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川崎先生は面目無い気持ちでいっぱい。
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本当だったらプライバシーを考えて必要なら個人個人にと思っていたがこの状況からすると危機感を持たせるために話してしまったほうが良いだろうと判断した。
ただし、この話をすることによって川崎先生が非常に居た堪れない思いをするかもしれないが……。
「さて、今回の事はこちら側の失敗でもあると思っています。こちらの風習……保護者の制度は来た当初の私も驚きましたし信じるのに時間がかかった覚えがあります。私の時もそうですがグループで来るのはあまり例が無いのです。大抵が2人、3人で来るか当初の様に数十人単位で渡って来ていたので5人グループという人数が油断をうみやすい事を失念していました。」
今回の事でこの5人をバラバラにして1人、2人、2人の組み合わせにとも思ったがここまで支え合ったのを崩すのは悪手に思えた。それでなくとも本当ならリーダーとなるべき人が一番最初にやらかして妊娠という結果で抜けたのだ…心のケアなどの意味でももうこのまま成長させるしか無いだろう。
「皆の今回の失敗は知らないうちに保護者を信頼しすぎていた事、危険を知らない事だと思う。」
勿論、保護者を信頼できなくてはここでの生活は成り立たない。だから信頼をするのは良いのだ。だが、それがどういう類の想いなのか自覚をする必要がある。尊敬や憧れといった自分がこうなりたいと目指す対象とする想いなのか、自分の全てを預け一生を共にという想いなのか……自分を知るべきだ。
「皆は不思議に思ったことはないか?あの山小屋に迎えに来たときのことを。何故か誰がいつ来るのか、そしてその保護者までも決めてやって来る事を。」
特に秘密にされているわけではないのだが結構皆知らない事だ。なんでいきなりこんな質問をされたのかと顔で訴えるジュンとナオを見てつい笑いが出る。この2人はいつだって言葉より先に表情で答えるのだ。
「『先読み』とか『星読み』とかいうスキルがあるそうだ。それらによって解るのだそうだが、遥か昔に現れた『星読みの賢人』という人によって、いつどういう人間が何人現れると予言されていたそうだ。実際、今の私達もその予言で向かえに来てもらっている。
この予言には保護者の事も出てきていて保護者達は幼い頃からそうなりたいと努力を重ねるそうだ。」
ぶっちゃけていえば超絶推しのダーリンはこういう人と決められているからそれになった。という事だ。まぁそれだけ愛情も深いと……。
ん?ジュン?ナオ?お前等その嬉しそうな顔はなんだ?
「愛が重い とか思わないのか?」
つい聞いてしまったが2人はちょっと照れながらも
「え~、嬉しいだけですよ~」
「いや~、照れるけど最高~」
2人で顔を合わせて『ね~。』と仲良く相槌をうつ。
うーむ、この2人……別で考えた方が良いかもしれん。
ただし、この話をすることによって川崎先生が非常に居た堪れない思いをするかもしれないが……。
「さて、今回の事はこちら側の失敗でもあると思っています。こちらの風習……保護者の制度は来た当初の私も驚きましたし信じるのに時間がかかった覚えがあります。私の時もそうですがグループで来るのはあまり例が無いのです。大抵が2人、3人で来るか当初の様に数十人単位で渡って来ていたので5人グループという人数が油断をうみやすい事を失念していました。」
今回の事でこの5人をバラバラにして1人、2人、2人の組み合わせにとも思ったがここまで支え合ったのを崩すのは悪手に思えた。それでなくとも本当ならリーダーとなるべき人が一番最初にやらかして妊娠という結果で抜けたのだ…心のケアなどの意味でももうこのまま成長させるしか無いだろう。
「皆の今回の失敗は知らないうちに保護者を信頼しすぎていた事、危険を知らない事だと思う。」
勿論、保護者を信頼できなくてはここでの生活は成り立たない。だから信頼をするのは良いのだ。だが、それがどういう類の想いなのか自覚をする必要がある。尊敬や憧れといった自分がこうなりたいと目指す対象とする想いなのか、自分の全てを預け一生を共にという想いなのか……自分を知るべきだ。
「皆は不思議に思ったことはないか?あの山小屋に迎えに来たときのことを。何故か誰がいつ来るのか、そしてその保護者までも決めてやって来る事を。」
特に秘密にされているわけではないのだが結構皆知らない事だ。なんでいきなりこんな質問をされたのかと顔で訴えるジュンとナオを見てつい笑いが出る。この2人はいつだって言葉より先に表情で答えるのだ。
「『先読み』とか『星読み』とかいうスキルがあるそうだ。それらによって解るのだそうだが、遥か昔に現れた『星読みの賢人』という人によって、いつどういう人間が何人現れると予言されていたそうだ。実際、今の私達もその予言で向かえに来てもらっている。
この予言には保護者の事も出てきていて保護者達は幼い頃からそうなりたいと努力を重ねるそうだ。」
ぶっちゃけていえば超絶推しのダーリンはこういう人と決められているからそれになった。という事だ。まぁそれだけ愛情も深いと……。
ん?ジュン?ナオ?お前等その嬉しそうな顔はなんだ?
「愛が重い とか思わないのか?」
つい聞いてしまったが2人はちょっと照れながらも
「え~、嬉しいだけですよ~」
「いや~、照れるけど最高~」
2人で顔を合わせて『ね~。』と仲良く相槌をうつ。
うーむ、この2人……別で考えた方が良いかもしれん。
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