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第四章 新天地
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アニーさんが不敵な笑みを浮かべたとしても、ここは元公爵令嬢として、ポーカーフェイスで対応するわ。
「それはどういう意味でございましょう?」
と、私は淑女の笑みを貼り付けて、アニーさんに問うてみたの。すると
「そんなの簡単でしょう?だってユーリちゃんがお義父様のこの家を買ったのって、随分前だったじゃない?それなのに婚約破棄されたのはつい数日前の事なんでしょ?だから、ユーリちゃんは、その男性から婚約破棄されるのが分かっててこの家を予め買っておいたとしか思えないのよね~。」
とアニーさんはニコニコしながらも鋭い洞察力と推理力を発揮したのよね。
それはまるで、前世の時によく見た『小さくなっても頭脳は~』の台詞で有名なアニメキャラばりの推理力でね。
うん……これは完敗だわ。
潔く白旗を振る事にするわね。
「素晴らしい推理ですわ、アニーさん。仰る通りですの。私は事前に婚約者から破棄をされる事が分かっていたのです。ですから、その時の為に予め此方に家を購入し、移住をしようと策を講じていたのですわ。」
「そうだったのね。で?聞かせて頂戴な。こんなに利発で可愛らしい令嬢の婚約者の心を射止めた方は?さぞかし優秀でお綺麗なご令嬢なんでしょ?ユーリちゃんはそのお相手の方を知っていて?」
勿論知ってるわよ
てか知ってるどころの騒ぎじゃないわね
めちゃくちゃ知ってるわよ
文の末尾に(笑)が付いちゃうくらいね
だってその婚約者が選んだのって、私の実妹なんだもの。
「えぇ、はい。それはもう。よく存じておりましたわ。彼女が生まれた時からずっとでしたもの。」
「え?生まれた時から?それってもしかして……。」
「はい。私の実妹ですわ。今となりましては、元妹でございますけども。」
「…………」
「私の婚約者だった方は、地味で不細工で男性受けしない私よりも、美しくて性格も私と真逆な妹を選ばれたんですの。しかも王命である婚約に背いてまでもですけども。」
「え?王命に?……もしかして、元婚約者の方って……。」
「ええ……。アニーさんのご想像のとおりの方かと存じますわ。私の元婚約者は、この国の第二王子 ハワード殿下にあらせられますの。」
「第二王子って……。まさかそんなに高貴なお方だなんて……。」
あらあら
アニーさんってば絶句しちゃったわね。
「アニーさんが驚かれるのも無理はございませんわ。その元婚約者でございますが、どうやら公爵家で行われた元妹のデビュタントの日に彼女を見初められたんですのよ。隣りに私がおるにも関わらず、彼女を褒めちぎっておられましたから。そして殿下は、本来は婿養子として私と婚姻する予定でしたので、領地経営や次期領主としての勉強をして頂かなくてはならなかったのです。が、彼は勉強と称しては元実家に度々来られると、元妹と楽しく有意義な時間をお過ごしでしたわね。」
「婚約者の妹君に会うために、勉強にかこつけて、って事だったのね?」
「はい。領地経営の仕事を全部私に押し付け、元妹と優雅なお茶会をなさっていらしたようでしたの。元両親も妹の方が可愛らしいからという理由で何も仰らず、また、私が殿下より蔑ろにされておりましても、相手が高貴過ぎでしたので、文句も言えずでしたわね。あろう事か、私に「貴女がしっかりしないからよ。」と公爵夫人からご指摘を受ける事もございましたわね。ですので私、元妹に婚約者も公爵家の嫡子も譲ろうと思いましたの。その方が万事丸く収まりますでしょう?」
とアニーさんに説明していたら、
「え?アンジェーヌお嬢様が移住をお決めになっていらしたのは、そんなに前からだったのですか?」
と、マーサが吃驚した様子で口を挟んできたの。
しかも"アンジェーヌお嬢様”呼びでね
「え?なんですって?アンジェーヌお嬢様?」
それにはアニーさんがすかさず突っ込んで来たわね。
「ユーリちゃん?貴女、"ユーリ”というお名前では無かったの?」
はぁ……
これは"万事休す”だよね?
きっとマーサは、カーター家の皆さんから"ユーリ”と呼ばれている事について、その理由をずっと聞きたかったに違いないわね。
さっき家に入った途端、私に詰め寄って来たのは、それが理由だったんだわ。
これは正直に話をしないとよね。
きっと今後、それが有利に働く事になるかもしれないし?
うん!ここはぶっちゃけるのが一番だわ。
そう考えた私は、徐に口を開いたの。
「何からお話致しましょうか…。」
と
「それはどういう意味でございましょう?」
と、私は淑女の笑みを貼り付けて、アニーさんに問うてみたの。すると
「そんなの簡単でしょう?だってユーリちゃんがお義父様のこの家を買ったのって、随分前だったじゃない?それなのに婚約破棄されたのはつい数日前の事なんでしょ?だから、ユーリちゃんは、その男性から婚約破棄されるのが分かっててこの家を予め買っておいたとしか思えないのよね~。」
とアニーさんはニコニコしながらも鋭い洞察力と推理力を発揮したのよね。
それはまるで、前世の時によく見た『小さくなっても頭脳は~』の台詞で有名なアニメキャラばりの推理力でね。
うん……これは完敗だわ。
潔く白旗を振る事にするわね。
「素晴らしい推理ですわ、アニーさん。仰る通りですの。私は事前に婚約者から破棄をされる事が分かっていたのです。ですから、その時の為に予め此方に家を購入し、移住をしようと策を講じていたのですわ。」
「そうだったのね。で?聞かせて頂戴な。こんなに利発で可愛らしい令嬢の婚約者の心を射止めた方は?さぞかし優秀でお綺麗なご令嬢なんでしょ?ユーリちゃんはそのお相手の方を知っていて?」
勿論知ってるわよ
てか知ってるどころの騒ぎじゃないわね
めちゃくちゃ知ってるわよ
文の末尾に(笑)が付いちゃうくらいね
だってその婚約者が選んだのって、私の実妹なんだもの。
「えぇ、はい。それはもう。よく存じておりましたわ。彼女が生まれた時からずっとでしたもの。」
「え?生まれた時から?それってもしかして……。」
「はい。私の実妹ですわ。今となりましては、元妹でございますけども。」
「…………」
「私の婚約者だった方は、地味で不細工で男性受けしない私よりも、美しくて性格も私と真逆な妹を選ばれたんですの。しかも王命である婚約に背いてまでもですけども。」
「え?王命に?……もしかして、元婚約者の方って……。」
「ええ……。アニーさんのご想像のとおりの方かと存じますわ。私の元婚約者は、この国の第二王子 ハワード殿下にあらせられますの。」
「第二王子って……。まさかそんなに高貴なお方だなんて……。」
あらあら
アニーさんってば絶句しちゃったわね。
「アニーさんが驚かれるのも無理はございませんわ。その元婚約者でございますが、どうやら公爵家で行われた元妹のデビュタントの日に彼女を見初められたんですのよ。隣りに私がおるにも関わらず、彼女を褒めちぎっておられましたから。そして殿下は、本来は婿養子として私と婚姻する予定でしたので、領地経営や次期領主としての勉強をして頂かなくてはならなかったのです。が、彼は勉強と称しては元実家に度々来られると、元妹と楽しく有意義な時間をお過ごしでしたわね。」
「婚約者の妹君に会うために、勉強にかこつけて、って事だったのね?」
「はい。領地経営の仕事を全部私に押し付け、元妹と優雅なお茶会をなさっていらしたようでしたの。元両親も妹の方が可愛らしいからという理由で何も仰らず、また、私が殿下より蔑ろにされておりましても、相手が高貴過ぎでしたので、文句も言えずでしたわね。あろう事か、私に「貴女がしっかりしないからよ。」と公爵夫人からご指摘を受ける事もございましたわね。ですので私、元妹に婚約者も公爵家の嫡子も譲ろうと思いましたの。その方が万事丸く収まりますでしょう?」
とアニーさんに説明していたら、
「え?アンジェーヌお嬢様が移住をお決めになっていらしたのは、そんなに前からだったのですか?」
と、マーサが吃驚した様子で口を挟んできたの。
しかも"アンジェーヌお嬢様”呼びでね
「え?なんですって?アンジェーヌお嬢様?」
それにはアニーさんがすかさず突っ込んで来たわね。
「ユーリちゃん?貴女、"ユーリ”というお名前では無かったの?」
はぁ……
これは"万事休す”だよね?
きっとマーサは、カーター家の皆さんから"ユーリ”と呼ばれている事について、その理由をずっと聞きたかったに違いないわね。
さっき家に入った途端、私に詰め寄って来たのは、それが理由だったんだわ。
これは正直に話をしないとよね。
きっと今後、それが有利に働く事になるかもしれないし?
うん!ここはぶっちゃけるのが一番だわ。
そう考えた私は、徐に口を開いたの。
「何からお話致しましょうか…。」
と
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