その匂いには逆らえない

白石華

文字の大きさ
上 下
51 / 57
第五章

商家の跡取りが求める匂い3

しおりを挟む
「ぬ、脱ぐって、服を!?」
「そうですよ、もうニコレも脱いだではありませんか。」
「ええ……でも……んっ。」

 いくら何でも全裸は無茶だったのか、ウィレンツェがまごまごしていると、香の匂いが漂ってくる。

「あ……うん。そうだね。これは……。
 俺が、ニコレと遊んだり、引っ込み思案を何とかしたりする行為……。」

 香の香りを嗅いでいると、それが正しいかのように服を脱いでいくウィレンツェ。

「外には今回は出ないからご安心ください。一日、お屋敷でそれで過ごして頂きますが。
 本日は遊んですごしましょう。」
「うん。ニコレとまた遊べるんだ!」
「はい。まずは、ニコレと。ギューッと。」
「うわ……っ。」

 全裸の格好でニコレに抱きしめられてしまうウィレンツェ。顔が乳房に埋もれるようになってしまう。

「スキンシップがてら可愛がってもらうついでに、ニコレの感触もばっちり確かめるのが。
 ポイントです。」
「あ、うん。自分で言うんだ……。」

 変な事をさせられているなと思ったがいつもの変なニコレだったため、呆れた口調とは裏腹に安心もするウィレンツェ。

「さあ、この後はベッドをトランポリン代わりにしたり、全裸でお屋敷を走り回りますよ。」
「うん……やっていることは子供の遊びなのに、全裸でするとすごい光景になるね。」

 ギッシ、ギッシ……。

 ニコレが率先して全裸でトランポリンをベッドでしているため、壮絶な眺めになっていた。

「さあ、坊ちゃまも。」
「うん……。んっ。」

 ギッシ、ギッシ……。

 ウィレンツェがベッドに乗って飛ぼうとすると、いつの間にか香りも漂うようになり、何故かウィレンツェに裸で変なことを悪戯がてらして遊ぶという解放感まで感じるようになる。

「んっ。認めたくないのに……楽しくなってきた。これ……楽しいんだ。」
「はい。坊ちゃま、その調子です。」
「うわっ。」

 飛んでいる内にウィレンツェにニコレが寄ってきたため、バランスを崩してニコレの方に飛んでしまい……。

 どさっ。

「まあ。坊ちゃま、ニコレとこういうこともお望みでしたか。」
「あ、あわわ……。」

 二人で抱き合う格好でニコレをウィレンツェが押し倒してしまっていた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活

XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。

ちょっと大人な体験談はこちらです

神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない ちょっと大人な体験談です。 日常に突然訪れる刺激的な体験。 少し非日常を覗いてみませんか? あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ? ※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに  Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。 ※不定期更新です。 ※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

鐘ヶ岡学園女子バレー部の秘密

フロイライン
青春
名門復活を目指し厳しい練習を続ける鐘ヶ岡学園の女子バレー部 キャプテンを務める新田まどかは、身体能力を飛躍的に伸ばすため、ある行動に出るが…

パンツを拾わされた男の子の災難?

ミクリ21
恋愛
パンツを拾わされた男の子の話。

処理中です...