6 / 19
結婚の危機
しおりを挟む
魔術師ノアから中々良い報告が聞けない状況に焦れながらも、ルイーザはそこそこ番犬生活を満喫していた。生肉への抵抗もなくなってしまったし、時折飼育員や使用人に頭を撫でられるのも受け入れてしまった。
「ルイは番犬としては半人前だけど犬らしい愛嬌があって可愛いな~」と飼育員に言われたときは少々イラっときたけれど。犬よりも犬らしいとはどういうことだろうか。
たしかに統率の取れた番犬たちに比べたら、集中力はないし玩具に夢中になるけれど、そうなる呪いのようなものなのだから仕方がない。多分。
この城で、犬の食事は仕事前と仕事後の1日2食なのだけれど、ルイーザはなんとなくいつも昼頃に長めの自主休憩を取る。元々、怪しまれない程度に番犬の振りをすれば良いだけなので飼育員にバレなければ好きなだけ休憩してもよいのだけれど、生来の性格からか規則正しい番犬生活になっている。
今日も、ルイーザは午前中の見回りを終えて休憩スペースに戻る。
休憩スペースには犬たちが直射日光に当たらず休めるように、椅子がなく屋根だけのガゼボが設置されている。ガゼボの中で休んでいる犬がいるのはいつもの光景なのだけれど、今日はその中に人間が一人いた。
2匹の犬が伏せながら休んでいる間に、胡坐を組んでいるのは、この国の王太子ヴィクトールだ。間違っても、ガゼボとはいえ屋外の床板に座って良い人物ではない。
ヴィクトールは、2~3日に一度くらいのペースで、犬たちを構いに休憩スペースへやってくるらしい。暫くすると側近や騎士たちがやってきて執務室へと連れ戻されるまでがいつもの流れなのだけれど、今日は既に側近が近くで待機しているようだ。床に座り込んでいる王子に注意もせずに、側近は柱に寄り掛かるように立っている。
ルイーザは歩きを止めて、踵を返そうかと思うがそれよりも早くこちらに気付いたヴィクトールが手を振って名前を呼んだ。
「ショコラー! おいでー!」
ショコラという名前ではないのだけれど、呼ばれると向かってしまうのは多分犬の性である。決して、いつも玩具や犬用おやつをくれることを体が覚えてしまったわけではない。
まあ、くれるのであれば貰うけれど。
「ショコラはやっぱり可愛いね。
リリーとレオも撫でさせてはくれるけれど、尻尾を振ってくれるのはショコラだけだよ」
笑顔でルイーザの頬をわしゃわしゃと掻くヴィクトールの言葉を聞きながら、先ほどまで撫でまわされていたらしい2匹の犬を交互に見る。グレーの瞳の雌犬がリリーで、金色の毛を持つ雄犬がレオなのだろう。当然、2匹とも違う名前が付けられている。
ルイーザ的にはショコラも恥ずかしいのだけれど、犬に獅子と名付けるのはどうなのだろうか。呆れながら傍らに立つ側近にを見ると、茶髪の男と目が合った。
この男は、夜会などでも見かけるから知っている。確かこの男──ファルク・ランソムはヴィクトールよりも少し年上の、ランソム伯爵家の人間だ。
「その犬が、レーヴェが言っていた番犬にしてはちょっとアレな犬ですか?」
(アレってどういうことよ!)
「まだ新入りらしい。可愛いだろう。
つれない犬たちも可愛いけど、ショコラにはこのままでいてほしい……」
ぎゅうとヴィクトールが抱き付いた。もし令嬢のルイーザであれば、父以外の男性に抱き付かれたら恥じらうか鳥肌が立つかのどちらかだろうけれど、不思議と犬になった今は抱き付かれるくらいではなんとも思わない。
「懐く犬がいいならご自身で飼えばよいのでは?」
(懐いてない!!)
「妃が決まらぬうちはな……。迎える女性が犬好きとは限らないし」
妃、の言葉に思わず反応してしまう。自分が欲しくても座れなかった王太子妃、次期王妃の椅子。まだ、誰がその椅子に据わるのかは決まっていないらしい。
「さっさと一番犬が好きそうな人を選べばよいでしょう」
「私が犬が好きかと聞いて、嫌いと答える候補者がいるわけないだろう」
それもそうだ、とルイーザは納得する。ルイーザだって、王太子妃を目指していたころに犬が好きかと聞かれたら非常に好きだと答えただろう。多分、どの候補者も同じだ。よほど生理的に受け付けない物でもない限り、好きだと答える筈だ。
「ああショコラ、慰めておくれ。
いつも両親から早く決めろと急かされているのに、この頃は側近まで急かしてくる」
「ヴィクトール殿下が中々決めないから、この頃は諦めて辞退するご令嬢も出てきましたからね。
ルイーザ・ローリング嬢とかは両陛下の一押しだったのに」
思わぬところで自分の名前を聞いたルイーザは固まるが、その次に続くヴィクトールの言葉はそれ以上の衝撃だった。
「ルイーザ嬢は……悪くはないのだろうけれど、少々怖くてな。
あれは完全に捕食者の目だ」
「ワウワウ! ガウ!」
(なんですって!?)
確かに、ルイーザは少々釣り目である。更に言えば、王太子妃の座を求める野心は特に隠していなかった。しかし、令嬢に向かって捕食者とはどういうことだろうか。
「そうか、ショコラもそう思うか」
「ガウガウ!」
(思わないわよ!)
「僕的には、シャーロット嬢とかいいと思いますよ。
実家は政治的に弱いので、脅威になりえませんし」
シャーロット嬢、と聞いてルイーザは一人の令嬢を思い浮かべる。かつて候補者だった公爵令嬢の取り巻きをしていた伯爵令嬢だ。件の公爵令嬢が辞退したことで、彼女が台頭したのだろう。ルイーザの取り巻きだった令嬢も、ルイーザが社交界から姿を消してから候補者に繰り上がったと聞いたので、そういう事は珍しくないのだ。
「何よりも、胸が大きい」
「ガウ!」
(最低!)
「ファルク、ショコラが怒っているぞ。
ショコラも雌だから、女性を変な所で判断するのは許せないらしい」
「犬にそんなことはわかりませんよ」
はははと側近ファルクが笑うのを、ルイーザは半眼で睨む。犬にはわからないけれどルイーザにはわかるのだ。
「私としては、優しい人であればいい。
まだ決めかねているが有力なのはメリナ嬢だろうか」
「わう!」
(趣味が悪い!)
「そうか、ショコラもそう思うか」
「わうわう!」
(思わない! あの女とんだ女狐なんだから!)
メリナ・ノイマンを思い浮かべてショコ……ルイーザは憤る。可愛い振りをして、あの女はかなり狡猾だ。自分の手を一切汚さずにフルフルと震えて周りを味方につけて相手を蹴落とすのだ。
ルイーザだって、犬になった晩の舞踏会で「突き飛ばされた振り」をされて痛い目を見た。……そういえば、あの日この王太子は見事に騙されていたではないか。男というのはどうしてこう……と、ルイーザは思わず遠い目になる。
「父上も祖父上も、気の強い女性を選んだからな。
私は優しい女性と穏やかな家庭を築きたいんだ。
早く決めるべきとはわかっているが、まだ見極められない」
ルイーザは王妃陛下と王太后陛下を思い浮かべる。たしかに二人ともぴしりとした女性ではあるが、情に厚く貴族のご婦人方からは慕われ嫁姑関係は良好、更には2人共伴侶に愛されている筈だ。……確かに少々夫を尻に敷きそうな雰囲気はするけれど。
「わふ、わふん。わうわう」
(殿下みたいなボンクラは立派な女性を選んだほうがいいわ。
クラーラ侯爵令嬢とか、フィオナ公爵令嬢……は辞退したんだっけ)
ルイーザは、頭の中で社交界の優れた令嬢たちを並べた。通じないのをいいことに、不敬待ったなしの罵倒もついでにしておく。
「……凄いですね、まるで本当に会話しているみたいだ」
「ショコラは頭がいいんだ」
「わふん」
(一切通じてないけどね)
「いや、真似しているだけでしょう。犬は飼い主の仕草を真似ると聞いたことがありますし」
ファルクの言葉を耳にしたヴィクトールが、キラキラとした目でこちらを見た。言葉を発しなくてもルイーザにはわかる。「飼い主と思ってくれているのかい?」と顔に書いてあった。ルイーザは思っていることを口に出しただけで、別にヴィクトールを飼い主とは認識していないのだけれど。
呆れを視線に乗せてヴィクトールを見つめ返すと、彼は顔を輝かせてとんでもないことを言い出した。
「決めた。成婚して犬を飼うときはショコラの子にしよう。
ショコラと同じチョコレート色の可愛い子犬が生まれるといいな」
(!!??)
「小型犬か、せめて中型犬にしたほうがよいのでは?」
「利口な犬種だし大丈夫だ。ファルク、犬舎の者に打診しておいてくれ」
「アオーン!」
(絶対だめーーー!)
「ルイは番犬としては半人前だけど犬らしい愛嬌があって可愛いな~」と飼育員に言われたときは少々イラっときたけれど。犬よりも犬らしいとはどういうことだろうか。
たしかに統率の取れた番犬たちに比べたら、集中力はないし玩具に夢中になるけれど、そうなる呪いのようなものなのだから仕方がない。多分。
この城で、犬の食事は仕事前と仕事後の1日2食なのだけれど、ルイーザはなんとなくいつも昼頃に長めの自主休憩を取る。元々、怪しまれない程度に番犬の振りをすれば良いだけなので飼育員にバレなければ好きなだけ休憩してもよいのだけれど、生来の性格からか規則正しい番犬生活になっている。
今日も、ルイーザは午前中の見回りを終えて休憩スペースに戻る。
休憩スペースには犬たちが直射日光に当たらず休めるように、椅子がなく屋根だけのガゼボが設置されている。ガゼボの中で休んでいる犬がいるのはいつもの光景なのだけれど、今日はその中に人間が一人いた。
2匹の犬が伏せながら休んでいる間に、胡坐を組んでいるのは、この国の王太子ヴィクトールだ。間違っても、ガゼボとはいえ屋外の床板に座って良い人物ではない。
ヴィクトールは、2~3日に一度くらいのペースで、犬たちを構いに休憩スペースへやってくるらしい。暫くすると側近や騎士たちがやってきて執務室へと連れ戻されるまでがいつもの流れなのだけれど、今日は既に側近が近くで待機しているようだ。床に座り込んでいる王子に注意もせずに、側近は柱に寄り掛かるように立っている。
ルイーザは歩きを止めて、踵を返そうかと思うがそれよりも早くこちらに気付いたヴィクトールが手を振って名前を呼んだ。
「ショコラー! おいでー!」
ショコラという名前ではないのだけれど、呼ばれると向かってしまうのは多分犬の性である。決して、いつも玩具や犬用おやつをくれることを体が覚えてしまったわけではない。
まあ、くれるのであれば貰うけれど。
「ショコラはやっぱり可愛いね。
リリーとレオも撫でさせてはくれるけれど、尻尾を振ってくれるのはショコラだけだよ」
笑顔でルイーザの頬をわしゃわしゃと掻くヴィクトールの言葉を聞きながら、先ほどまで撫でまわされていたらしい2匹の犬を交互に見る。グレーの瞳の雌犬がリリーで、金色の毛を持つ雄犬がレオなのだろう。当然、2匹とも違う名前が付けられている。
ルイーザ的にはショコラも恥ずかしいのだけれど、犬に獅子と名付けるのはどうなのだろうか。呆れながら傍らに立つ側近にを見ると、茶髪の男と目が合った。
この男は、夜会などでも見かけるから知っている。確かこの男──ファルク・ランソムはヴィクトールよりも少し年上の、ランソム伯爵家の人間だ。
「その犬が、レーヴェが言っていた番犬にしてはちょっとアレな犬ですか?」
(アレってどういうことよ!)
「まだ新入りらしい。可愛いだろう。
つれない犬たちも可愛いけど、ショコラにはこのままでいてほしい……」
ぎゅうとヴィクトールが抱き付いた。もし令嬢のルイーザであれば、父以外の男性に抱き付かれたら恥じらうか鳥肌が立つかのどちらかだろうけれど、不思議と犬になった今は抱き付かれるくらいではなんとも思わない。
「懐く犬がいいならご自身で飼えばよいのでは?」
(懐いてない!!)
「妃が決まらぬうちはな……。迎える女性が犬好きとは限らないし」
妃、の言葉に思わず反応してしまう。自分が欲しくても座れなかった王太子妃、次期王妃の椅子。まだ、誰がその椅子に据わるのかは決まっていないらしい。
「さっさと一番犬が好きそうな人を選べばよいでしょう」
「私が犬が好きかと聞いて、嫌いと答える候補者がいるわけないだろう」
それもそうだ、とルイーザは納得する。ルイーザだって、王太子妃を目指していたころに犬が好きかと聞かれたら非常に好きだと答えただろう。多分、どの候補者も同じだ。よほど生理的に受け付けない物でもない限り、好きだと答える筈だ。
「ああショコラ、慰めておくれ。
いつも両親から早く決めろと急かされているのに、この頃は側近まで急かしてくる」
「ヴィクトール殿下が中々決めないから、この頃は諦めて辞退するご令嬢も出てきましたからね。
ルイーザ・ローリング嬢とかは両陛下の一押しだったのに」
思わぬところで自分の名前を聞いたルイーザは固まるが、その次に続くヴィクトールの言葉はそれ以上の衝撃だった。
「ルイーザ嬢は……悪くはないのだろうけれど、少々怖くてな。
あれは完全に捕食者の目だ」
「ワウワウ! ガウ!」
(なんですって!?)
確かに、ルイーザは少々釣り目である。更に言えば、王太子妃の座を求める野心は特に隠していなかった。しかし、令嬢に向かって捕食者とはどういうことだろうか。
「そうか、ショコラもそう思うか」
「ガウガウ!」
(思わないわよ!)
「僕的には、シャーロット嬢とかいいと思いますよ。
実家は政治的に弱いので、脅威になりえませんし」
シャーロット嬢、と聞いてルイーザは一人の令嬢を思い浮かべる。かつて候補者だった公爵令嬢の取り巻きをしていた伯爵令嬢だ。件の公爵令嬢が辞退したことで、彼女が台頭したのだろう。ルイーザの取り巻きだった令嬢も、ルイーザが社交界から姿を消してから候補者に繰り上がったと聞いたので、そういう事は珍しくないのだ。
「何よりも、胸が大きい」
「ガウ!」
(最低!)
「ファルク、ショコラが怒っているぞ。
ショコラも雌だから、女性を変な所で判断するのは許せないらしい」
「犬にそんなことはわかりませんよ」
はははと側近ファルクが笑うのを、ルイーザは半眼で睨む。犬にはわからないけれどルイーザにはわかるのだ。
「私としては、優しい人であればいい。
まだ決めかねているが有力なのはメリナ嬢だろうか」
「わう!」
(趣味が悪い!)
「そうか、ショコラもそう思うか」
「わうわう!」
(思わない! あの女とんだ女狐なんだから!)
メリナ・ノイマンを思い浮かべてショコ……ルイーザは憤る。可愛い振りをして、あの女はかなり狡猾だ。自分の手を一切汚さずにフルフルと震えて周りを味方につけて相手を蹴落とすのだ。
ルイーザだって、犬になった晩の舞踏会で「突き飛ばされた振り」をされて痛い目を見た。……そういえば、あの日この王太子は見事に騙されていたではないか。男というのはどうしてこう……と、ルイーザは思わず遠い目になる。
「父上も祖父上も、気の強い女性を選んだからな。
私は優しい女性と穏やかな家庭を築きたいんだ。
早く決めるべきとはわかっているが、まだ見極められない」
ルイーザは王妃陛下と王太后陛下を思い浮かべる。たしかに二人ともぴしりとした女性ではあるが、情に厚く貴族のご婦人方からは慕われ嫁姑関係は良好、更には2人共伴侶に愛されている筈だ。……確かに少々夫を尻に敷きそうな雰囲気はするけれど。
「わふ、わふん。わうわう」
(殿下みたいなボンクラは立派な女性を選んだほうがいいわ。
クラーラ侯爵令嬢とか、フィオナ公爵令嬢……は辞退したんだっけ)
ルイーザは、頭の中で社交界の優れた令嬢たちを並べた。通じないのをいいことに、不敬待ったなしの罵倒もついでにしておく。
「……凄いですね、まるで本当に会話しているみたいだ」
「ショコラは頭がいいんだ」
「わふん」
(一切通じてないけどね)
「いや、真似しているだけでしょう。犬は飼い主の仕草を真似ると聞いたことがありますし」
ファルクの言葉を耳にしたヴィクトールが、キラキラとした目でこちらを見た。言葉を発しなくてもルイーザにはわかる。「飼い主と思ってくれているのかい?」と顔に書いてあった。ルイーザは思っていることを口に出しただけで、別にヴィクトールを飼い主とは認識していないのだけれど。
呆れを視線に乗せてヴィクトールを見つめ返すと、彼は顔を輝かせてとんでもないことを言い出した。
「決めた。成婚して犬を飼うときはショコラの子にしよう。
ショコラと同じチョコレート色の可愛い子犬が生まれるといいな」
(!!??)
「小型犬か、せめて中型犬にしたほうがよいのでは?」
「利口な犬種だし大丈夫だ。ファルク、犬舎の者に打診しておいてくれ」
「アオーン!」
(絶対だめーーー!)
1
お気に入りに追加
496
あなたにおすすめの小説
妹よ。そんなにも、おろかとは思いませんでした
絹乃
恋愛
意地の悪い妹モニカは、おとなしく優しい姉のクリスタからすべてを奪った。婚約者も、その家すらも。屋敷を追いだされて路頭に迷うクリスタを救ってくれたのは、幼いころにクリスタが憧れていた騎士のジークだった。傲慢なモニカは、姉から奪った婚約者のデニスに裏切られるとも知らずに落ちぶれていく。※11話あたりから、主人公が救われます。
【完結】 婚約破棄間近の婚約者が、記憶をなくしました
瀬里
恋愛
その日、砂漠の国マレから留学に来ていた第13皇女バステトは、とうとうやらかしてしまった。
婚約者である王子ルークが好意を寄せているという子爵令嬢を、池に突き落とそうとしたのだ。
しかし、池には彼女をかばった王子が落ちることになってしまい、更に王子は、頭に怪我を負ってしまった。
――そして、ケイリッヒ王国の第一王子にして王太子、国民に絶大な人気を誇る、朱金の髪と浅葱色の瞳を持つ美貌の王子ルークは、あろうことか記憶喪失になってしまったのである。(第一部)
ケイリッヒで王子ルークに甘やかされながら平穏な学生生活を送るバステト。
しかし、祖国マレではクーデターが起こり、バステトの周囲には争乱の嵐が吹き荒れようとしていた。
今、為すべき事は何か?バステトは、ルークは、それぞれの想いを胸に、嵐に立ち向かう!(第二部)
全33話+番外編です
小説家になろうで600ブックマーク、総合評価5000ptほどいただいた作品です。
拍子挿絵を描いてくださったのは、ゆゆの様です。 挿絵の拡大は、第8話にあります。
https://www.pixiv.net/users/30628019
https://skima.jp/profile?id=90999
私の頑張りは、とんだ無駄骨だったようです
風見ゆうみ
恋愛
私、リディア・トゥーラル男爵令嬢にはジッシー・アンダーソンという婚約者がいた。ある日、学園の中庭で彼が女子生徒に告白され、その生徒と抱き合っているシーンを大勢の生徒と一緒に見てしまった上に、その場で婚約破棄を要求されてしまう。
婚約破棄を要求されてすぐに、ミラン・ミーグス公爵令息から求婚され、ひそかに彼に思いを寄せていた私は、彼の申し出を受けるか迷ったけれど、彼の両親から身を引く様にお願いされ、ミランを諦める事に決める。
そんな私は、学園を辞めて遠くの街に引っ越し、平民として新しい生活を始めてみたんだけど、ん? 誰かからストーカーされてる? それだけじゃなく、ミランが私を見つけ出してしまい…!?
え、これじゃあ、私、何のために引っ越したの!?
※恋愛メインで書くつもりですが、ざまぁ必要のご意見があれば、微々たるものになりますが、ざまぁを入れるつもりです。
※ざまぁ希望をいただきましたので、タグを「ざまぁ」に変更いたしました。
※史実とは関係ない異世界の世界観であり、設定も緩くご都合主義です。魔法も存在します。作者の都合の良い世界観や設定であるとご了承いただいた上でお読み下さいませ。
【完結】この婚約破棄はお芝居なのですが···。乱入してきた勘違い男を成敗します!
櫻野くるみ
恋愛
「アメリア・ハワード、私は運命の女性と出会ってしまった。ここにいるセレンだ。君は副会長でありながら、セレンを嫉妬でいじめ抜いたそうだな。そんな女とは婚約破棄だ!!」
卒業パーティーで生徒会長のクロードの声が響き渡る。
でも私、アメリアは動揺したフリをするだけ。
だってこれは余興の劇で、お芝居なんだから。
私が自分の台詞を声に出しかけたその時、「ではアメリアは、俺が貰ってやろう!」
邪魔が入りました。
えっと、もしかして、お芝居だって気付いてないの?
ピンク髪の男爵令嬢まで現れ、どんどん劇の内容が変わっていく。
せっかくのお芝居を邪魔する、上から目線の勘違い男と、男爵令嬢は成敗します!
アメリアに転生した理亜が断罪劇を提案し、邪魔されつつ、婚約者のクロードと幸せになるお話。
完結しました。
カクヨム様でも投稿を始めました。
【完結済】次こそは愛されるかもしれないと、期待した私が愚かでした。
こゆき
恋愛
リーゼッヒ王国、王太子アレン。
彼の婚約者として、清く正しく生きてきたヴィオラ・ライラック。
皆に祝福されたその婚約は、とてもとても幸せなものだった。
だが、学園にとあるご令嬢が転入してきたことにより、彼女の生活は一変してしまう。
何もしていないのに、『ヴィオラがそのご令嬢をいじめている』とみんなが言うのだ。
どれだけ違うと訴えても、誰も信じてはくれなかった。
絶望と悲しみにくれるヴィオラは、そのまま隣国の王太子──ハイル帝国の王太子、レオへと『同盟の証』という名の厄介払いとして嫁がされてしまう。
聡明な王子としてリーゼッヒ王国でも有名だったレオならば、己の無罪を信じてくれるかと期待したヴィオラだったが──……
※在り来りなご都合主義設定です
※『悪役令嬢は自分磨きに忙しい!』の合間の息抜き小説です
※つまりは行き当たりばったり
※不定期掲載な上に雰囲気小説です。ご了承ください
4/1 HOT女性向け2位に入りました。ありがとうございます!
果たされなかった約束
家紋武範
恋愛
子爵家の次男と伯爵の妾の娘の恋。貴族の血筋と言えども不遇な二人は将来を誓い合う。
しかし、ヒロインの妹は伯爵の正妻の子であり、伯爵のご令嗣さま。その妹は優しき主人公に密かに心奪われており、結婚したいと思っていた。
このままでは結婚させられてしまうと主人公はヒロインに他領に逃げようと言うのだが、ヒロインは妹を裏切れないから妹と結婚して欲しいと身を引く。
怒った主人公は、この姉妹に復讐を誓うのであった。
※サディスティックな内容が含まれます。苦手なかたはご注意ください。
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
大嫌いな令嬢
緑谷めい
恋愛
ボージェ侯爵家令嬢アンヌはアシャール侯爵家令嬢オレリアが大嫌いである。ほとんど「憎んでいる」と言っていい程に。
同家格の侯爵家に、たまたま同じ年、同じ性別で産まれたアンヌとオレリア。アンヌには5歳年上の兄がいてオレリアには1つ下の弟がいる、という点は少し違うが、ともに実家を継ぐ男兄弟がいて、自らは将来他家に嫁ぐ立場である、という事は同じだ。その為、幼い頃から何かにつけて、二人の令嬢は周囲から比較をされ続けて来た。
アンヌはうんざりしていた。
アンヌは可愛らしい容姿している。だが、オレリアは幼い頃から「可愛い」では表現しきれぬ、特別な美しさに恵まれた令嬢だった。そして、成長するにつれ、ますますその美貌に磨きがかかっている。
そんな二人は今年13歳になり、ともに王立貴族学園に入学した。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる