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第5話 クラスメイトとオタク知識
しおりを挟む俺は今後のために、クラスメイト達の職業をしっかり把握しておくことにした。
俺も含めて全員の情報を整理しよう。
神代 光輝(かみしろ こうき)(俺)
職業 勇者
顔が良くて全体的にスペック高めの高校生だ。一応クラスの中心人物のうちの一人だ。実は隠れオタクをしている。家は普通の一般家庭だ。
柿崎 剛士(かきざき たけし)
職業 豪傑
俺とよくつるんでいる同じグループの男子だ。体格が良くてケンカが強い悪そうなヤツはだいたい友達な感じのヤツだ。ファッションはヒップホップ系。積極的に動いてくれるアクティブなヤツで、俺も何かと頼りにしている。頼れる仲間だ。
兄貴の真司さんが駅前でBARを経営していて、俺達もたまに行っていた。隣のカフェと提携しているので、酒以外も色々出している店だ。俺達は高校生なのでもちろんソフトドリンクのみ・・・ということになっている。
真司さんはヤーさんともつながりがある怖い人らしいが、俺らにはやさしい。真司さんのおかげで俺達は不良系のトラブルとは無縁だった。
ちなみに剛士はオタクには興味がないタイプだ。
「豪傑か。悪くねえな。」
「剛士!豪傑とは強そうじゃないか。」
「まあな。俺なら当然だ。」
よく分からんけど強そうだ。本人もまんざらでもない顔をしている。
清川 灰怒(きよかわ はいど)
職業 聖騎士
ハイドも俺とよくつるんでいる同じグループの男子だ。おしゃれなイケメンだが、元の容姿は平均ちょい下くらいのフツメンで、おしゃれを追及して自他ともに認めるイケメンにまでなったおしゃれ上級者だ。しかも細かい気配りができる男で、仲間からも好かれている。俺もファッションについてよく相談している。
それ以外にも家が金持ちで、皆で集まる時に場所を貸してくれたり、金に困ったときには金を貸してくれたり、何かとお世話になっている。
しかし昔は金持ちフツメンだったせいで、たかられたり色々嫌な思いをしたらしく、それらを跳ね返すために自分を磨きイケメンになって上位カーストまで上がってきた努力の男でもある。素直に尊敬できる。
ただそういう過去があるせいか、仲間以外には割と冷たい。オタクも嫌いなようだ。
「聖騎士とは格好良いな。ハイドに似合っている。」 俺はハイドに声をかけた。
「そうね。ハイド君にぴったりね。」 愛理も同意した。
「そうか? ちょっと恥ずかしいな。」
「格好良さなら勇者より上だろ。さすがハイドだ。」
「よせよ!」 ちょっと褒めすぎたか。照れている。
三好 亜美(みよし あみ)
職業 アイドル
俺とよくつるんでいる同じグループの女子だ。茶髪ボブカットの猫系おしゃれ女子だ。こいつは見た目もかわいいし仕草もかわいいからモテる。かわいい仕草を研究しているらしい。一時期俺と付き合っていた。オタクを隠し続けたのでフラれたが、その後も普通に友達でいてくれる良いヤツだ。
隠し事をし続けた俺が悪いが、オタクを隠し続けた一番の理由は、亜美はオタクが嫌いだからだ。言えるわけない。まあしょうがない。
しかしアイドルって何だよ。異世界にもアイドルがいるのだろうか。亜美は喜んでいるようだが。
「亜美はアイドルになりたかったりしたのか?」 聞いてみた。
「ちょ! 何言ってんのよ! そ、そんなわけないじゃない!」 何か動揺している。なりたかったようだ。
「確かに亜美ならなれそうだな。」 こいつかわいいしな。
「違うって言ってるでしょ!」 怒った仕草もかわいい。さすがだ。
「キャハハ!」「ふふふ」 ミレイと愛理も笑っている。
しかしアイドルの客はオタクなんだが・・・。オタクが嫌いなんじゃなかったのだろうか?
芦屋 ミレイ(あしや みれい)
職業 大魔導士
俺とよくつるんでいる同じグループの女子だ。赤髪ギャル系のおバカキャラだ。大魔導士はおバカキャラでも問題ないらしい。魔法を適当に連発するイメージはある意味似合っているが、危険そうだ。
それともおバカキャラを演じているだけで実は頭が良かったりするのだろうか。
よく分からないが、オタクのことは嫌いなようだ。
「アタシ魔法使えるの?ヤッター!」
「良かったね!」
「うん!」
やはりバカっぽいな。凄く不安だ。
神宮寺 愛理(しんぐうじ あいり)
職業 聖女
俺とよくつるんでいる同じグループの女子だ。清純派なしっかり者タイプで、女子のまとめ役をしたりしている。聖女のイメージにぴったりだ。
小説では勇者と並んで主役級の職業だからきっと凄い能力があるに違いない。ゾンビウイルスを治せないだろうか?
愛理はオタクとも普通に接しているが、オタクに理解があるというよりは、どちらかといえば興味ないタイプだ。
「聖女だって!」「キャー!!」 オタク女子が騒いでいる。聖女もの小説でも読んでいるのだろうか。
「聖女はちょっと荷が重いわ。」 本人は困惑ぎみだ。
「愛理なら大丈夫だよ。」 ハイドがやさしくフォローしている。
武田 賢太(たけだ けんた)
職業 賢者
クラスで一番成績が良い秀才だ。人付き合いは良くないので、上位カーストという感じではないが、クラスでは目立つ存在だ。
普通に頭が良いから賢者なんだろう。名前が賢太だからじゃないはずだ。・・・多分。
賢者も主人公クラスの職業なので、かなり強いのではないだろうか。
オタクのことは嫌いなようだ。
日野 刀子(ひの とうこ)
職業 剣聖
剣道部の女子だ。家は剣道場をやっていて、かなり強いらしい。黒髪ロングで地味な顔だがよく見ると美人だ。上級者にメイクをさせたら驚くほど美人になるだろう。メイク上級者の技術はヤバいからな。何となくそのまま地味美人でいてほしい。
オタクとかは特に気にしないタイプだ。
美樹本 早妃(みきもと さき)
職業 魔弓士
美樹本は俺達とは別の女子グループのまとめ役をしていた。もともとはバッチリメイクの気の強い女子だったが、日本でのゾンビパニックで親友のキョウコを失ったらしく今は落ち込んでいる。早く元気になってほしい。
オタクとかは特に気にしないタイプだ。
園田 瑞希(そのだ みずき)
職業 植物魔法使い
俺達とよく遊んでいた別グループの女子だ。本来は明るく元気で、頭も良いタイプだが、あゆみが死んでしまったので落ち込んでいる。あとで話し合わないといけないな。
ガーデニングをやっていると聞いたことがあるので、植物魔法使いになったのかもしれない。植物魔法は今後の展開しだいでは重要そうだ。どうにか立ち直ってほしい。
鈴木と揉めているが、もともとはオタクとかは気にしないタイプだ。
高橋 陽太(たかはし ようた)
職業 溶岩魔法使い
俺達とよく遊んでいた瑞希と同じグループの男子だ。爽やか系の軽い感じのヤツだが、なぜか溶岩魔法使いだ。マグマのような熱い思いを内に秘めていたのだろうか?
オタクを嫌っているタイプだ。
山野 雪鷹(やまの ゆきたか)
職業 氷魔法使い
俺達とよく遊んでいた瑞希と同じグループの男子だ。クール系のヤツだ。あゆみが死んだので滅茶苦茶落ち込んでいるようだ。
オタクには興味ないタイプだ。
安本 良晴(やすもと よしはる)
職業 僧侶
寺の息子だ。地味な見た目だが度胸があって何かと頼りになるヤツだ。俺達が生きているのも安本のおかげと言っても過言ではない。寺の息子だから僧侶なんだろう。
黒井 隆司(くろい たかし)
職業 盗賊
野球部の黒井だ。安本と仲が良い。盗賊なのは盗塁が得意だからか?
伊角 霧晴(いすみ きりはる)
職業 忍者
俺達とは別行動していたオタク男子だ。性格の暗いオタクなのに運動神経の良いヤツだ。忍者は驚きだ。ゾンビパニックを一人で生き抜いていたのかもしれない。
「伊角のやつ忍者かよ。」「根暗のくせにやるじゃねえか。」「すごーい。」
クラスメイトもざわついている。
恩田 哲夫(おんだ てつお)
職業 鍛冶師
俺達とは別行動していたオタク男子だ。こいつも一人で生き抜いていたらしい。状況次第だが鍛冶師は役に立ちそうだ。
さすがこういうことに詳しいオタク男子の生存率は高いな。逆にオタク女子で生き残ったのは俺達と一緒にいた3人だけだ。多分体力的な理由と好きなジャンル的な理由だろう。女子はゾンビサバイバルものとかそんなに好きじゃなさそうだしな。
有岡 優子(ありおか ゆうこ)
職業 錬金術師
俺達と一緒に行動していたオタク女子だ。さっき死にかけたが回復魔法で助かった。腐女子だ。俺と剛士を怪しい目で見てくる。まあ俺は気づいていないフリをしている。
とりあえず錬金術師は有能そうだ。いいな錬金術師。俺も錬金術師が良かった。
布袋 恋(ほてい れん)
職業 裁縫師
俺達と一緒に行動していたオタク女子だ。ぽっちゃり女子だ。衣食住系は重要だからありがたい。
蓮見 未来(はすみ みく)
職業 鑑定士
俺達と一緒に行動していたオタク女子だ。眼鏡が似合う地味かわいい子だ。鑑定士は良いな。異世界では鑑定は三種の神器のひとつだ。
「鑑定士ってなに?」「さあ?使えなさそう~」「まあ強くはないよな。」
クラスメイトが鑑定士をバカにしたようなことを言っている。ありえないだろ。マジかよ。オタク以外はそんな認識なの?
これはマズい流れかもしれない。
藤宮 建人(ふじみや たけと)
職業 大工
俺達と一緒に行動していたオタク男子だ。インドアオタクなのに大工とはアクティブな職業だな。藤宮はずんぐりした体型で大工っぽいと言えばそう見えなくもない。実は力があるのかもしれない。大工は役に立ちそうだな。
「大工って・・・」「家建てて戦いに勝てるかよ。」「やっぱりオタクは使えないわ。」
え? 一般人的には大工もダメ? スキルで家建てたり砦建てたりできたら凄そうだと思うんだが。
流れを変えるために一応発言しておこう。
「いや大工は良いだろう。状況次第ではかなり役に立つんじゃないか?」
「はあ? 光輝何言ってんだ?」 ハイドが言ってきた。
「いや戦いのための拠点づくりは重要じゃないか?」
「うーん。言われてみればそうか?」「どうかしら?」
とりあえず流れが多少変わっただろう。
稲田 太志(いなだ ふとし)
職業 調理師
俺達と一緒に行動していたオタク男子だ。ぶっちゃけデブだが料理ができるタイプだったらしい。調理師はマジ生命線だと思う。異世界の料理には期待できないからな。こいつがいないと日本人には辛いだろう。
「調理師とか終わってんな。」「店でバイトしてろよ。」「マジうけるー」
は? 何言ってんの?
「え? お前らマジかよ?」 俺は思わず言った。
「あん? どうした光輝。さっきからおかしいぞ。」 剛士が聞いてきた。
「いやいや。調理師をバカにするとかありえないって。和食とかカレーとかラーメンとか異世界で食えるわけないんだから超重要だって。異世界の食事が口にあわなかったら辛いぞ。」
「・・・確かに。」「もしかしてハンバーグも餃子も食えなくなるかもしれないのか?」「ケーキとかチョコとかあるかな・・・」「光輝君意外と分かってるんだな。」
皆ことの重大性に気づいたようだ。まあオタク連中は最初から気づいていたが。
最後は鈴木だな。瑞希に責められて落ち込んでいたから最後になったのかな。
鈴木 麟太郎(すずき りんたろう)
職業 運搬人
オタク男子の鈴木だ。小柄で体力がなさそうなタイプだが、運搬人だ。日本語だと微妙だがポーターのことだな。もしかして三種の神器のひとつアイテムボックスかもしれない。超重要だ。
「運搬人って何?」「荷物運びのことじゃね?」「何それ。」「パシリってことか?」「さすがにこいつは役に立たないだろ。」「あゆみを見捨てた野郎だし、追い出した方が良いんじゃねえの?」
ヤバい!こいつら全然わかってない!どうする!
もしかして鈴木が主人公なんじゃないか? 名前もそれっぽい。追放したら勇者の俺がざまぁされてしまう!
そうじゃなくてもアイテムボックスが有るか無いかで、生活レベルや生存難易度が大きく変わってしまうぞ!
手遅れになる前に早く何とかしないと!
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