集団転移ですよ。

白いモフモフ

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到着後はやっぱりコレ

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 さて、僕らの記念すべき?第一日目。やるべき事はなんでしょう。そぅ、住む場所の確認です。
 この街の中心から北側にある行政区画の一角に東京駅がある。いや、本当は東京駅の外見をした僕らの暮らす施設なんだけど。明らかに誰かがやらかしのは確かだ。ボソッと誰かが呟いた「なぜ東京駅」という突っ込みは恒例になってるらしく僕らを連れてきたウルフさんが『本当に皆そう言うんだな』と感心していた。

 東京駅……違った…施設の中は木の風合いで落ち着いた感じだ。良かった。これでゴシック建築みたいに石作りの内装だったりしたら馴染みにくいからね。先ずは玄関ホールが一階の中心にあり左右に別れて施設があるらしい。生活する部屋があるのは右側で食堂や図書室、会議室なんかは左側にあるらしい。そして、なんと大浴場もあるとか!しかも内湯3つに露天付きだとか。聞いた瞬間僕らの目は輝いたよ。

「そうだね。先ずはお風呂入ってご飯食べて眠って……それから色々と話そうね。」

 早瀬君の提案はすぐさま受け入れられお風呂に直行することになった。皆ここまでの道のりで汚れがひどいからね。

「あ、ジュン君とナオ君はそっちじゃないよ。」

え?と思う間もなく引っ張られて行ったのは皆の入る扉のもう1つ奥の扉だ。僕もこっちだからと早瀬君も来たからなんとなく予想はついたけど一応聞いてみる。

「なんで3人だけこっち?」

「言ったでしょ?女性扱いだって。」

 分かって聞いてるでしょ?とにこやかに答えてくれたけど、僕らの心中は“決定なんだね”という複雑なものだった。

「わぁあ~、すごーい!」

 一足先に入ったナオの感嘆な声に僕の興味が向く。すぐにバシャッバシャッとお湯の音が聞こえてきて僕も慌てて服を脱いだ。
……確かにこんな貧弱な体を先生たちに見せなくてすんだのは助かったかも?あの4人は鍛えてるみたいだからなぁ。

 手前の小さめの湯溜まりから桶で湯をすくって軽く汚れを落とす。移動して体を洗うところで気がついた。僕たちの着替えとかは?あの汚れた洋服をもう一回着るのは抵抗がある。

「着替えは僕らが上がる頃には用意できてるよ。ここに着いたら皆、真っ先にお風呂に来るからちゃんと用意してくれるんだ。」

 早瀬君の時もそうだったらしい。
頭から順に洗っていくとさっぱりとして気持ちいい。熱めの湯に浸かって手足を伸ばすとリラックスしたせいか眠気がしてきた。早瀬君に揺すられて目を開けるとナオも同じだったらしく寝ちゃう前にとお風呂から連れ出された。着替えもウトウトしながら着替え、外のソファーに座ると僕の我慢は限界だったらしく意識は暗転した。

 ポカポカと暖かくてフワフワと気持ちよくて、幸せな気分で目覚めると、大きいベッドに寝かされていた。目が覚めたけど、肌触りの心地よさに寝具になついているとかすかに笑い声が聞こえてきた。気になって起きると僕は裾の長いワンピースのようなグレーの服を着ている。微かに風呂あがりに着た記憶がよみがえった。ベッド脇に置かれていたスリッパを履いて声のする扉を開ける。ホテルの豪華な部屋にあるような猫足のテーブルセットとソファーには誰も居ない。あれ?と思ってると先程よりも大きい声が違う扉から聞こえた。
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