集団転移ですよ。

白いモフモフ

文字の大きさ
上 下
74 / 91

川崎先生は面目無い気持ちでいっぱい。

しおりを挟む
 本当だったらプライバシーを考えて必要なら個人個人にと思っていたがこの状況からすると危機感を持たせるために話してしまったほうが良いだろうと判断した。
 ただし、この話をすることによって川崎先生が非常に居た堪れない思いをするかもしれないが……。

 「さて、今回の事はこちら側の失敗でもあると思っています。こちらの風習……保護者の制度は来た当初の私も驚きましたし信じるのに時間がかかった覚えがあります。私の時もそうですがグループで来るのはあまり例が無いのです。大抵が2人、3人で来るか当初の様に数十人単位で渡って来ていたので5人グループという人数が油断をうみやすい事を失念していました。」

 今回の事でこの5人をバラバラにして1人、2人、2人の組み合わせにとも思ったがここまで支え合ったのを崩すのは悪手に思えた。それでなくとも本当ならリーダーとなるべき人が一番最初にやらかして妊娠という結果で抜けたのだ…心のケアなどの意味でももうこのまま成長させるしか無いだろう。

 「皆の今回の失敗は知らないうちに保護者を信頼しすぎていた事、危険を知らない事だと思う。」

 勿論、保護者を信頼できなくてはここでの生活は成り立たない。だから信頼をするのは良いのだ。だが、それがどういう類の想いなのか自覚をする必要がある。尊敬や憧れといった自分がこうなりたいと目指す対象とする想いなのか、自分の全てを預け一生を共にという想いなのか……自分を知るべきだ。

 「皆は不思議に思ったことはないか?あの山小屋に迎えに来たときのことを。何故か誰がいつ来るのか、そしてその保護者までも決めてやって来る事を。」

 特に秘密にされているわけではないのだが結構皆知らない事だ。なんでいきなりこんな質問をされたのかと顔で訴えるジュンとナオを見てつい笑いが出る。この2人はいつだって言葉より先に表情で答えるのだ。

 「『先読み』とか『星読み』とかいうスキルがあるそうだ。それらによって解るのだそうだが、遥か昔に現れた『星読みの賢人』という人によって、いつどういう人間が何人現れると予言されていたそうだ。実際、今の私達もその予言で向かえに来てもらっている。
 この予言には保護者の事も出てきていて保護者達は幼い頃からそうなりたいと努力を重ねるそうだ。」

 ぶっちゃけていえば超絶推しのダーリンはこういう人と決められているからそれになった。という事だ。まぁそれだけ愛情も深いと……。
 ん?ジュン?ナオ?お前等その嬉しそうな顔はなんだ?

 「愛が重い とか思わないのか?」

 つい聞いてしまったが2人はちょっと照れながらも
「え~、嬉しいだけですよ~」
「いや~、照れるけど最高~」

 2人で顔を合わせて『ね~。』と仲良く相槌をうつ。
うーむ、この2人……別で考えた方が良いかもしれん。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)

ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。 そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。

騎士が花嫁

Kyrie
BL
めでたい結婚式。 花婿は俺。 花嫁は敵国の騎士様。 どうなる、俺? * 他サイトにも掲載。

女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?

青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。 そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。 そんなユヅキの逆ハーレムのお話。

平凡な男子高校生が、素敵な、ある意味必然的な運命をつかむお話。

しゅ
BL
平凡な男子高校生が、非凡な男子高校生にベタベタで甘々に可愛がられて、ただただ幸せになる話です。 基本主人公目線で進行しますが、1部友人達の目線になることがあります。 一部ファンタジー。基本ありきたりな話です。 それでも宜しければどうぞ。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

その男、有能につき……

大和撫子
BL
 俺はその日最高に落ち込んでいた。このまま死んで異世界に転生。チート能力を手に入れて最高にリア充な人生を……なんてことが現実に起こる筈もなく。奇しくもその日は俺の二十歳の誕生日だった。初めて飲む酒はヤケ酒で。簡単に酒に呑まれちまった俺はフラフラと渋谷の繁華街を彷徨い歩いた。ふと気づいたら、全く知らない路地(?)に立っていたんだ。そうだな、辺りの建物や雰囲気でいったら……ビクトリア調時代風? て、まさかなぁ。俺、さっきいつもの道を歩いていた筈だよな? どこだよ、ここ。酔いつぶれて寝ちまったのか? 「君、どうかしたのかい?」  その時、背後にフルートみたいに澄んだ柔らかい声が響いた。突然、そう話しかけてくる声に振り向いた。そこにいたのは……。  黄金の髪、真珠の肌、ピンクサファイアの唇、そして光の加減によって深紅からロイヤルブルーに変化する瞳を持った、まるで全身が宝石で出来ているような超絶美形男子だった。えーと、確か電気の光と太陽光で色が変わって見える宝石、あったような……。後で聞いたら、そんな風に光によって赤から青に変化する宝石は『ベキリーブルーガーネット』と言うらしい。何でも、翠から赤に変化するアレキサンドライトよりも非常に希少な代物だそうだ。  彼は|Radius《ラディウス》~ラテン語で「光源」の意味を持つ、|Eternal《エターナル》王家の次男らしい。何だか分からない内に彼に気に入られた俺は、エターナル王家第二王子の専属侍従として仕える事になっちまったんだ! しかもゆくゆくは執事になって欲しいんだとか。  だけど彼は第二王子。専属についている秘書を始め護衛役や美容師、マッサージ師などなど。数多く王子と密に接する男たちは沢山いる。そんな訳で、まずは見習いから、と彼らの指導のもと、仕事を覚えていく訳だけど……。皆、王子の寵愛を独占しようと日々蹴落としあって熾烈な争いは日常茶飯事だった。そんな中、得体の知れない俺が王子直々で専属侍従にする、なんていうもんだから、そいつらから様々な嫌がらせを受けたりするようになっちまって。それは日増しにエスカレートしていく。  大丈夫か? こんな「ムササビの五能」な俺……果たしてこのまま皇子の寵愛を受け続ける事が出来るんだろうか?  更には、第一王子も登場。まるで第二王子に対抗するかのように俺を引き抜こうとしてみたり、波乱の予感しかしない。どうなる? 俺?!

帰宅

papiko
BL
遊んでばかりいた養子の長男と実子の双子の次男たち。 双子を庇い、拐われた長男のその後のおはなし。 書きたいところだけ書いた。作者が読みたいだけです。

処理中です...