上 下
5 / 5

闇に誘われる悪役王子

しおりを挟む



「っていう感じでジークは処分が下されることになって、処分が下されるまでは部屋で軟禁状態だって。」

「なるほど、それはジーク様も大胆なことしましたね。」


 私はギルサンダーを自らの領地へと招待し、これからの作戦についてを私の部屋で考えている。「私のことをよくしてくれたから、是非恩返しをしたい」という口実で父を口説き、ジルベール家に許可をもらい来てもらった。



「とりあえず、ジーク様はまだシーナ嬢に恨みを持っているみたいですね。これは、もう他のとこに嫁ぐか亡命するとかの類だと俺の勘は言ってますよ。」

「そこまで大事になるわけ……いや、なりそうかも……。あの腹黒王子なら全然有り得るわね。」

「というか、思ってたんですけど、ジーク様って王子じゃないですよね?なんで王子って言ってるんですか?」

「あー、これは私の世界の文化だから…。かっこいい人を見ると王子って呼んだりするのよ。」

「へぇ、そうなんですね。でも、他のところではやめた方がいいですよ。シーナ嬢の正体が怪しまれるかもしれませんから。」


 美月はギルサンダーに言われ気づいた。自分がこの世界のであることに。
 これから先、ジークの件以外でも身から出た錆によって、自分の首を閉めてしまう可能性を。


「ジーク様は慎重ですので、刑によりますけど、懲役刑なのか禁固刑、あるいは罰金刑なのかわかりませんが、自由の身になってから1ヶ月くらいは時間がありますので、それまでに磐石な体制を整えるってのはどうですか?」

「私の予想もそんな感じだわ。彼は恐らく、私に必ず復讐してくると思うの。そして、あなたが言ったように自由の身になってから1ほどで行動を起こすと思う。」


 悪禁でも彼は慎重だが、感情に身を任せて行動する部分もあるっていうキャラクター設定だったから、愛するリサを傷つけられ、自分のプライドも汚されたから、必ず復讐してくる。




┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「ほっほっほ、伯爵家の子息がなんと無様な姿に。」

「誰だ、貴様!」

「私はしがない魔術師でございますよ。負のオーラを感じたので馳せ参じた次第でございます。」

 自室で軟禁されているジークの元に黒いローブを来た魔術師と名乗る老人が現れた。

「あなた、あのシーナ=イライザを恨んでいるのでは無いでしょうか?私なら、あの娘をことも出来ましょう。」

「恨んでいるが、貴様の力は借りない。貴様こそ、殺されたくなければこの場をさっさと去れ。二度は言わぬぞ。」

「噂には聞いておりましたよ、ジーク殿。文武両道だが、傲慢でプライドの塊と。しかし、貴方じゃシーナ=イライザは殺せない。貴方は彼女に全てのだから。」

「貴様、何を言っているんだ!!」

「ほっほっほ、まあいいです。どうせ、私の力を欲する時があなたにくるでしょう。」


コンコンコン


「ジーク様、リサです。お声がしたようですが、どうかなさいましたか?」

「いや、なんでもない。心配をかけたな、リサ。」


 ジークがドアの向こうにいるリサに向かって目線を逸らした後に魔術師のいた方向を見直すと、既に魔術師はいなくなっていた。


「なんだったんだ、あいつは。」
しおりを挟む

この作品の感想を投稿する

あなたにおすすめの小説

愛娘(JS5)とのエッチな習慣に俺の我慢は限界

レディX
恋愛
娘の美奈は(JS5)本当に可愛い。そしてファザコンだと思う。 毎朝毎晩のトイレに一緒に入り、 お風呂の後には乾燥肌の娘の体に保湿クリームを塗ってあげる。特にお尻とお股には念入りに。ここ最近はバックからお尻の肉を鷲掴みにしてお尻の穴もオマンコの穴もオシッコ穴も丸見えにして閉じたり開いたり。 そうしてたらお股からクチュクチュ水音がするようになってきた。 お風呂上がりのいい匂いと共にさっきしたばかりのオシッコの匂い、そこに別の濃厚な匂いが漂うようになってきている。 でも俺は娘にイタズラしまくってるくせに最後の一線だけは超えない事を自分に誓っていた。 でも大丈夫かなぁ。頑張れ、俺の理性。

【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。

白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。

悪役令嬢は王太子の妻~毎日溺愛と狂愛の狭間で~

一ノ瀬 彩音
恋愛
悪役令嬢は王太子の妻になると毎日溺愛と狂愛を捧げられ、 快楽漬けの日々を過ごすことになる! そしてその快感が忘れられなくなった彼女は自ら夫を求めるようになり……!? ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

初めてのパーティプレイで魔導師様と修道士様に昼も夜も教え込まれる話

トリイチ
恋愛
新人魔法使いのエルフ娘、ミア。冒険者が集まる酒場で出会った魔導師ライデットと修道士ゼノスのパーティに誘われ加入することに。 ベテランのふたりに付いていくだけで精いっぱいのミアだったが、夜宿屋で高額の報酬を貰い喜びつつも戸惑う。 自分にはふたりに何のメリットなくも恩も返せてないと。 そんな時ゼノスから告げられる。 「…あるよ。ミアちゃんが俺たちに出来ること――」 pixiv、ムーンライトノベルズ、Fantia(続編有)にも投稿しております。 【https://fantia.jp/fanclubs/501495】

【R18】悪役令嬢ですがヒロイン?に拉致監禁されました

たかはし
恋愛
突然ですが私は今、ヒロインの屋敷にいます。ベッドに手を拘束されて。 犯人は目の前にいるヒロイン、アビゲイルさんです。まあそこまではいいでしょう。全然良くないけど。悪役令嬢がヒロインに誘拐されるシナリオなんかなかったし! でもどうして私アビゲイルさんに押し倒されてるんですか?ヒッ太ももを撫でまわすのは止めてくださいっ私GLには興味ないんです! え?なに?硬くて熱いのが当たってる………え?貴女、ヒロインですよね…???? ■性行為のある話には*が付く予定です

【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!

臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。 そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。 ※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています ※表紙はニジジャーニーで生成しました

義兄様に弄ばれる私は溺愛され、その愛に堕ちる

一ノ瀬 彩音
恋愛
国王である義兄様に弄ばれる悪役令嬢の私は彼に溺れていく。 そして彼から与えられる快楽と愛情で心も身体も満たされていく……。 ※この物語はフィクションです。 R18作品ですので性描写など苦手なお方や未成年のお方はご遠慮下さい。

【R18】絶倫にイかされ逝きました

桜 ちひろ
恋愛
性欲と金銭的に満たされるからという理由で風俗店で働いていた。 いつもと変わらず仕事をこなすだけ。と思っていたが 巨根、絶倫、執着攻め気味なお客さんとのプレイに夢中になり、ぐずぐずにされてしまう。 隣の部屋にいるキャストにも聞こえるくらい喘ぎ、仕事を忘れてイきまくる。 1日貸切でプレイしたのにも関わらず、勤務外にも続きを求めてアフターまでセックスしまくるお話です。 巨根、絶倫、連続絶頂、潮吹き、カーセックス、中出しあり。

処理中です...