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4話 錬金王
しおりを挟む優秀な部下(仮)への仕事を割り振り、俺は今「錬金術」についての可能性を突き詰めている。
「錬金術で宝石を作り出すことは可能か?」
「理論上は可能です。ですが、支払う対価が大きくなければならないので、あまり利益にはならないかと……。」
「だが、陣法の精度と魔力を詰め込めばとうだ?」
「それが、錬金術の陣法については初代錬金王と呼ばれるキム・ホウキが作ったものが主流であまり発展していないのです……というか、法則が定かじゃないんですよ。」
つまり、初代錬金王様が作った陣法以外ではあまり上手くいかないし、そもそも錬金が不可能って事か。
「陣法を見せてもらっていいか?」
ガサッ
「どうぞ。」
レンは指輪から陣法が描かれた紙を取り出した。
「その指輪っていうのは収納魔法が付与されているのか?」
「収納魔法?いえ、これは錬金術の一種でこの指輪に陣法が彫られており、この指輪から錬金術を行ってその紙を出したのです。」
「魔力はどうしてるんだ?」
「この指輪には鉱石がはめ込まれており、この鉱石は空気中に存在する魔素を取り込んで貯めることができ、それを使用しています。」
「その鉱石は沢山取れるのか?」
「まあ、そこそこ取れますけど、あまり魔素の吸収がよくないので、陛下が思ってる使い方は出来ないかと……。」
「いや、大丈夫だ。ふっふっふ…………。」
空人は悪そうな顔をして不気味な笑みを浮かべた。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「陛下、本当によろしいのですか?」
「あぁ、構わない。」
今、俺の目の前には沢山の国宝がある。そう、先代らが民から取った税で蓄えていた宝(無駄なもの)である。
そして、今俺はこれらを売ろうとしている。
「これらを売るとどれくらいだ。そうですね、全てとなると白金貨2000枚になると思われます。しかし、手続きなどもあるので、一週間以内に換金出来るので言うと白金貨100枚程度でしょうか。」
白金貨が1枚、日本円にして1000万円だから、リグルムは一瞬にして10億円の国家予算が出来たわけだ。しかし、10億円は国を動かすには少ない。だから、所詮はその場しのぎだ。
コンコン
2人が話している王室に誰かが尋ねてきた。
「陛下、ご報告があります。」
「おぉ、マルクか。」
「任されていた全ての計算が終わったとともに税収を中抜きしているものを見つけました。」
「よくやった。」
俺は予想していた。恐らく、内部にアンチ政府をしているやつがいくらか要ることに。そして、これは俺にとってとても都合がいい。
「レオンハルト、キースを呼んでこい。」
「かしこまりました。」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈10分後┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「なんでしょうか、陛下。」
「このリストに書いてあるものを全て捕まえろ。命は取るな、話が出来るくらいの状態で俺の前に連れてこい。国外逃亡の場合も同様だ。」
「国外に逃げられては追うのは少し難しいですかねぇ…。」
「でも、お前なら出来るんだろ?」
「ははは、やはり陛下は面白いですね。本当に知っているのか、カマをかけているのか分かりませんが、今回は黙って言うことを聞いておきましょう。お任せ下さい、3日以内に全員を連れまいります。」
キースは笑いながら王室を後にした。
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