奈落人生～自己中、いじめられっ子、今日も生きる。～

中学校編

初恋の竹本君①

　中学二年生になり、担任が佐保先生から、藤原洸希（ふじわらこうき）先生になった。

　そして、この頃。私は、ある人に淡い恋心を抱いていた。

　その子は、竹本雄太（たけもとゆうた）くんと言って、同じ保育園出身で、保育園時代の記憶が唯一残っている男の子だった。多分、その頃から好きだったのだと思う。

　しかし、その子と一度も同じクラスになったことがなかった。

　そんな竹本君との思いで話をしたい。


　今日は、修学旅行。

　あらかじめ割り振られた班での班別行動と、自由行動が行われる。

　当初は、リーダーが勝手に班のメンバーを決める（好きな子で振り分けて嫌いな子同士をまとめる）なんてことをしていて、先生に怒られていた。

　結局、きちんと考え抜いて決めたそうだ。


　私たちの学校は、広島と京都に行くことになっており、広島は原爆資料館と原爆ドームを見に行くことになっていた。

　実は、２回目の広島平和記念資料館だ。

　しかし、私には不安なことがあった。

　一度目の資料館訪問が小学生の時で、当時は意味も分からずに見ていた原爆後のヒロシマがトラウマで、戦争系の映画を見ると体調不良を起こすようになっていた。

　今思うのは、原爆関係・戦争関係はきちんと意味を理解して見るべきだということだ。
（現在は、ある程度克服しており、動画サイトでそういうのを見つけると、率先して確認している）

　案の定、体調不良を起こして広島での記憶はほとんどない。

　しかし、広島は大好きな場所なのでまた訪れたいし、資料館にも行きたいと考えている。


　京都では、いろいろな土地をめぐり、最終日は、1組と2組合同での見学だった。

　班別行動ではないので、趣味の写真を撮るために私は1人で行動をしていた。

　しばらく歩いていると竹本君を見つけ、嬉しくなった私は隠し撮りしようとしたが、結局バレてしまった。

　竹本君は、写真を撮られるのが嫌いらしく写真に入らずに隠れてしまった。

　そんな所も、実は好きだ。



　竹本君と距離が縮まったのは、中学３年生の時。

　なんと、最後の年に同じクラスになったのだ。

　私は、嬉しくて同じ班になるのを楽しみにしていた。

　そして、７月にやっと同じ班になり、たくさん話しかけるようになった。

　しかし、夏休み前から竹本君は学校に来なくなった。

「しつこくしすぎたのかな」

　そう思い、へこんでいたときに藤原先生に呼び止められた。