虚構の鎖

第15章：逆転の一手

二人は再び証拠をまとめ直し、メディアに届けるための最後の準備を整える。しかし、彼らが証拠を公にする直前、驚くべきことが起こる。三上彩乃が再び登場し、二人を説得しようと試みたのだ。

三上：「あなたたちが知った真実は、あなたたちを破壊するだけだ。私のように、この情報を持っている者は何人もいる。しかし、これを世間に公開すれば、最も影響力のある者たちの命運が決して覆ることはない。」
美咲：「あなたはもうその側の人間じゃない。父の死と、大野の死、そして全ての実験に関わる誰もが犠牲になった。」
芹沢：「お前が裏切ってまで守ろうとしている力は、もう我々の手には届かない。これを暴露することが、唯一の救いだ。」

三上は言葉を発しながらも、その表情には深い苦悩が浮かんでいた。

三上：「でも、私にはもう後戻りできない。私もまた、あの実験の犠牲者の一人だ。私は記憶を操作されて、この組織に従うことを強いられてきた。」
美咲：「それなら、あなたも真実を伝えるべきだ。過去を変えるためには、全てを明らかにしないと。」

その言葉に、三上は黙り込んだ。しばらくの沈黙の後、彼女はかすかな声で答えた。

三上：「…わかった。あなたたちが最後の希望だ。」