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サンデウロ大陸編
1063話 受ける恩、返す対価
しおりを挟む「まあ、人間は一度は間違いを起こしてしまうものだ。もう一度問おう。奴隷を売るのか、売らぬのか?」
「売りませぬ!」
「ここは、初代国王様に拙い私からの送りものとして無償で提供させていただきます!!!!」
「ほぉ、これはまた太っ腹な決断をしたな。」
「ガロンド初代国王様の慈悲に私はとても感謝しているのです!この感謝を伝えなければ、死ぬにも死ねません!」
やはり、奴隷商人は世渡りが上手だな。本心でないと知っていても、悪い気はしないとはさすがと言わざるを得ない頭の低さだ。
「ちなみに、これは独り言なんだが、この人らを奴隷として売ったやつも探しているんだが、心当たりがあるものはいないか。」
翔はそういうと商人はリストを持ってきて
「あ、手が滑ってしまいました。」
商人はわざとリストを床に落とした。
「これは、大切な顧客情報だから外部の人には見せられない代物だから、早く拾わねば!」
商人は三文芝居をうち、翔はそれに乗っかり、床に落ちたリストからヒュテテ族を奴隷にしたやつの情報を暗記した。
「いや、此度の件は本当に助かった。褒美として、これをやろう。」
翔はファンド宛の手紙を奴隷商人に渡した。
「これが、あればガロンドで商売をすることが可能だろう。奴隷にしているものがいるなら、ガロンドでは売れるぞ。」
「だが、奴隷としてではなく養子というていで身なりもしっかりさせておけ。」
「さすれば、この店頭価格の5倍でも買うものはいるからな。」
「本当ですか!!」
「あぁ、本当だ。無償で引渡してくれたささやかな褒美だ。ぜひ、うちの国でゆっくりしていってくれ。」
「それは、身に余る待遇でございます。ありがたき幸せ!」
まあ、恐喝のようなことをしておいて、ヘイトだけを買うのは嫌だったからな。こういうタイプは根に持って、いつか首を狩ってこようとするやつだ。
だが、それ以上に対価さえ払えば仲間になる単純なタイプだから扱いやすくはある。
それじゃあ、もうひと仕事を終えるとするか。
翔はヒュテテ族に繋玉を渡し、先程の場所まで移動させた。
「手癖の悪さを直してやらなければいけないみたいだな。」
翔の目の前には柄の悪そうな5人の男達がいた。
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