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第四章
エロ社長の休日、日常編その1
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「あ~、今日は何すっかな~。」
俺はご飯をたらふく食べた後、流れるようにベルさんからお茶を貰って一服し、何もしない日に当てるように、何かぐでーっとした事を思い浮かべる。
「私~、家で寝ていたい。」
「おう、いいじゃねーか、サシガネ。ついでだから接骨院でマッサージとかやって貰ったらどうだ?
労災申請するなら聞いとくぜ。」
「あ~。寝ているより、それでいいかな。とりあえず歩いていく体力が回復するまで寝る。」
サシガネは横に転がって寝た。黒タイツにトップス、エプロンのみだがその格好でいいのか。
「私は日帰り温泉に、また行きたいですね。」
「あ、私も行きたい!」
「そこにも行こうかな……。」
ベルさんが提案したらカンナも乗り、サシガネも起き出してくる。
「ああ。それなら俺も行くぞ。そっちにもマッサージとかエステとかあるし。
ホットヨガとかやれる低温サウナの休憩所とかあるから。
そこでストレッチとか昼寝とかしてもいいんじゃねーのか?」
「ふむ。いいわね。」
サシガネが真面目に検討している。そういうの好きなのな。
「そんじゃ日帰り温泉の銭湯にでも行って昼は歩いて魚市場まで行って外でみんなで食べてくるか!」
「いいわよ。」
「はーい!」
「魚市場近くの食堂もいいですね~。」
こんな感じで俺たちの休日となったのだった。
・・・・・・。
「ここ、混浴もあったのな。貸し切り限定だけど。」
「ふふ。エッチな事は禁止ですが(当たり前)、こういう施設もあるんですね~。」
また銭湯に行くと、家族風呂もご用意可能ですよとフロントの人に言われたため即答した俺。俺の世界では一夫多妻も一妻多夫も同性婚も養子縁組も当たり前にあるので、こういう温泉施設でも家族風呂的な理由で許される、プライベート施設も用意されていたのだった。
「ああ……温泉は何度浸かっても身体に染みるぜ~。」
俺は混浴風呂でみんなの裸を眺めながら悦に浸っていた。
「全く。ジロジロ見るのを隠そうとすらしない。」
「ああ。もう隠すもんでもねーだろ。」
「まあね。本当なら私たち、付き合い始めなんだし。こういうのがあっても。」
「わーい。泳いじゃえ!」
隅っこでカンナがバタ足を始めたし、時々ムチムチの太腿とお尻が覗いている。
「くあ~。やっぱり風情があるっていいよな~。」
「何を見て思ったよコラ。」
サシガネにまた、冷たい目で見られた。
「それでもいいですね~。私、冷え性だから温まるの、どうしても行きたくなっちゃうんです~。」
「ああ。それで夏でも黒タイツ。」
「そうなんです。冷房が苦手で、ベストとかも一枚、羽織らないと。」
「……ソウデスネ。」
ベルさんと会話していたサシガネが急に無表情でカタコトになった。俺が女性たちにデザインを聞いて作った制服だが、ベルさんのベストを着た姿は、半分近くはみ出て、はち切れんばかりに強調されるのである。何がとはコンプライアンスの理由で言わんが。言ったらコンプライアンス違反だからな。
「でもよ、夏でも冷え性だと大変ですよね。俺は日中は建築で外回りだからそんなでもないですけど。」
「ふふふ。私も、レジャーとか狩りとか、連れて行ってくださいね。」
「むしろ連れて行ってもらわないとクリア自体不可能な気がします。」
俺は即答した。
「はい。ここに来て、お手伝い可能な事が随分とあったから、張り切っちゃいますね。」
「ははは、俺もこんな事になるとは思いませんでした……。後は商店街の残りの建て直しと。
レジャーと。取りこぼした案件の聞き取りと、昨日遺跡で拾ったアイテムで再建築か。
あとはサシガネと建築物の見回りに……レジャー施設はベルさんにお手伝い、お願いします。」
「はい。いい町にみんなでしていきましょうね。」
「ええ。私もやるわよ。元々の仕事までやれなかったらいくらなんでもね。」
「あははははは!」
カンナが泳ぎ回っている。
「ねーねー、社長。」
「おう、なんだ? また何か見つけたのか?」
「うん。あのね、眼鏡。」
カンナが眼鏡を拾ったようだが。多分誰かの落とし物だろう。
「ほら、眼鏡でしょ?」
カンナが拾ったのは随分とクラシックな縁の眼鏡だった。鼈甲の縁に螺鈿細工が横について、ここは温泉だが全く錆びていないチェーンの……海色の金属?
「なあ、これ。」
「ええ。記憶のかけらと関係あるんじゃないの?」
俺の言葉にサシガネが答える。
「温泉施設にまでダンジョンがあるとは思えないが。明日、シーガルにでも聞いてみるか。
今日は休みだと言った手前、出勤させられないからな。」
「そうね。シーガルだって今頃、記憶だなんだで大変だと思うし。」
俺の言葉にサシガネが頷く。
「でも眼鏡なんて何に関係あるんだろうね。」
「分からん。見せないと分からん。」
カンナの言葉には分からんとしか言いようがなかった。
「……。」
ベルさんがじっと眼鏡を見ている。
「知り合いの付けていた、眼鏡に似ているかもしれません。」
「お、ベルさんに知り合い……ん?」
シーガルと関係があって、ベルさんの知り合い……。
「ベルさんってここに住んでいた事でもあったんですか?」
「いいえ。でも……とても懐かしいですね。あの人は確か……時間と次元の概念が存在しない人で。
人だったのかもどうか……。」
俺はベルさんの言葉が核心に触れたら俺が消される番になるんじゃないかと怖くて自分からは聞けなかった。
「女の人なんですけど。そう言えば。」
「?」
サシガネの顔をベルさんがじっと見る。
「サシガネさん、ちょっと掛けて貰っていいですか?」
「え? 私?」
サシガネの眼鏡を取って、付け替えるために渡して。
「ちょっと髪、解いて貰って、立って貰っていいですか?」
「はいはい。こう?」
「わあ! 珠姫(たまひめ)様にそっくりですね!」
「え? そうなの?」
「はい。珠姫様はその名の通り。霊威の宿った珠を……ああそうだ。
なぜかシーガル君がそれを持っていましたね。」
さっきから、俺がコメントしても問題ないのか、全く分からんがプレッシャーに満ち満ちた話をしているような気がする。
「あの……それは、俺が聞いても消されない話でしょうか?」
俺は恐る恐る確認した。
「はい……抹消案件ではないはずですね。でなければ話しませんから。」
サラリとおどろおどろしいことを口にするベルさんだった。
「もう、随分と昔のことです。きっと……ああそうだ。
この眼鏡、梅花さんに見せてもいいでしょうか。」
「元々、シーガルにも見せるつもりだったからいいですけど。何でまた。」
「梅花さん……ここの社の方です。」
「そうですね。」
「ひょっとしたら記憶のかけらの事とかも知っているかも。」
「そうかもしんないですね。」
俺は相槌を打つのみだった。何の話かサッパリ分からない事を延々と話されると俺もキョトンとしてしまう。
「珠姫様にはお母さまがいて、その方が珠竜姫(たまたつひめ)様と言い……。」
「はあ。」
まだ続くのか、と思っていると。
「ちょっと悲しい別れ方を旦那様とされたそうです。」
「は~……。」
「私が知っているのは珠姫様までですが、この地にゆかりがある方なら。
シーガル君の記憶のかけらの正体も知っていることがあるかもしれません。」
「あ、そういう話だったんですね。」
ようやく理解した俺はやっと頷く。
「ちょっと長い話になっちゃいましたね。他も回りましょうか。」
という訳で今度はマッサージを受ける事となり。
・・・・・・。
「あ~……もっと肩やってください。」
サシガネが色気は全然ないがとろけそうな声を出し。
「俺も……腰、もっとお願いします。」
俺は俺で腰に来ていた。
「ふう……全身お願いしますね。」
ベルさんはいつも通りで。
「は~……きぼちいい……。」
カンナが大人しくなった声を初めて聴いた俺。こんな感じで俺の休日、午前編は終わったのであった。
俺はご飯をたらふく食べた後、流れるようにベルさんからお茶を貰って一服し、何もしない日に当てるように、何かぐでーっとした事を思い浮かべる。
「私~、家で寝ていたい。」
「おう、いいじゃねーか、サシガネ。ついでだから接骨院でマッサージとかやって貰ったらどうだ?
労災申請するなら聞いとくぜ。」
「あ~。寝ているより、それでいいかな。とりあえず歩いていく体力が回復するまで寝る。」
サシガネは横に転がって寝た。黒タイツにトップス、エプロンのみだがその格好でいいのか。
「私は日帰り温泉に、また行きたいですね。」
「あ、私も行きたい!」
「そこにも行こうかな……。」
ベルさんが提案したらカンナも乗り、サシガネも起き出してくる。
「ああ。それなら俺も行くぞ。そっちにもマッサージとかエステとかあるし。
ホットヨガとかやれる低温サウナの休憩所とかあるから。
そこでストレッチとか昼寝とかしてもいいんじゃねーのか?」
「ふむ。いいわね。」
サシガネが真面目に検討している。そういうの好きなのな。
「そんじゃ日帰り温泉の銭湯にでも行って昼は歩いて魚市場まで行って外でみんなで食べてくるか!」
「いいわよ。」
「はーい!」
「魚市場近くの食堂もいいですね~。」
こんな感じで俺たちの休日となったのだった。
・・・・・・。
「ここ、混浴もあったのな。貸し切り限定だけど。」
「ふふ。エッチな事は禁止ですが(当たり前)、こういう施設もあるんですね~。」
また銭湯に行くと、家族風呂もご用意可能ですよとフロントの人に言われたため即答した俺。俺の世界では一夫多妻も一妻多夫も同性婚も養子縁組も当たり前にあるので、こういう温泉施設でも家族風呂的な理由で許される、プライベート施設も用意されていたのだった。
「ああ……温泉は何度浸かっても身体に染みるぜ~。」
俺は混浴風呂でみんなの裸を眺めながら悦に浸っていた。
「全く。ジロジロ見るのを隠そうとすらしない。」
「ああ。もう隠すもんでもねーだろ。」
「まあね。本当なら私たち、付き合い始めなんだし。こういうのがあっても。」
「わーい。泳いじゃえ!」
隅っこでカンナがバタ足を始めたし、時々ムチムチの太腿とお尻が覗いている。
「くあ~。やっぱり風情があるっていいよな~。」
「何を見て思ったよコラ。」
サシガネにまた、冷たい目で見られた。
「それでもいいですね~。私、冷え性だから温まるの、どうしても行きたくなっちゃうんです~。」
「ああ。それで夏でも黒タイツ。」
「そうなんです。冷房が苦手で、ベストとかも一枚、羽織らないと。」
「……ソウデスネ。」
ベルさんと会話していたサシガネが急に無表情でカタコトになった。俺が女性たちにデザインを聞いて作った制服だが、ベルさんのベストを着た姿は、半分近くはみ出て、はち切れんばかりに強調されるのである。何がとはコンプライアンスの理由で言わんが。言ったらコンプライアンス違反だからな。
「でもよ、夏でも冷え性だと大変ですよね。俺は日中は建築で外回りだからそんなでもないですけど。」
「ふふふ。私も、レジャーとか狩りとか、連れて行ってくださいね。」
「むしろ連れて行ってもらわないとクリア自体不可能な気がします。」
俺は即答した。
「はい。ここに来て、お手伝い可能な事が随分とあったから、張り切っちゃいますね。」
「ははは、俺もこんな事になるとは思いませんでした……。後は商店街の残りの建て直しと。
レジャーと。取りこぼした案件の聞き取りと、昨日遺跡で拾ったアイテムで再建築か。
あとはサシガネと建築物の見回りに……レジャー施設はベルさんにお手伝い、お願いします。」
「はい。いい町にみんなでしていきましょうね。」
「ええ。私もやるわよ。元々の仕事までやれなかったらいくらなんでもね。」
「あははははは!」
カンナが泳ぎ回っている。
「ねーねー、社長。」
「おう、なんだ? また何か見つけたのか?」
「うん。あのね、眼鏡。」
カンナが眼鏡を拾ったようだが。多分誰かの落とし物だろう。
「ほら、眼鏡でしょ?」
カンナが拾ったのは随分とクラシックな縁の眼鏡だった。鼈甲の縁に螺鈿細工が横について、ここは温泉だが全く錆びていないチェーンの……海色の金属?
「なあ、これ。」
「ええ。記憶のかけらと関係あるんじゃないの?」
俺の言葉にサシガネが答える。
「温泉施設にまでダンジョンがあるとは思えないが。明日、シーガルにでも聞いてみるか。
今日は休みだと言った手前、出勤させられないからな。」
「そうね。シーガルだって今頃、記憶だなんだで大変だと思うし。」
俺の言葉にサシガネが頷く。
「でも眼鏡なんて何に関係あるんだろうね。」
「分からん。見せないと分からん。」
カンナの言葉には分からんとしか言いようがなかった。
「……。」
ベルさんがじっと眼鏡を見ている。
「知り合いの付けていた、眼鏡に似ているかもしれません。」
「お、ベルさんに知り合い……ん?」
シーガルと関係があって、ベルさんの知り合い……。
「ベルさんってここに住んでいた事でもあったんですか?」
「いいえ。でも……とても懐かしいですね。あの人は確か……時間と次元の概念が存在しない人で。
人だったのかもどうか……。」
俺はベルさんの言葉が核心に触れたら俺が消される番になるんじゃないかと怖くて自分からは聞けなかった。
「女の人なんですけど。そう言えば。」
「?」
サシガネの顔をベルさんがじっと見る。
「サシガネさん、ちょっと掛けて貰っていいですか?」
「え? 私?」
サシガネの眼鏡を取って、付け替えるために渡して。
「ちょっと髪、解いて貰って、立って貰っていいですか?」
「はいはい。こう?」
「わあ! 珠姫(たまひめ)様にそっくりですね!」
「え? そうなの?」
「はい。珠姫様はその名の通り。霊威の宿った珠を……ああそうだ。
なぜかシーガル君がそれを持っていましたね。」
さっきから、俺がコメントしても問題ないのか、全く分からんがプレッシャーに満ち満ちた話をしているような気がする。
「あの……それは、俺が聞いても消されない話でしょうか?」
俺は恐る恐る確認した。
「はい……抹消案件ではないはずですね。でなければ話しませんから。」
サラリとおどろおどろしいことを口にするベルさんだった。
「もう、随分と昔のことです。きっと……ああそうだ。
この眼鏡、梅花さんに見せてもいいでしょうか。」
「元々、シーガルにも見せるつもりだったからいいですけど。何でまた。」
「梅花さん……ここの社の方です。」
「そうですね。」
「ひょっとしたら記憶のかけらの事とかも知っているかも。」
「そうかもしんないですね。」
俺は相槌を打つのみだった。何の話かサッパリ分からない事を延々と話されると俺もキョトンとしてしまう。
「珠姫様にはお母さまがいて、その方が珠竜姫(たまたつひめ)様と言い……。」
「はあ。」
まだ続くのか、と思っていると。
「ちょっと悲しい別れ方を旦那様とされたそうです。」
「は~……。」
「私が知っているのは珠姫様までですが、この地にゆかりがある方なら。
シーガル君の記憶のかけらの正体も知っていることがあるかもしれません。」
「あ、そういう話だったんですね。」
ようやく理解した俺はやっと頷く。
「ちょっと長い話になっちゃいましたね。他も回りましょうか。」
という訳で今度はマッサージを受ける事となり。
・・・・・・。
「あ~……もっと肩やってください。」
サシガネが色気は全然ないがとろけそうな声を出し。
「俺も……腰、もっとお願いします。」
俺は俺で腰に来ていた。
「ふう……全身お願いしますね。」
ベルさんはいつも通りで。
「は~……きぼちいい……。」
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