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「好きに……なったんだ」
鍛えられた体を俺の体に吸い付くように寄せて。
土居が顔を俺の首筋に埋めて言った。
……分かっては、いた。
AIアシスタントのアイが言った、今日の俺の一日を締めくくる予言。
アイが言ったとおりに。
俺は土居から、告白をうけた。
……俺は、どうするんだ?
アイの言うとおり、俺は土居の告白を受け入れるのか?
それとも……。
予言を否定するように、俺は土居の体を突っぱねるのか?
突っぱねたら……どうなるんだ?
土居のガチガチになったモノが、俺の腹に当たって。
俺が返事をしないうちから、その先端がゆっくりと後ろの孔に押し当てられる。
「や……い、やだ」
身を捩って土居から逃れようとすると。
土居はその筋肉質な体をギュッと俺に寄せて、動かないように俺を拘束する。
「いや? オレのこと、嫌なの?」
「……」
「あのオッサンより……いや。もっと大事にするから……。自分のモノになってよ、岡本さん」
その土居の言葉に、俺はカチンときたんだ。
何を……ひとりよがりな!?
これじゃ、原田と変わんない!!
アイは俺が「土居の告白を受け入れる」と言っていたけど、この土居の言葉でそれが100%無いに等しいと直感した。
俺は顔を背けて、土居から距離を置いた。
「……知らない、くせに」
「え?」
「俺の何が好きなんだ……? 言うことを聞きそうな顔か? 男慣れしてるケッタイな体か?」
「岡本さ……」
「俺の何が好きで、軽々しく好きとか言うんだ! 俺がおまえに対してどう思っているとかは関係ないのか!」
土居に感情をぶつけていると、原田に対して押し込んでいた感情までもが呼び起こされて。
心の中に縛り付けてひた隠しにしていた、俺の〝本当の思い〟が。
古い水道管が破裂したみたいに、一気に吹き出した。
身も心も、ガタガタに……〝俺〟が壊れた、と思った。
「大事にする? 人をレイプしといて、どの口が言ってんだ!! おまえだって、原田だって、何にもかわんねぇ!! 一緒……一緒なんだよ!!」
バキッーーー!
俺が叫んだ瞬間、骨肉がぶつかる鈍いがして。
直後に、左頬が熱湯をかけられたように熱くなった。
口の中に血の味がじんわり広がって、寝ているのに貧血を起こしたみたいに頭がグラグラ揺れる。
抵抗することとか、土居をなじることとか。
一瞬で、俺の頭から消え失せた。
かわりに、土居の熱っぽい視線から目が逸らせなくなった。
……原田とは、違うのかも。
どこか本気じゃなかったんだ、原田は。
〝遊びだから〟って〝体のいいオモチャだ〟って。
こんな目……。
原田は、こんな真っ直ぐで熱い目を俺に向けたことなんて……全くなかった。
間違って、いたのか? 俺は。
俺は、こいつを……傷つけたのか?
「……っせぇな、岡本さんは」
「!?」
「うっせぇよ、マジで」
「……」
「好きって、本気なんだ。だから……自分の気持ち、受け取ってくれよ、岡本さん。……眞一!」
そう言った土居は、俺の体をギュッと抱きしめ、深いキスをした。
重なる唇も、行き交う吐息も、絡まる舌も。
全てが、俺の脳の中の思考を溶かしていくように。
今までに感じたことがないくらいの、気持ちよさと安心がダイレクトに体に伝わる。
……だから、俺のが反応して。
熱く痛く、土居の反応したそれと擦れて先走りが互いの肌を濡らしていく。
好き……なのか?
わからない……でも。
土居の肌を、体温を、俺は手放したくなかったんだ。
アイの、思う壺。
……変えようとした未来を、予言を。
俺はかえることすら、できない……抗えない、んだ。
「……んっ、んんっ」
「眞一……好きだ」
「……ん、あ……。俺も……好き」
「眞一……」
「好き……もっと、繋がりたい……。俺を塗り替えて」
「眞一!」
まだ柔らかな後ろの孔が、土居の熱くて硬いソレをすんなりと受け入れて。
俺の体の深いところまで突き上げる土居は、敏感になった俺の中をこすりながら、互いのボルテージを上げていく。
「あぁっ……あっ……出して……」
「……出し……てぇ」
「土居を……俺の体に覚えさせて」
「……っ! 煽んな、眞一!」
「お願い……お願い……」
何かにすがりつきたかったのかもしれない、今思えば。
土居の肌に、体に、無理矢理安心を求めて。
アイのこととか、原田のこととか、全て……。
安心して、全て忘れたかったんだ、俺は……。
俺は、新しい自分の……。
怖いくらい幸せな日を、体に覚えさせたかったんだ。
鍛えられた体を俺の体に吸い付くように寄せて。
土居が顔を俺の首筋に埋めて言った。
……分かっては、いた。
AIアシスタントのアイが言った、今日の俺の一日を締めくくる予言。
アイが言ったとおりに。
俺は土居から、告白をうけた。
……俺は、どうするんだ?
アイの言うとおり、俺は土居の告白を受け入れるのか?
それとも……。
予言を否定するように、俺は土居の体を突っぱねるのか?
突っぱねたら……どうなるんだ?
土居のガチガチになったモノが、俺の腹に当たって。
俺が返事をしないうちから、その先端がゆっくりと後ろの孔に押し当てられる。
「や……い、やだ」
身を捩って土居から逃れようとすると。
土居はその筋肉質な体をギュッと俺に寄せて、動かないように俺を拘束する。
「いや? オレのこと、嫌なの?」
「……」
「あのオッサンより……いや。もっと大事にするから……。自分のモノになってよ、岡本さん」
その土居の言葉に、俺はカチンときたんだ。
何を……ひとりよがりな!?
これじゃ、原田と変わんない!!
アイは俺が「土居の告白を受け入れる」と言っていたけど、この土居の言葉でそれが100%無いに等しいと直感した。
俺は顔を背けて、土居から距離を置いた。
「……知らない、くせに」
「え?」
「俺の何が好きなんだ……? 言うことを聞きそうな顔か? 男慣れしてるケッタイな体か?」
「岡本さ……」
「俺の何が好きで、軽々しく好きとか言うんだ! 俺がおまえに対してどう思っているとかは関係ないのか!」
土居に感情をぶつけていると、原田に対して押し込んでいた感情までもが呼び起こされて。
心の中に縛り付けてひた隠しにしていた、俺の〝本当の思い〟が。
古い水道管が破裂したみたいに、一気に吹き出した。
身も心も、ガタガタに……〝俺〟が壊れた、と思った。
「大事にする? 人をレイプしといて、どの口が言ってんだ!! おまえだって、原田だって、何にもかわんねぇ!! 一緒……一緒なんだよ!!」
バキッーーー!
俺が叫んだ瞬間、骨肉がぶつかる鈍いがして。
直後に、左頬が熱湯をかけられたように熱くなった。
口の中に血の味がじんわり広がって、寝ているのに貧血を起こしたみたいに頭がグラグラ揺れる。
抵抗することとか、土居をなじることとか。
一瞬で、俺の頭から消え失せた。
かわりに、土居の熱っぽい視線から目が逸らせなくなった。
……原田とは、違うのかも。
どこか本気じゃなかったんだ、原田は。
〝遊びだから〟って〝体のいいオモチャだ〟って。
こんな目……。
原田は、こんな真っ直ぐで熱い目を俺に向けたことなんて……全くなかった。
間違って、いたのか? 俺は。
俺は、こいつを……傷つけたのか?
「……っせぇな、岡本さんは」
「!?」
「うっせぇよ、マジで」
「……」
「好きって、本気なんだ。だから……自分の気持ち、受け取ってくれよ、岡本さん。……眞一!」
そう言った土居は、俺の体をギュッと抱きしめ、深いキスをした。
重なる唇も、行き交う吐息も、絡まる舌も。
全てが、俺の脳の中の思考を溶かしていくように。
今までに感じたことがないくらいの、気持ちよさと安心がダイレクトに体に伝わる。
……だから、俺のが反応して。
熱く痛く、土居の反応したそれと擦れて先走りが互いの肌を濡らしていく。
好き……なのか?
わからない……でも。
土居の肌を、体温を、俺は手放したくなかったんだ。
アイの、思う壺。
……変えようとした未来を、予言を。
俺はかえることすら、できない……抗えない、んだ。
「……んっ、んんっ」
「眞一……好きだ」
「……ん、あ……。俺も……好き」
「眞一……」
「好き……もっと、繋がりたい……。俺を塗り替えて」
「眞一!」
まだ柔らかな後ろの孔が、土居の熱くて硬いソレをすんなりと受け入れて。
俺の体の深いところまで突き上げる土居は、敏感になった俺の中をこすりながら、互いのボルテージを上げていく。
「あぁっ……あっ……出して……」
「……出し……てぇ」
「土居を……俺の体に覚えさせて」
「……っ! 煽んな、眞一!」
「お願い……お願い……」
何かにすがりつきたかったのかもしれない、今思えば。
土居の肌に、体に、無理矢理安心を求めて。
アイのこととか、原田のこととか、全て……。
安心して、全て忘れたかったんだ、俺は……。
俺は、新しい自分の……。
怖いくらい幸せな日を、体に覚えさせたかったんだ。
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