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16話
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能力が解放された私は魔物の眉間を火球で撃ち抜けるほどになっていた。
それでも、この力でも一国を倒せるとは思えない。リリーの話は誇張されているのか。それともまだ上の段階があるのか……。
両親兄弟が殺され知識が失われてしまった今の私には知るよしもない。
「それにしてもすごい魔法だね髪の色が変わるなんて始めてみたよ」
「身体強化の魔法なんだけど一度使うと、いつ元の髪色に戻るか分からないから躊躇したのよ」と言って少し時間を貰ったことにたいして嘘の言い訳をした。
しばらく魔物を狩っていると、下に降りる階段が見えてきた。
「けっこう奥に来ちゃったね。そろそろ戻った方が懸命だ」
ロルカはここは初心者が来るような場所じゃないし荷物も一杯だと自分達の背中にしょった素材を見せる。
ロルカとホォスの背負わせた素材はもう少し余裕があるように見える。
「まだ、稼ぎが少ないわ。下に降りてみましょう」
「何言ってんだい、ソロでこれだけ稼げればすごいよ。しかも今日が初仕事なんだから。それに下に降りるのは反対だ」
「地下に行けばもっと稼げるんでしょ?」
「まあ、あんたならソロでも地下二階くらいは行けるだろうけど私は付き合わないよ。ソロ狩りなんてバカのすることだからね」
ロルカはホォスの研修で低賃金でやっているだけであって、もし二階へ行くなら正規の料金をもらうと念を押された。
当然正規の値段は金貨10枚だ。
採算が絶対にとれないと言うので私は下に降りるのを諦めたその時、地下から他の探索者パーティーが上がってきた。
「おいおい、女だらけのパーティーかよ」
下の階から5人組の粗野な男たちが現れ、私たちを見て舌舐めずりをする。
3人は人間で残りの二人は獣人だ。
「まずい、逃げるよ」
ロルカがそう言ったときにはすでに私たちの周りを男たちが固めてとうせんぼをしていた。
「おいおい、どこに行く気だよロルカさんよ」
回収屋の二人獣人がナイフを抜いて私たちの逃走経路を塞ぐ。
「ヒヒヒ、リーダー、俺あの獣人の子供もらって良いでやすか?」
人間の男がズボンの服の上から股をいじりながらこちらに来る。その手には当たり前のように剣が握られていた。
「相変わらずてめぇは幼女趣味だな。まあ良い好きにしろ俺はこの赤髪のべっぴんを相手にするからよ」
「なんなのあなたたちは」
「E級のひよッ子に名乗る名前はないが、俺の名前を叫びながらヒィヒィ言わせるために教えてやるよ。俺はC級探索者のゴンズイ様だ」
「話にならないわね、私が聞いてるのはなんで道を塞ぐのかってことよ」
「そりゃ、お前達に俺たちの下の相手をさせるためだろうが」
ゴンズイがそう言うと周りの男達は笑いながらズボンを脱ぐ。こちらに反撃する手段がないと思っているのでしょう。
実際武器を持っているのは私とロルカだけでしかも得物は短剣だ。
「こういう連中は殺しても罪に問われない?」
「罪に問われないがやめた方がいい、素直にしたがって可愛がってもらえば殺されないですむ可能性もある」
「そう分かったわ」
「へへへ、そうだよ命が惜しければ物分かりが良くないとな」
私たちの会話を聞いていた男たちが観念したと思い込んで武器をしまう。
「ファイヤーブラスト」
五本の指に火球を作りそれを男達に向かい投げつける。火球はバチバチと音を立て男達の股にぶら下がる汚いモノを粉砕した。
「っひぎゃああ」
男達は声にならない声をあげ転げ回り地面を血で汚す。
「さて、許しを乞うなら今よ」
私は再び指先に五つの火球を作る。
「ひゃ、ややめてくれ。魔が差したんだ許してくれ」
「それが許しを乞う姿?」
男達は服を脱ぐと全裸になり土下座をする。この世界では全裸土下座は”全て自分が悪かった、あなたには絶対に逆らわない”と言う意味を持つ。
「良いわ立ちなさい」
「す、すみませんでした」
頭を下げる男達に私は全力の火球を放った。
男達は一瞬で弾け飛び死んだ。
きっと自分も死んだと言うことすら分からないで死んだろう。
謝らなければジワジワ殺していただけだから謝ってよかったわねと私は誰もいない空間に言葉を投げ掛けた。
それでも、この力でも一国を倒せるとは思えない。リリーの話は誇張されているのか。それともまだ上の段階があるのか……。
両親兄弟が殺され知識が失われてしまった今の私には知るよしもない。
「それにしてもすごい魔法だね髪の色が変わるなんて始めてみたよ」
「身体強化の魔法なんだけど一度使うと、いつ元の髪色に戻るか分からないから躊躇したのよ」と言って少し時間を貰ったことにたいして嘘の言い訳をした。
しばらく魔物を狩っていると、下に降りる階段が見えてきた。
「けっこう奥に来ちゃったね。そろそろ戻った方が懸命だ」
ロルカはここは初心者が来るような場所じゃないし荷物も一杯だと自分達の背中にしょった素材を見せる。
ロルカとホォスの背負わせた素材はもう少し余裕があるように見える。
「まだ、稼ぎが少ないわ。下に降りてみましょう」
「何言ってんだい、ソロでこれだけ稼げればすごいよ。しかも今日が初仕事なんだから。それに下に降りるのは反対だ」
「地下に行けばもっと稼げるんでしょ?」
「まあ、あんたならソロでも地下二階くらいは行けるだろうけど私は付き合わないよ。ソロ狩りなんてバカのすることだからね」
ロルカはホォスの研修で低賃金でやっているだけであって、もし二階へ行くなら正規の料金をもらうと念を押された。
当然正規の値段は金貨10枚だ。
採算が絶対にとれないと言うので私は下に降りるのを諦めたその時、地下から他の探索者パーティーが上がってきた。
「おいおい、女だらけのパーティーかよ」
下の階から5人組の粗野な男たちが現れ、私たちを見て舌舐めずりをする。
3人は人間で残りの二人は獣人だ。
「まずい、逃げるよ」
ロルカがそう言ったときにはすでに私たちの周りを男たちが固めてとうせんぼをしていた。
「おいおい、どこに行く気だよロルカさんよ」
回収屋の二人獣人がナイフを抜いて私たちの逃走経路を塞ぐ。
「ヒヒヒ、リーダー、俺あの獣人の子供もらって良いでやすか?」
人間の男がズボンの服の上から股をいじりながらこちらに来る。その手には当たり前のように剣が握られていた。
「相変わらずてめぇは幼女趣味だな。まあ良い好きにしろ俺はこの赤髪のべっぴんを相手にするからよ」
「なんなのあなたたちは」
「E級のひよッ子に名乗る名前はないが、俺の名前を叫びながらヒィヒィ言わせるために教えてやるよ。俺はC級探索者のゴンズイ様だ」
「話にならないわね、私が聞いてるのはなんで道を塞ぐのかってことよ」
「そりゃ、お前達に俺たちの下の相手をさせるためだろうが」
ゴンズイがそう言うと周りの男達は笑いながらズボンを脱ぐ。こちらに反撃する手段がないと思っているのでしょう。
実際武器を持っているのは私とロルカだけでしかも得物は短剣だ。
「こういう連中は殺しても罪に問われない?」
「罪に問われないがやめた方がいい、素直にしたがって可愛がってもらえば殺されないですむ可能性もある」
「そう分かったわ」
「へへへ、そうだよ命が惜しければ物分かりが良くないとな」
私たちの会話を聞いていた男たちが観念したと思い込んで武器をしまう。
「ファイヤーブラスト」
五本の指に火球を作りそれを男達に向かい投げつける。火球はバチバチと音を立て男達の股にぶら下がる汚いモノを粉砕した。
「っひぎゃああ」
男達は声にならない声をあげ転げ回り地面を血で汚す。
「さて、許しを乞うなら今よ」
私は再び指先に五つの火球を作る。
「ひゃ、ややめてくれ。魔が差したんだ許してくれ」
「それが許しを乞う姿?」
男達は服を脱ぐと全裸になり土下座をする。この世界では全裸土下座は”全て自分が悪かった、あなたには絶対に逆らわない”と言う意味を持つ。
「良いわ立ちなさい」
「す、すみませんでした」
頭を下げる男達に私は全力の火球を放った。
男達は一瞬で弾け飛び死んだ。
きっと自分も死んだと言うことすら分からないで死んだろう。
謝らなければジワジワ殺していただけだから謝ってよかったわねと私は誰もいない空間に言葉を投げ掛けた。
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