集団転移ですよ。

驚きです。

　部屋にナオがカレーのお礼に来てくれた。

「あ、それからね～川崎先生ったら妊娠したらしいよ？」

　ついでの情報に僕は笑いがひきつってしまった。

「笑えるよねぇ～、からかった筈が正まさに自分だったとか……ｳｹる。」

　まぁね。しかし……妊娠するような事、しっかりやってたんだ先生。あれ？先生のお相手ってどんな人だっけ？

「んー、先生のお相手は……明るい陽気なひと？ほら狼種の？」

　ああ、思い出した。この間ウルに連れていってもらったギルドでウルと話していた人だ。確か名前は……何だっけ？
　あ、でもスッゴいお調子者で歓迎会で腹踊りしたのは覚えてる。最後はフル◯ンになっててソコのあまりの大きさに引いた覚えが……。

「ああ、ね。凄かったよね。大きさといい太さといい……先生､酔ってアレを『羨まけしからん』ってペシペシ叩いてたよね。」

　あー、逆算するとやっぱりあの日辺りでヤったんだ。なんか歓迎会の流れカオスだったもんね。

「うん。ジュンは僕よりも先に寝ちゃったもんね。僕も早かった方だけどお開き直前辺りはアレの自慢大会まであったらしいってあの1年の3人が言ってた。」

　ホントに勘弁してほしい。あんな凄いものの自慢大会って……僕、泣くよ？

「今度先生に会ったら“おめでとう”って言わなきゃね？……めでたいのかな？」

「……うーん、わかった直後にお相手のところに怒鳴り込みに行ったらしいけど？」

　……まぁ気持ちはわかる。でも怒鳴り込みってダメでしょ。

「大声でお相手の家の玄関先で、『ちゃんとゴム付けろって言っただろう！』って言ってたらしいけどさ、ゴム無いじゃん？知らないのに適当に相づちうたれたんだろうね。」

「そっかぁ、ゴム無いんだよなぁ。この世界どうやって避妊してるんだろ？」

　僕もナオも対象なんだからちゃんと知っておかないと。気づいたら……なんて洒落にもならないよ。しかし先生これから本当にどうするんだろうか？




　「あ？産むに決まってるじゃん。」

　お行儀悪いよ先生。椅子の上で胡座あぐらかいたりしちゃ駄目だよ。危ないじゃん。

　翌朝、食堂にいたら先生から声をかけてきた。直球で「妊娠おめでとうって言っていい？」って聞いたら「おぅ！祝え！」と言われたのでお味噌汁で祝杯をあげたところだ。
　で、お腹の子どうするのかと聞いたら潔いお答えだった。でもそうだよね、この世界の外科手術のレベル知らないけど絶対危なさそう。だったら産んだほうが安全なのかもってつい思っちゃった。

「いやさぁ～、オレ子供好きなのよ。実は保育士の免許もあるんだわ。」

　驚きの発言です。本当は保育園で働きたかったらしいのだが、応募に外れてしまい非常勤講師で僕らの高校に来たというのだ。

　まぁこっちでは男でも出産は当たり前の事なので本人に産むという選択に迷いがなければ普通のことなので心配ない。……か？