
何を隠そう
元実家であるマリヴェル公爵の領地の一角だった土地は、今や国内有数の紅茶の産地になってて、良質な茶葉が採れるの。そして茶葉は何気に王室御用達でもあるのよね。
あ!因みにだけど…そこの地主は私なの。
放ったらかしの所謂"休耕地”だったから、二束三文(言い方古いよね笑)でこっそり買い取って、リリアン達と土壌改良とかめちゃくちゃテコ入れして、半年前位に、殿下の(元)婚約者の特権乱用して、王室に売り込んだってわけ。
私ってば、なかなかの営業マンでしょ?
でも…、今のところ、私が地主だってことは内緒にしてるの。だっていつ元父親に見つかって、「その土地を返しなさい!」て言われるか分からないじゃない?
一応土地の権利書はあるけど、前世みたいに、土地の境界線に、しっかり杭打ちしてあるわけじゃないからね。
「そうでしたか。マリヴェル公爵領は紅茶の名産地なんですね。でも公爵家から出られたアンジェーヌ嬢は、これからお茶はもう飲めなくなるのですか?」
と残念そうに眉尻を下げられるアイザックス様に、
「いいえ、ご心配には及びませんわ。何故なら私、この茶葉の独自の販売経路を持っておりますの。ですので、このウィンザード領でも飲めますのよ。」
と言って、私はまたお茶を一口飲み込んだの。
うん、やっぱめちゃくちゃ美味しいわ。
今年の茶葉も安定した美味しさを保っているわね。
ほんと、私の土地の茶葉ってハイグレードなんだよね~。
香りも良いし、すっきりとした味わいがめちゃくちゃ良いのよ。
とはいえ、マリヴェル公爵領にいつまでもお茶の木を置いておくのも癪に障るわよね。
公爵閣下にお茶の木が見つかっちゃう前に、ウィンザード伯爵領に移植させたいわよね。
なんて事を考えていたら、
「何やらとても楽しそうな事をお考えのご様子ですね、アンジェーヌ嬢。」
とアイザックス様がニコニコされながらそう仰ったの。
え?まさかそんなに顔に出てた?
「えぇ。顔に出ていらっしゃいましたよ。」
え?今度は私の頭の中を読んだ?
「いえ、読んでいませんよ。」
と楽しそうにクスクスと笑いながら仰るアイザックス様を睨みながら、
「え?読んでらっしゃいますよね?ウィンザード伯爵令息様?」
と言ってギロリと睨むと、
「そんな事ありませんよ。」と仰いながら、またお茶を優雅な所作で飲まれるアイザックス様。
そして紅茶のカップをソーサーに置きながら、
「ただ…私の守護と、貴女の守護達は、とても仲が良くなったようですね。私に思念を使って教えてくれただけですよ。」
といきなりの爆弾発言をされたの。
「え?妖精でございますか?私……何を仰られ「ているか分からないと?本当にそうですか?」え……えぇ。全く分かりませんわ。」
苦しい誤魔化し言葉で逃げようとしたのに、まさかの被せ発言で煽ってこられるとは……。
どう返したら良いのか分からず、池で餌を強請る鯉の様に口をパクパクさせてたら、
「出ておいで。フゥ!ヴァン!」
と、どうやらアイザックス様の妖精達の名前だろう言葉を空中に向かって言うアイザックス様。
アイザックス様も妖精の加護持ちとか…
マジ!?
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