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1章 はじまり

16話遠距離恋愛、近距離の思い。2

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セドリックは、私を押しのけ、手紙を握った。そして、その手紙を読み進め寂しそうにこちらを見た。
「フランソア……。俺が、おまえを守ってあげられたらどれだけいいか。なんであいつなんだよ。俺じゃダメなのかよ。俺の方が先に出会ったのに、横取りされて悔しいよ」
セドリックは、そういいながら泣き出した。それを見て、私はセドリックをかわいそうに思った。自分がセドリックには、私以外の人と絶対に幸せになってほしい。そう思っていたが、こんなにも私を愛してくれているのに、私はセドリックを苦しめているのだ。

「セドリック。泣かないで。私は、セドリックのこと好きよ。でも、それは弟だから好きなの。たった一人の弟のあなたには、私以外の誰かと幸せになってほしいって思っている」
小さい子を慰めるかのように、セドリックを抱きしめてそういった。セドリックは、泣きつかれたのか、私に抱かれたまま眠ってしまった。

小さい頃は、フランス人とイギリス人の差なんて感じなかったのに、今は、セドリックのほうが私よりもパパよりも身長が高くなって、大人っぽくなってしまった。
身長が高いのは、イギリス人の特徴らしいからそういうところが、イギリス人らしくなったなと思う。
成長している男の人を抱っこするなんて生まれて初めての経験だったので、ドキドキする心が止まらなかった。
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