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2話 語り人
しおりを挟む「なるほどのぉ、レオはアンノウンでありながらも語り人だったのじゃな。それに、話を聞く限り共鳴率もかなり高いのじゃろう。」
語り人とは、前世の人の記憶が語り継がれるかのように頭の中に入ってくることから由来している。前世との性格が一致していればしているほど、共鳴率が高くなり、まるで自分が過ごしたことのあるかのように記憶が鮮明に残る。
「つまり、【課金】というのは、そのあーるぴーじーとやらで行われていた行為でお金を使うことによって、操作している人物を強化など出来るということじゃな?」
「はい。」
「ということはお金を使えばお主の能力が上がるということなのじゃろう。」
そういってギギルギダは棚からお金を持ってきて、レオに渡した。
「ほれ、使ってみよ。」
「わかりました。」
レオはお金を手にした。そして、当たり前のように頭の中で唱えた。
「(体力、速度上昇。)」
そう唱えるとレオの手からお金が消えた。
「ほぉ、これは本当にスキルが発動しておるのぉ!!!」
ギギルギダは興奮していた。
「これは、どうやったのじゃ!!」
こうして、ギギルギダはレオと夜になるまで研究をし続けていた。というより、ギギルギダの好奇心にレオは付き合わされていた。
「なるほどのぉ。能力値の上がり幅には法則があったのじゃな。10までは1上がるのに500リコル、11~20までは800リコル、レベルを上げるためには1レベル事に1.3倍されるということかのぉ。」
ギギルギダのスキルは【心眼】といって、みた相手の情報を見ることが出来、能力値を数値化させ、具体的に相手の情報を知ることが出来るというスキルだ。
このスキルは準神恩恵の1つとされており、神が直々に作った世の理に近づくためのスキルと言われている程に珍しく強力なスキルである。
「今のレオの能力はこんなもんじゃ。」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
Lv.19
体力:101
攻撃:51
防御:51
速度:71
運 :41
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
「15歳の平均能力は運以外は30程度で運なら20程度じゃな。つまりは主はかなり強い。言うなれば20代前半くらいの強さはもっている。レベルに関しても平均レベルは年齢の数とされているから、言わば神童と呼ばれるほどじゃな。」
ギギルギダはレオの研究をするためにかなりのお金を使い、レオのレベルや能力値を上げた。その数トータルにして200程である。
単純計算で家に来た時より倍以上は強くなっているということだ。
「さすがにやりすぎたかのぉ。」
「ギギルギダさん、いつか今日使っていただいたお金は返します!本当にありがとうございました!!」
「わしは好きに研究をしたまでじゃ。礼を言われる筋合いはないのぉ。もう暗い、早く帰るのじゃ。」
レオは家を出た時よりも遥かに希望を持った顔で家へと帰った。
「父さん、母さん、ただいま!!!」
「あんた!こんな時間まで何やってたの!!」
ミヤにきつく怒られた。
「母さん!俺、勇者になるよ!!」
レオは今日起こったことを全て2人に話した。
「なるほど、それはギギルギダさんには後でお礼に行かなきゃな。」
「そうね、それはちゃんと行きましょ。それにしてもこの子にそんな力があったなんて……。」
「レオ、本当に勇者を目指すんだな?」
「うん!!」
「それなら…………」
ギルはレオに次世代の勇者を育成するための学校への入学を勧めた。
「話を聞くにお前はもう同世代よりは強くなっている。それにまだ強くなれるだろう。そのためにはしっかりと学んで真っ当に勇者を目指せ!」
「わかったよ。」
とは言ったものの学校に行くには入学費やら授業料、レオの個別の生活費などで大変だった。
しかし、ギルには唯一のコネがあった。
「なるほど、あのアンノウンのレオくんのスキルが分かったということですか。それにしても、かなりお金がかかる力ですね。ふふっ。」
「それで、あいつは入れそうか?」
「任せてください。その話が本当ならば私が推薦して特待生として迎え入れましょう。」
「それは助かる……。」
レオは後日、父から「入学できる」という事だけを聞いて、入学の日までギギルギダの所へと足を運んでいた。
「なるほどのぉ、勇者育成学校か。確かにあそこに行けば強くなれそうじゃな。」
「今のうちにやっておくことは何かありませんかね?」
「とりあえず在学中は臨時の傭兵登録をしておくといいじゃろうな。」
「傭兵登録?」
傭兵登録とは、傭兵として登録する傭兵登録機関に登録しておくことによって、常に仕える必要はなく、依頼を選び自らの好きな依頼を受け兵士として参加することのできる制度である。
「あぁ、あそこで金と繋がりと経験を積んでおくのがいいじゃろう。」
「わかりました!」
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