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神編
989話 一蓮托生
しおりを挟む"闃然の槍"
音のひとつしない静かな一撃をギダは打ち込んだ。
「痛ってぇな。」
相手はもろに背中に一突きを食らったが、ほとんど効いていない様子だった。
「お前が我らの善行に害為す者か。」
「お前らの善行ってのは何もしていない人間を殺すことのことを言うんだな。」
「やはり、愚かな者共よ。貴様らが何もしていないだと.....」
「まあ、ゴチャゴチャうるせぇことはなしで行こうぜ。結局は勝った方が正義だ。」
「うむ。所詮、貴様のようなバカには到底理解は出来ないだろうしな。」
「言っとけ。」
"雷槍"
"死手"
ギダの雷槍を手で受け止めた。
「私の手は触れたものを殺す。貴様の小賢しい技を殺した。」
「なるほど。ただのクソ野郎ではなさそうだな。」
二人は互いの動きに注意しながら立ち回った。
"禁術 神風"
ギダの目の前の敵は一瞬にしてバラバラになった。
「おい!フェル!余計なことはすんじゃねぇよ!」
「余計だなんて失礼だな。」
「そうですよギダ。フェルのあれがなければ確実に死んでいましたからね。」
「ちっ。」
敵はギダを道連れにするような技を出そうとしていたのである。
「みんな!そいつから離れて!!」
バラバラになった敵が元の姿へと戻っていく。
「こいつらはここで始末せねばならない。あの方のためにも。」
ガサガサ
ポケットの中からクッキーのようなものを出した。
バリバリ
男はそれを食べ始めた。
すると、先程までとは比べ物にならないほどの魔力と殺気を出していた。
「なんだかやばいみたいだね。」
「まあ、やるしかねぇだろ。」
「そうだね。ここは一蓮托生でしょ。」
「あんたたち、油断なんてするんじゃないよ!!」
「もちろん。」
「当たり前だ。」
「オマエラ、コロス、コロス」
男は完全に理性を失っていた。憎悪と殺意だけが残り、それらを4人へと向けていた。
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