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クリストファーの暴走再び

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沈黙が続く‥
と思っていたが、すぐに沈黙は破られた。

「話は終わったな?よし、これからの話をしよう。これからミアはどうするつもりだ?私の正妃として早く迎えたいが、今の罪人のままでは難しいし、どうしたものか。もう一日も待てないのに。思い切って一緒に国を出るか。ミアと二人ならそれもいいなぁ。」
クリストファーは一人違う事をブツブツ言っている。

シリアスな雰囲気が流れていた中‥
クリストファーはその空気をぶった切った。白けた目で皆、クリストファーを見ている。

ミルアージュ以外に、興味がないクリストファーにとってレンドランドの悩みなど、どうでもよかった。
そもそもミルアージュと結婚したいために、王太子になったクリストファーは、レンドランドの気持ちなどさっぱりわからない。
やりたくなければ、やめれば良いのに。
簡単な事なのにどうして、こんなややこしい事になっているのか‥
天才、最強、賢王の器と言われているクリストファーですら、今の立場に才能だけでいるわけではない。
人には見せていない辛さや努力もある。
まあ、その原動力はミルアージュだが。
コンプレックスなど自分で乗り越えるしかない。
それができなければ、そもそも王の器ではないと思うし、レンドランドをここまでの甘ちゃんに育てたアンロックに呆れすらしている。
何よりレンドランドの愚かな行いで、ミルアージュに実害が出ているのだ。
腹立たしくて仕方ない。

相当苛立っていたクリストファーが、よくここまで我慢して話を聞いた‥事を褒めないといけない。

我慢できたのにも、ちゃんと理由がある。
前に空気を読まず、仕出かした事でミルアージュにしばらく口をきいてもらえないという事件があった。
そう、クリストファーにとって大事件なのだ。
レンドランドの自殺未遂よりも‥

ミルアージュに関する事は、ちゃんと反省し、次に生かす王太子クリストファー。
ただ、改善しているのはほんの少しで、やっぱり空気は読めていない。

宰相はしみじみ思う。
アンロックの人間じゃなくてよかったと。

軍部大将は腹立たしく思う。
姫様、本当にこんな奴で良いのかと。

「お兄様は少し黙っていて‥皆さま、申し訳ありません。」
皆に第二王女が頭を下げた。
兄妹のよしみか慣れているのか第二王女がクリストファーをかばう。
ルーマン国王だけではなく、妹にまで謝らせるルーマン王国の王太子クリストファー。
大丈夫か、ルーマン王国‥

この二人、両親は同じはずなのにどうしてこんなに違うのか‥
またまた、ミルアージュの現実逃避。

後のメンバーは無視を決め込んだ。
話すだけ無駄だ‥

誰だ、こいつをここに入れた奴は‥と考え、思い出す。
違う、不法侵入してきたんだったと。


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