上 下
39 / 100
第二巻・ワテがギアでんがな

 海水浴へ行こう 

しおりを挟む
  
  
 続きであ~る。


「ほんでアキラ? 恭子ちゃんに何か用事があったんちゃいまんの?」
 水羊羮をスプーンで小分けにして、小さな口へ運んでいた恭子ちゃんにポカンと愛らしい表情を向けられ、アキラは慌てて視線を逸らした。

「なんのことさ?」
 ひと口で食べてしまった羊羹に付いていた爪楊枝を口で咥え、ラジオの前でピコピコさせていたが、肝を据えたように小さく吐息して、
「……何でギアが知ってんの?」
「何でって、たったいま門扉の裏で待ち伏せしとったんやろ?」
「ちょ、ちょっと。待ち伏せって、人聞きの悪い」
 床に落ちたラジオをさっと引っ掴むとアキラは電源ボタンを押した。

「何してまんねん? 電源を切ることはできまへんで。コントロールはワテの思うがままや。それよりなんや今の行為。まさか口封じでっか?」
「ち、ち、違うよ」
 アキラは生菓子よりも瑞々(みずみず)しく柔らな恭子ちゃんの唇の動きを観察しながら、覚悟を決めたバンジージャンパーみたいな顔つきになった。 

「仕方が無い……」と切り出してから、
「あんまり暑いし、今度みんなで海にでも行かないかな、って思って……さ」

 じっと恭子ちゃんの朱唇の動きを見つめる。
「海? いいわね」
 ほのかにほころぶのを確認すると、それからはまるで機関銃であった。

「そう。高楼園(こうろうえん)浜さ。海さ。海水浴だよ。キヨ子も行きたがっていたし。恭子ちゃんはこの子の家庭教師なんだから、課外活動と言う意味で行くべきだよ。だって夏休みだろ。思い出さ。思い出は大事だよ。特に幼児期にはね」

 お前の思い出だろう……と言ってやりたかったが、黙っておくことに。
「おまはんの思い出にしたいだけやろ」
 こいつは、よくよく土足で登るヤツだな。

 当のキヨ子どのは──。

「私は紫外線を浴びるよりも、電子線を浴びるほうがどちらかと言えば好きです」
「だめだよ。小学一年生なんだからもっと子供じみた遊びしなきゃ。キヨ子の絵日記帳を見たけど、回路図ばっかり書かれていたじゃないか。あんなの先生が見たら困るだろ?」

「あぁ。これって絵日記帳でしたの? 白紙部分と文字欄が付いていたのでアイデアノートにちょうどいいと思って利用していましたわ。説明欄が縦書きになるのが少し気になっていましたが」

 テーブルの上にぱさりと置いて無造作に開くキヨ子どのの日記帳。確かに数字と記号、加えて縦線やら横線やらが入り乱れており、説明欄には細かな文字がびっしりと書き綴られていた。

「小一のくせして、開発ドキュメントを夏休みの宿題に提出する子なんかいまへんで。呆れたな」
「まずいですわね。次世代を担う量子デバイスのアイデアノートなのに。世間にバレてしまいますわ」
「いや、その点は先生も理解できないから大丈夫だと思うよ」
 とアキラが言い、すかさずギアも同調する。
「ちゅうより、逆に落書きやと思われて叱られまっせ。これはどう見ても幾何学模様でんがな」

「失礼な。模様じゃありません。ちゃんと論理的かつ数学的な記序を行っています」
「つまりやな。天才工学博士の書くアイデアノ-トと、幼児の書く絵とでは、素人目に区別が付かんちゅうことでんがな」
「あたしには解るわ。これってウエアラブルコンピューティングの繊維圧力センサーの増幅回路ね」
「さすがNAOMIさんです。ご名答」

「ぅぁぁ……」
 ロボット犬とスーパーキヨ子には、とっても付いて行けないのである。

「ちょっとまた話が逸れて来てるよ。キヨ子の絵日記が奇怪(きっかい)だから、海にでも連れてってあげようじゃないか、っていう僕のアイデアの話だよ」

 アキラはノートを素早く閉じて、恭子ちゃんへちらりと視線を振る。
「どう? 家庭教師としては?」

「別にわたしは問題ないけど、キヨ子先生の研究の手を止めるのはどうかと……」
 ところが意外にもキヨ子どのは乗り気で、
「参りましょう。新婚旅行にと思っていたNASA行きが、くだらない遊園地だったと言うショックからようやく立ち直りつつある時です。近場であっても旅行は旅行です」

 すぅっと息を吸い。
「いいですわね。蒼い海。白い砂浜。波しぶき……ああぁ。これが青春ですわ」
 まだ青春の入り口にも立っていないと思うのだが。

「ちょい待ちなはれ。波しぶきって……海ってゆうたら、この惑星の大半を占めてる、あの水溜りのことでっしゃろ?」
「そうだよ。高楼園浜ってここらでは有名な海水浴場なのさ。砂が細かくて綺麗だよ」
「砂はかまへん。でも水気は厳禁や。大地に直接つながってまんがな」
「海とはそういうものです」
 何を問題にしておるのだ、てな顔のキヨ子どの。
「もしそんなとこに落とされたら、ワテら一巻の終わりでっせ」
「そうである。危険なところは我輩も行きたくないぞ。金魚鉢でさえあの騒ぎである。塩水(しおみず)などもってのほかだ」
 キヨ子どのは長い間を空け、怪訝に眉をひそめて言う。
「何か勘違いしてませんこと?」

「へ?」

「は?」

「なぜわざわざ電磁生命体を海などに連れて行くのです。ばからしい」
「ばからしい……って」
 けんもホロホロなのである。
「けんもほろろや!」

「地球語など知らん……話の腰を折るな、ギア」 

「どっちゃにしても、ワテらは行かんで」
「どうぞご自由に」
 冷たいな……。

「じゃあ。恭子ちゃん行こうよ」
「え? ええ……」
 まだ逡巡している。何を思い迷うことがあるのであろうか、恭子ちゃん?

「アキラさん」
「なにさ?」
「近場とはいっても新婚旅行です。他人は遠慮するに決まっていますでしょ」
 キヨ子どのは腰を変なふうにくねらせ、ワンピースの裾をチラりと。
「ば、ばば、ば、ば、ばば、ば、ば、バカなこと言わないでよ」

「ぎょうさん『ババ』が出ましたな」

 アキラは素早くサッとNAOMIさんへと視線を滑らせる。
「マイボ。ややこしいからインターフェース切って!」
 柔和な微笑と共に尻尾が降られ、キヨ子さんの吊り上っていた目が、地球の中心方向へと緩んだ。

「ねぇ~。うみいくの? おにいちゃん?」

「そうだよ。家庭教師のオネエーさんもいっしょなら、ママも許しが出ると思うよ」
 そのセリフはキヨ子ではなく、恭子ちゃんへ向かって言っておるな。
「どう? 恭子ちゃん? このまま放っておくと、この子の絵日記は悲惨なことになるよ」
「それはそうだけど。そういうのはお父さんかお母さんが決めることで……」

 突然、素に戻った幼児は少し悲しげに言う。
「キヨコねー。なんどもうみいきたいって、パパにいってるの。でもおしごとがいそがしくてぜんぜんつれてってくれないの」

「ほらね。その鬱積(うっせき)が溜まって、あの模様だらけの絵日記なんだ」
 だからあれは模様ではなく論理回路を図案化してあるだけの……と説明してやりたいが、アキラには模様以外の何モノでもないのだろう。

「悪い話じゃないわよ」
 すくっと立ち上がったNAOMIさんは、テーブルの食器を器用に前肢で掻き集め、
「幼児期の夏休みの思い出は大切してあげないとダメよ」
 マリア様みたいな慈愛がこもる目を向けた。ロボットのくせに。しかも犬のな。

「そうですね。じゃぁ。わたしもキヨ子先生のお供をさせていただきます」
 やたら豊かな胸の前で腕をクロスさせ、アキラではなく──NAOMIさんに恭子ちゃんは一礼した。

「わっは、これで決まりぃぃ」
「キヨコ、うみいけるの?」
「そうだよ」
「うぁぁい。うみだぁ~~」
「海だねぇ~」
 二人は手を繋いでバカみたいに部屋を踊り回り──実際バカである。

「ほんま、なんで地球人は水に浸かりたがるねん?」
「夏だからさ。暑いから入るんだよ」

「ようワカランな。夏でも毎晩風呂に浸かっとるやろ。暑いのに湯やで。矛盾してまへんか?」

「行けば解るよ。焼けた砂浜。飛び散る冷たい波しぶき。海だよ」
「キヨコねー。うみいくのはじめてなのー」
 二人はまだ踊り続け、ギアは呆れる。

「アホちゃうか。気が知れんワ」
 ギアの言うとおり、塩分の多い海水は伝導率が高い。危険極まりないのである。

「我輩も遠慮させていただく。砂浜の高温にスマホを晒すのもよくない」
「ほんまや、そんな危険を冒してまで誰が行きまんねん。ようーやるで」

 ギアは呆れ口調だが、NAOMIさんはラジオの前でソワソワ。
「そうと決まれば。あたしも水着を準備しなきゃ」

「へ?」
 キヨ子と踊っていたアキラの動きが、ぱたっと止まった。

「何でマイボが行くのさ?」
「何言ってるの。高楼園浜よ。ヤングが集中するわよ」

 ヤングって……死語である。

「それも半裸で集合するのよ。きっといい男がワンサカよ。あー今日寝れるかしら」

 ワンサカも死語である。
 それよりあんたは夜寝ているのか?

「番犬が夜寝てたらあかんやろ」
 ギアも同じ意見である。

「番犬って、失礼なこと言わないでよ。あたしは、うら若きオンナなのよ。乙女なの。海って聞くだけ心踊るわ」
 遠い目になっておるが、
「ちょっと訊きまっけどな。若い男子が来るということは……」
「モチよ~」
 NAOMIさんは黒い鼻先をラジオに向け、
「高楼園浜行きのバスは連日ギャルで超満員だってさー」

 ラジオのスピーカーが「ガガッ」と鳴った。

「しゃあないな……。ワテも行きますワ」

「なんでさ。いいよ来なくても」
 迷惑げなアキラの声。
「なに言うてまんねん。海と言えば砂浜。砂浜と言えばビーチパラソル。ほんでそこにぶら下げたラジオからトロピカルな音楽を流すのが定番や」

 お前なら落語か漫才が流れていそうな気がするぞ。

「海に落ちたらラジオは即死だよ? それでもいいの?」とアキラが尋ねるが、
「かまへん。危険を冒さなギャルと知り合えるチャンスはおまへん」
 きっぱりと言い切りやがったな、こいつ。

「なら。我輩も行く。ギアには負けてられん」
「そうと決まったらさ。計画立てようよ」
 ハイテク犬はキャンと鳴かずに、「きゃっほ~」と叫び、ラジオは鼻息を荒げる。
「ほんで何時のバスが一番ようけギャルが集中しまんのや? せやゴア。ネット検索してみい。高楼園浜行きのバスや。最寄りの駅はどこやねん。ルートは?」

 こいつの頭の中では海とギャルがイコールになっておるようだが。

「そうだ。せっかくだから、お弁当も作って行きましょうよ」とイヌがぬかし、
「NAOMIさん。わたしもお手伝いしたいです。キヨ子先生にはいつもハードウエアの面でお世話になっていますので。こういうときは張り切らせてもらいたいの」
「いいわよ。じゃあさ買い物から始めましょうよ。楽しそうね」

 あんたの場合、タダの散歩ではないのか?
「NAOMIはん、店に入れまんの?」
「失礼ね。天下の源ちゃんが作ったシステムよ。町中の人が知ってるわ」

 ダッチワイフ時代もな。

 大人的な会話とは裏腹に、こちらの頭の中では虹が掛かったようである。
「うみよー。キヨコうみにいけるの~」
 歓喜の声を天井に捧げ、意味不明な歌を唄いだす。

「うみはひろいなデっコイぃなぁぁ。つきはおちるし、ひはしぼむ~。……とんでユキたぁ~い。よそのくにぃぃぃ。ランララーン」

 あぁぁ、何と世紀末的な歌なのだ。悲しい……。悲惨すぎるぞ。
 太陽系に侵攻してきたエイリアンが仕掛けた囮(デコイ)に、まんまと嵌まった地球防衛軍の歌なのだ。
 衛星である月は撃ち落とされ、太陽の核融合反応まで止められた地球。砂漠化した大地に雪が降り出し、生き残った人類が空を拝みながら救助を求める唄なのだ……。あああ。虚しい……。

 何だか悲しい気分の我輩と、手を繋いで踊り狂うアキラとキヨ子。NAOMIさんは全くサイズの合いようもない女性用の水着を引っ張り出してきて鼻先で吟味。ラジオはトロピカルな音楽を探してチューニングを始め、恭子ちゃんはスマホでお弁当特集を検索。

「ちょっと待て、みんな! 浮かれておる場合ではない。えらいことだぁ。バスは1時間に1本しか無いぞ!」
 我輩もルート検索に必死であった。
 ギャルが最も乗ってくる時間は……と。
 ふむふむ。電車の時間から言って……。

「あか――ん! 日本にはトロピカル専門の放送局が無いがな。NAOMIはん。有線放送のチャンネルが流れるように、このラジオを改造してくれへんか?」

 そんなことをしたら犯罪になるのである。
  
  
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚に条件を付けたのに、女神様に呼ばれた

りゅう
ファンタジー
 異世界召喚。サラリーマンだって、そんな空想をする。  いや、さすがに大人なので空想する内容も大人だ。少年の心が残っていても、現実社会でもまれた人間はまた別の空想をするのだ。  その日の神岡龍二も、日々の生活から離れ異世界を想像して遊んでいるだけのハズだった。そこには何の問題もないハズだった。だが、そんなお気楽な日々は、この日が最後となってしまった。

大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです

飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。 だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。 勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し! そんなお話です。

高校生とUFO

廣瀬純一
SF
UFOと遭遇した高校生の男女の体が入れ替わる話

元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~

おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。 どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。 そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。 その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。 その結果、様々な女性に迫られることになる。 元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。 「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」 今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。

異世界転移物語

月夜
ファンタジー
このところ、日本各地で謎の地震が頻発していた。そんなある日、都内の大学に通う僕(田所健太)は、地震が起こったときのために、部屋で非常持出袋を整理していた。すると、突然、めまいに襲われ、次に気づいたときは、深い森の中に迷い込んでいたのだ……

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

恋するジャガーノート

まふゆとら
SF
【全話挿絵つき!巨大怪獣バトル×怪獣擬人化ラブコメ!】 遊園地のヒーローショーでスーツアクターをしている主人公・ハヤトが拾ったのは、小さな怪獣・クロだった。 クロは自分を助けてくれたハヤトと心を通わせるが、ふとしたきっかけで力を暴走させ、巨大怪獣・ヴァニラスへと変貌してしまう。 対怪獣防衛組織JAGD(ヤクト)から攻撃を受けるヴァニラス=クロを救うため、奔走するハヤト。 道中で事故に遭って死にかけた彼を、母の形見のペンダントから現れた自称・妖精のシルフィが救う。 『ハヤト、力が欲しい? クロを救える、力が』 シルフィの言葉に頷いたハヤトは、彼女の協力を得てクロを救う事に成功するが、 光となって解けた怪獣の体は、なぜか美少女の姿に変わってしまい……? ヒーローに憧れる記憶のない怪獣・クロ、超古代から蘇った不良怪獣・カノン、地球へ逃れてきた伝説の不死蝶・ティータ── 三人(体)の怪獣娘とハヤトによる、ドタバタな日常と手に汗握る戦いの日々が幕を開ける! 「pixivFANBOX」(https://mafuyutora.fanbox.cc/)と「Fantia」(fantia.jp/mafuyu_tora)では、会員登録不要で電子書籍のように読めるスタイル(縦書き)で公開しています!有料コースでは怪獣紹介ミニコーナーも!ぜひご覧ください! ※登場する怪獣・キャラクターは全てオリジナルです。 ※全編挿絵付き。画像・文章の無断転載は禁止です。

「メジャー・インフラトン」序章1/ 7(太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!)

あおっち
SF
  脈々と続く宇宙の無数の文明。その中でより高度に発展した高高度文明があった。その文明の流通、移動を支え光速を超えて遥か彼方の銀河や銀河内を瞬時に移動できるジャンプ技術。それを可能にしたジャンプ血清。  その血清は生体(人間)へのダメージをコントロールする血清、ワクチンなのだ。そのジャンプ血清をめぐり遥か大昔、大銀河戦争が起こり多くの高高度文明が滅びた。  その生き残りの文明が新たに見つけた地、ネイジェア星域。私達、天の川銀河の反対の宙域だった。そこで再び高高度文明が栄えたが、再びジャンプ血清供給に陰りが。天の川銀河レベルで再び紛争が勃発しかけていた。  そして紛争の火種は地球へ。  その地球では強大な軍事組織、中華帝国連邦、通称「AXIS」とそれに対抗する為、日本を中心とした加盟国軍組織「シーラス」が対峙していたのだ。  近未来の地球と太古から続くネイジェア星域皇国との交流、天然ジャンプ血清保持者の椎葉清らが居る日本と、高高度文明異星人(シーラス皇国)の末裔、マズル家のポーランド家族を描いたSF大河小説「メジャー・インフラトン」の前章譚、7部作。  第1部「太陽の季節 DIVE!DIVE!DIVE!ダイブ!ダイブ!ダイブ!」。  ジャンプ血清は保持者の傷ついた体を異例のスピードで回復させた。また血清のオリジナル保持者(ゼロ・スターター)は、独自の能力を飛躍的に引き上げる事が出来たのだ。  第2次大戦時、無敵兵士と言われた舩坂弘氏をモデルに御舩大(ミフネヒロシ)の無敵ふりと、近代世界のジャンプ血清保持者、椎葉きよし(通称:お子ちゃまきよし)の現在と過去。  ジャンプ血清の力、そして人類の未来をかけた壮大な戦いが、いま、始まる――。  彼らに関連する人々の生き様を、笑いと涙で送る物語。疲れたあなたに贈る微妙なSF物語です。  本格的な戦闘シーンもあり、面白い場面も増えます。  是非、ご覧あれ。 ※加筆や修正が予告なしにあります。

処理中です...