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1話 三撃必殺

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「君には異世界へ行ってもらいまーす。ということで、このカードの中から一枚引いて。これが、君が使えるスキルね。」

「おいおい、待て待て。話が見えてこないけど、どういうこと?それで、あんた誰?」


 俺の名前は川田かわた 清正きよまさ、ちょっと強気で夢見がちな高校三年生。そして、そんな俺は確か部屋で漫画を見ていたはず……けど、気づいたら花畑のど真ん中で変な子どもとお茶会開いてるじゃん!!なにこれ!


「あ、自己紹介終わった?あと、僕は変な子どもじゃなくて、創造神のだよ、よろしくね。」

「心の中読んでんじゃねぇよ!!てか、情報量多すぎだよ!!」

「あー、君ってもしかして異世界系のラノベとか読まない人?大体、ここまで来れば話が早いはずなんだけどなぁ。」

「異世界系?あー、なんかあれだろ、違う世界にいってすげぇ力でぐわーってやつ。」

「そうそう、それだよ。君にもそのぐわーってやつやってもらうから、早くこのカード引いてくれないかな?」


 テトは手に5枚のカードを持っていて、清正に引かせようとしている。


「これで引いたやつが俺が異世界での力になるってことか。」

「そうそう、ようやく話が進んだ。今回は特別セールで全部すごいだから、安心してよ。」

「スキル?」

「うん、スキル。あー君は本当に見てないんだね。スキルってのは要はとかとかって思ってもらえたらいいよ。」

「なるほどな、じゃあ、引くぞ。」


  清正は5枚のカードのど真ん中を引いた。


「これは、使い方によっては強いかもね。」

「ん?『三撃必殺』、えーと、3回の攻撃を当てることによって、絶命させられるスキル………めちゃくちゃ強いじゃねぇか!!」

「まあ、確かに感じるよね。」

「なんだよ、その含みがありそうなのは……。」

「確かに強いんだけど、3回も攻撃を当てれるかって話だよね。例えば、触れるだけで後遺症が残る毒を持った魔物とか、近づくだけで消滅する魔王とか、半径数mに入っただけで切ってくる剣士とかがいる世界だよ?3回も攻撃できるかな?」

「今からって時に怖いこと言うなよ……。」

「ごめんごめん。でも、まあ強いことは間違いないよ。」


 テトは少し清正をフォローした。


「でも、待ってくれ、俺はこのスキルを持ったってことは必然的に何かと戦わなければいけないのか?」

「まあ、そうだなぁ、普通に過ごせばいいと思うけどね。君がこれからいく世界は「ローグ」っていう惑星なんだけど、この世界はバランスが崩れやすくて、その均衡を保つために他の世界からの要素をたすんだよ。だから、君がこの世界に行った時点で君の役目は終わり。後は好きに生きればいいと思うよ。」


 ローグは神界で最初の方に創られた世界であり、時折、不備が起こる世界線なのだという。


「そうなのか。もしかして、もう地球には戻れないのか?」

「あー、戻ろうと思ったら戻れるよ。かなり大変だけどね。でも、安心して。世界線を跨ぐ時は時間経過が反映されないから、ローグで100年経っても君が戻っても、地球では1秒も経ってないから。」


 テトはその後続けて言った。


「ちょっと、お喋りしすぎたね。とりあえず、君にはこの世界を楽しんで欲しいからね。頑張っていってらっしゃい!!」

「あ、ちょっと展開早いな待t」


シュンッ


「あー、ごめんね清正。」
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