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最強者はミルアージュ
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「やめなさい。これ以上は見苦しい。」
ミルアージュの低い声に皆がビクついた。
ミルアージュの方を見て宰相、軍部大将、クリストファーは青い顔をしている。
この三人は知っているのだ。
ミルアージュが本当にブチ切れた時の怖さを‥
今いるメンバーの中で最強なのはミルアージュだと宰相は思っている。
ミルアージュは一見、か弱い女性にみえるが、軍部大将に勝つだけの実力を兼ね備えてはいる。
そして、この世の最強と他国から恐れられているクリストファーでも最愛のミルアージュからの攻撃には弱い。
ミルアージュの事で暴走するクリストファーは、誰にも止められない。
突拍子がなさすぎる行動のせいで、予測ができずに前もって止められないというのが正解だが。
しかし、ミルアージュが「嫌い」といえば、クリストファーはしばらくは再起不能で使い物にならなくなった。
クリストファーの言動に何度も痛い目をみているルーマン国王からはミルアージュに「嫌い」と言わないよう書状がきていた。
他国に弱みを見せる行為ではあるが、背に腹は変えられなかったのだろう。
お願いと口止めのための貢物の山とともに‥
一財産はあるそれらの物をみて、どれだけルーマンが困っているのかがわかった。
ルーマン、アンロックでも知る者もほとんどいない最重要の極秘事項だ。
アンロックと並ぶ大国であるルーマンを滅ぼしたいなら、ミルアージュがクリストファーを攻撃するのが一番手っ取り早いだろう。
しないだろうが‥
すれば良いのにと軍部大将は思っている。
あのストーカーに姫様はもったいないと常に思っていた。
宰相は宰相で、そんな弱みを持つルーマン国王に同情していた。
クリストファーが優秀で国の要でなければ、真っ先に廃嫡したいだろう‥
クリストファーがアンロックにいなくて良かったというのが正直なところだ。
ミルアージュは、固まっているクリストファーに向かい
「クリス、何を勝手な事をしているのかしら。そもそも、ここにいて良い人ではないわよね。」
と睨みつけた。
部外者が口を挟むなというように下がれと目で訴えている。
蛇に睨まれた蛙‥
オロオロするクリストファーは、世界最強はどこにいったのかわからない弱々しい態度だ。
「 軍部大将、あなたもやめなさい。同盟国の王太子へ向ける態度ではありません。」
ミルアージュは、宰相、軍部大将の方をギロリと見た。
「申し訳ありません。」
二人とも深々と頭を下げた。
宰相は巻き込まれただけだが、一緒に睨まれれ謝ってしまっている。
「ここでは目立ちすぎますし、場所を変えましょう。レンドランド、あなたの部屋に皆をお連れして。」
あまりに目立つ集団であり、一番近いレンドランドの部屋へ誘導した。
場をミルアージュが仕切った。
誰にも何も言わせない‥
さすが、人の上に立つ王族。
笑顔のミルアージュから、ものすごい圧と殺気がにじみ出ていた。
「わかりました。姉上。」
レンドランドはミルアージュに従い、皆を自室に案内した。
女王はミルアージュに素直に従うレンドランドに一瞬驚いた表情をしたが、これ以上ここで事を荒げたくないと判断し、ついていくこととした。
皆、素直にレンドランドについて行っているが‥
殺気と威圧感だけがダダ漏れになっている怖い集団であった。
途中であった政務官や軍部大将の圧に慣れているはずの兵士ですら
「ヒッ!」
と驚き逃げていった。
この世界の大国アンロック、ルーマンの最強メンバーが揃っている。
その辺の一般人に敵うはずがない‥
ミルアージュの低い声に皆がビクついた。
ミルアージュの方を見て宰相、軍部大将、クリストファーは青い顔をしている。
この三人は知っているのだ。
ミルアージュが本当にブチ切れた時の怖さを‥
今いるメンバーの中で最強なのはミルアージュだと宰相は思っている。
ミルアージュは一見、か弱い女性にみえるが、軍部大将に勝つだけの実力を兼ね備えてはいる。
そして、この世の最強と他国から恐れられているクリストファーでも最愛のミルアージュからの攻撃には弱い。
ミルアージュの事で暴走するクリストファーは、誰にも止められない。
突拍子がなさすぎる行動のせいで、予測ができずに前もって止められないというのが正解だが。
しかし、ミルアージュが「嫌い」といえば、クリストファーはしばらくは再起不能で使い物にならなくなった。
クリストファーの言動に何度も痛い目をみているルーマン国王からはミルアージュに「嫌い」と言わないよう書状がきていた。
他国に弱みを見せる行為ではあるが、背に腹は変えられなかったのだろう。
お願いと口止めのための貢物の山とともに‥
一財産はあるそれらの物をみて、どれだけルーマンが困っているのかがわかった。
ルーマン、アンロックでも知る者もほとんどいない最重要の極秘事項だ。
アンロックと並ぶ大国であるルーマンを滅ぼしたいなら、ミルアージュがクリストファーを攻撃するのが一番手っ取り早いだろう。
しないだろうが‥
すれば良いのにと軍部大将は思っている。
あのストーカーに姫様はもったいないと常に思っていた。
宰相は宰相で、そんな弱みを持つルーマン国王に同情していた。
クリストファーが優秀で国の要でなければ、真っ先に廃嫡したいだろう‥
クリストファーがアンロックにいなくて良かったというのが正直なところだ。
ミルアージュは、固まっているクリストファーに向かい
「クリス、何を勝手な事をしているのかしら。そもそも、ここにいて良い人ではないわよね。」
と睨みつけた。
部外者が口を挟むなというように下がれと目で訴えている。
蛇に睨まれた蛙‥
オロオロするクリストファーは、世界最強はどこにいったのかわからない弱々しい態度だ。
「 軍部大将、あなたもやめなさい。同盟国の王太子へ向ける態度ではありません。」
ミルアージュは、宰相、軍部大将の方をギロリと見た。
「申し訳ありません。」
二人とも深々と頭を下げた。
宰相は巻き込まれただけだが、一緒に睨まれれ謝ってしまっている。
「ここでは目立ちすぎますし、場所を変えましょう。レンドランド、あなたの部屋に皆をお連れして。」
あまりに目立つ集団であり、一番近いレンドランドの部屋へ誘導した。
場をミルアージュが仕切った。
誰にも何も言わせない‥
さすが、人の上に立つ王族。
笑顔のミルアージュから、ものすごい圧と殺気がにじみ出ていた。
「わかりました。姉上。」
レンドランドはミルアージュに従い、皆を自室に案内した。
女王はミルアージュに素直に従うレンドランドに一瞬驚いた表情をしたが、これ以上ここで事を荒げたくないと判断し、ついていくこととした。
皆、素直にレンドランドについて行っているが‥
殺気と威圧感だけがダダ漏れになっている怖い集団であった。
途中であった政務官や軍部大将の圧に慣れているはずの兵士ですら
「ヒッ!」
と驚き逃げていった。
この世界の大国アンロック、ルーマンの最強メンバーが揃っている。
その辺の一般人に敵うはずがない‥
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