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第三章 旅立ち
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公爵家へと戻る馬車の中で、私は入学式での殿下とリーナの事を思い出してみましたわ。
きっと殿下は、ご自身の仕事を放り出してでも、リーナと話をなさりたかったのでしょう。
であるならば、もう今からリーナと婚約し直されたら良いと思いませんこと?
リーナも満更でもない様子でしたし。
あぁそうですわ
満更でもないといえば、ウインザード伯爵令息であらせられるジェフェリー様に対しても、リーナは媚びを売っておりましたわよね。
ったくさ~
イケメンなら誰でもいいのか?アンタはさ
ホント、年がら年中脳内お花畑人間よね。
って思ってしまいましたわよね。
まぁジェフェリー様ご本人は、満更どころかリーナに全くの無関心で笑えましたけれども。
そう言えば"無関心”についてございますが……
殿下はよく我が公爵家に来られますわね。
そもそも殿下の王宮でのお仕事はないのでしょうか?
逆に心配になってしまいますわよね。
既に立太子なさっておられる第一王子のカーティス殿下が次期陛下としての公務全般をなさっているとはいえ、我が公爵家に降家される事が決まっておられるハワード殿下が、現時点で何もしなくていいとは言えませんわよね?。
しかも殿下は、毎回先触れも無く公爵家に現れるばかりではなく、婚約者である私が邸に不在であろうとなかろうと、我が家のサロンでリーナと楽しげに話をなさっているとの事です。
そう
殿下は私に対して、無関心 なんですの。
それに…
両親は我が家に頻繁に来られる殿下の事をおかしいとは思わないのでしょうか?
また、月に1度の私とのお茶会の時でさえ、殿下は堂々と
「お前からリーナに婚約者を替えられたらどんなに良いか。」
「お前は公爵家の仕事をしていればいい。あぁそうだ。そんな事より、早くリーナを呼んでこい。」
等と仰る始末ですのよ。
これには流石に私のお母様も眉を顰めておられますが、殿下の手前何も言えないのでございましょう。
私が素直に
「承知致しました。では、御前を失礼致しますわ。」
とサロンから退室致しますと、お母様は直ぐに私を追い掛けて来られ、
「殿下の婚約者は貴女でしょう。何故もっと殿下とお話をしないのです!」
と叱ってこられます。
は?何で私が怒られるわけ?
てか、私のせいじゃないし。
あら!また口調が悪くなってしまいましたわね。ごめんあそばせ。
ですので私、そんなお母様に向かい、にっこりと微笑んでから、
「不要だと言われたのですし、私は殿下から嫌われております。どうやら私の顔が好みではないそうですわ。ですからどうぞこの事をお父様と陛下にお話しなさって、婚約者の挿げ替えをなさって下さいな。では、不要な私は自室にて仕事でもしておりますわ。」
と申し上げ、ドレスの裾を翻すと自室に戻ったんですの。
まぁ、仕事と申しましても、刺繍とレース編みなのですけれどもね。
あぁそうですわ
ご報告が遅くなりましたわね。
私、このお仕事始めたおかげで、ウィンザード領内に、購入予定をしておりましたあの家を無事に購入できましたのよ。
喜んで下さいまし
褒めて下さいましな
そして、家の購入以外にも、この約半年の間に、1人暮らし…おっと違いましたわね。人間1人と妖精6体の7人(?)暮らしの為に、お料理の練習は元より、畑仕事やガーデニング、それからDIYも覚えましたの。
おかげで私の手は、令嬢の手とは言えなくなりましたが、そんなの関係ねぇ!でございますわよね。
どうせ、殿下が私の手に触れるなんて事は絶対にございませんし、大体私が何を考えどんな事をしているのか?なんて、殿下は少しも興味をお持ちではない、無関心なご様子ですの。
ですので、丁度よいと思いませんこと?
公務はしない。かと言って婿入りする予定の領地経営の勉強もしない。
ただ、婚約者の妹と婚約者の家で、自身の婚約者の前で仲良く過ごす日々を送られる殿下。
私が貴方様から婚約破棄をされた(若しくは私から破棄をさせて頂いた)あかつきには、公爵の身分さえ捨てて家を飛び立ちますの。
後はリーナとどうぞ
勝手にしやがれ!ですわ。
きっと殿下は、ご自身の仕事を放り出してでも、リーナと話をなさりたかったのでしょう。
であるならば、もう今からリーナと婚約し直されたら良いと思いませんこと?
リーナも満更でもない様子でしたし。
あぁそうですわ
満更でもないといえば、ウインザード伯爵令息であらせられるジェフェリー様に対しても、リーナは媚びを売っておりましたわよね。
ったくさ~
イケメンなら誰でもいいのか?アンタはさ
ホント、年がら年中脳内お花畑人間よね。
って思ってしまいましたわよね。
まぁジェフェリー様ご本人は、満更どころかリーナに全くの無関心で笑えましたけれども。
そう言えば"無関心”についてございますが……
殿下はよく我が公爵家に来られますわね。
そもそも殿下の王宮でのお仕事はないのでしょうか?
逆に心配になってしまいますわよね。
既に立太子なさっておられる第一王子のカーティス殿下が次期陛下としての公務全般をなさっているとはいえ、我が公爵家に降家される事が決まっておられるハワード殿下が、現時点で何もしなくていいとは言えませんわよね?。
しかも殿下は、毎回先触れも無く公爵家に現れるばかりではなく、婚約者である私が邸に不在であろうとなかろうと、我が家のサロンでリーナと楽しげに話をなさっているとの事です。
そう
殿下は私に対して、無関心 なんですの。
それに…
両親は我が家に頻繁に来られる殿下の事をおかしいとは思わないのでしょうか?
また、月に1度の私とのお茶会の時でさえ、殿下は堂々と
「お前からリーナに婚約者を替えられたらどんなに良いか。」
「お前は公爵家の仕事をしていればいい。あぁそうだ。そんな事より、早くリーナを呼んでこい。」
等と仰る始末ですのよ。
これには流石に私のお母様も眉を顰めておられますが、殿下の手前何も言えないのでございましょう。
私が素直に
「承知致しました。では、御前を失礼致しますわ。」
とサロンから退室致しますと、お母様は直ぐに私を追い掛けて来られ、
「殿下の婚約者は貴女でしょう。何故もっと殿下とお話をしないのです!」
と叱ってこられます。
は?何で私が怒られるわけ?
てか、私のせいじゃないし。
あら!また口調が悪くなってしまいましたわね。ごめんあそばせ。
ですので私、そんなお母様に向かい、にっこりと微笑んでから、
「不要だと言われたのですし、私は殿下から嫌われております。どうやら私の顔が好みではないそうですわ。ですからどうぞこの事をお父様と陛下にお話しなさって、婚約者の挿げ替えをなさって下さいな。では、不要な私は自室にて仕事でもしておりますわ。」
と申し上げ、ドレスの裾を翻すと自室に戻ったんですの。
まぁ、仕事と申しましても、刺繍とレース編みなのですけれどもね。
あぁそうですわ
ご報告が遅くなりましたわね。
私、このお仕事始めたおかげで、ウィンザード領内に、購入予定をしておりましたあの家を無事に購入できましたのよ。
喜んで下さいまし
褒めて下さいましな
そして、家の購入以外にも、この約半年の間に、1人暮らし…おっと違いましたわね。人間1人と妖精6体の7人(?)暮らしの為に、お料理の練習は元より、畑仕事やガーデニング、それからDIYも覚えましたの。
おかげで私の手は、令嬢の手とは言えなくなりましたが、そんなの関係ねぇ!でございますわよね。
どうせ、殿下が私の手に触れるなんて事は絶対にございませんし、大体私が何を考えどんな事をしているのか?なんて、殿下は少しも興味をお持ちではない、無関心なご様子ですの。
ですので、丁度よいと思いませんこと?
公務はしない。かと言って婿入りする予定の領地経営の勉強もしない。
ただ、婚約者の妹と婚約者の家で、自身の婚約者の前で仲良く過ごす日々を送られる殿下。
私が貴方様から婚約破棄をされた(若しくは私から破棄をさせて頂いた)あかつきには、公爵の身分さえ捨てて家を飛び立ちますの。
後はリーナとどうぞ
勝手にしやがれ!ですわ。
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