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38話 大森林大戦
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蜘蛛の巣。
それは、この蜘蛛という生物の最強の武器であり、盾であり、フィールドだ。
このフィールド上に於いて、炎を扱えない相手を拘束し、蜘蛛という生物は圧倒的な優位性を誇る。
だが、その優位性は、ある生物によって瓦解する。
数多の虫の特徴を併せ持つ混蟲という種はどうにも蜘蛛の巣を歩けるらしいぜ。
蜘蛛の牙が俺の腹にめり込む。その威力自体は大した事は無かったが、その牙には像をも一瞬で葬る猛毒が仕込まれている。当然、目の前の噛みついた相手、俺にも猛毒が流れ込んでくる。
だが、残念。俺は毒無効持ちだ。
逃げられないように糸で固定、鎌の一撃で首を刎ね...ガキン。
刎ね...ガキンガキン。
お...オラオラオラオラオラオラァーッッ!!!
何度も斬りつけてようやく絶命。
蜘蛛よ、相性が悪かったな。だが硬すぎだろ何なんだ。
喰ったら糸と毒のスキル熟練度上がりました。激苦くて勿論不味かった。
チートor雑魚の両極端。方や序盤に倒される雑魚敵、方や化け物主人公。RPGおなじみの敵、でも悪くない奴もいる。そう、スライムさんである。
どうにもこの世界のスライムさんはそこそこ強い。物理攻撃効かないんだもんよ。
鎌で斬りつけるが、効いた様子も無く、両腕を溶かそうと纏わりついてくる。だが、俺酸無効まで持ってるのよね。ははは。残念残念。ただ、こちらの攻撃も効いちゃいねぇ。頼みの綱の毒刃も物理攻撃判定になるらしく、スルーされた。
となると、俺の取れる攻撃手段は風魔法と魔術吐息。風魔法は今の所ほぼそよ風レベルだから実質攻撃手段一つ。
ここで問題となるのが、魔術吐息のスキル特性。
このスキルは持っている魔法の属性を選んで使用し、その属性の熟練度により威力が変わるという特性を持っている。んで、今俺が使えるのは毒と風。毒はそこそこ熟練度高いから威力も中々だったが、風の熟練度は1。こんなんそよ風やん。そして、相手はスライム。
これ...毒効くんか...?
3時間後。スライムが断末魔の叫びを上げるようにブルブルと震え、遂に力を失って倒れた。向こうの酸攻撃は効かないから負けることはなかったが、低威力の風ブレスと相性悪い毒ブレスで何とか削りきった。つ、疲れた...
他の魔物に漁夫られないように日陰でジメジメと戦って、再生までしてきたから、もう凄い地味な戦いだった。
因みにスライムは味のない寒天みたいだった。今生ではまだまともな部類の味なの終わってる。スキルは物理耐性に酸攻撃と、中々美味しかったけどね。変身系の能力が無かったのは残念だったけど、ソレを抜きにしても優秀なスキル持ってたよ、うん。ただ、もう戦いたくねぇリスト入りだわ。
打って変わって、激しく空中を飛び回る機動戦。
木から木へ、超高速で動いて翻弄してくるカマキリ。だが、元人間の知能を舐めるなよ?
突然、カマキリの動きが止まる。カマキリが驚いたように足元を見れば、そこには糸が絡まっていた。へっへ、俺だって蜘蛛みたいに糸を使えるのだよ。粘性ないけど、糸玉作って、足を埋めさせて引っかかって抜けなくするのだよ...幾ら機動力が高くても動きを止めてしまえばどうってこと無いのだよ!!バーカバーカ!
さて、ちゃんとトドメを。
ズボ。
足元を見れば、俺がさっき仕掛けた糸玉が。
...俺は無言で毒刃を放ち、カマキリを仕留めた。空中機動なる二段ジャンプ出来るスキルもらいました。戦闘の中で鎌術と糸術の熟練度も上がったし、中々に収穫のある戦闘だったね。皆の記憶を消したから何故か全く覚えてないけどね。脱出は糸術で糸操ればいいだけだからそこまで手間取らなかった。
こちら、茂みの陰。決して草葉の陰ではない。俺の人生はまだリタイアしとらんぞ!
何も真正面から戦うだけが戦闘ではないのだよ。最後に漁夫れば勝ち!ちょろすぎですわこの戦いwwwとか油断してる奴いるじゃん?
ソイツも餌なのよね。真っ黒のヘビを仕留めて、不意打ちなるスキルをゲッチュ。ウマウマ。漁夫を狙ってる奴は正面の戦いが苦手な奴、暗殺系の奴がいるが、コイツら総じて警戒心がない。多分一番楽に倒せる相手。
さて本命の2体だが、先程のスライム戦よりも拮抗した地味な激戦を繰り広げている。
両方見たこともない魔物で、片方が動く鎧で、もう片方はなんか黒い骨。多分両方アンデッドとかいう系統の魔物なんだろう。なんか青い光を掛け合ってる。多分エナジードレインとかそういう?
お互いに吸収技だから中々削り切れないんだろう、もうかれこれ3時間は経過している。まぁその間に漁夫ろうとした奴らを狩りまくってるから助かってるんだけど。
漁夫に人権は無いんだよ!(漁師への熱い風評被害)
とはいえ、ずっと見守っている訳にもいかんし、そろそろ均衡を崩して貰わねば。
スライムから貰った酸攻撃を載せた鎌で、鎧の背中をたたっ斬る...訳には行かなかったが、酸で大きく損傷はさせた。多分これ自分にも酸のダメージ入るわ。手に酸が纏わりついてる感じがする。酸無効持ちだから関係ないけど。
不意打ちで大きくダメージを受けた鎧は思わずエナジードレインらしき攻撃を中断する。が、その隙に骨がドレインしきって鎧がガラガラと崩れる。長い戦いに勝利して油断した骨に酸攻撃で一撃。急所にでも当たったのだろうか、一撃で骨が崩れ落ちた。アンデッドだし元々腐ってたのかも。
とにかく、両方お腹壊しそうな味だったけど吸収とか有用そうなスキルはいろいろゲットした。まぁ、成仏してくだされ。
それは、この蜘蛛という生物の最強の武器であり、盾であり、フィールドだ。
このフィールド上に於いて、炎を扱えない相手を拘束し、蜘蛛という生物は圧倒的な優位性を誇る。
だが、その優位性は、ある生物によって瓦解する。
数多の虫の特徴を併せ持つ混蟲という種はどうにも蜘蛛の巣を歩けるらしいぜ。
蜘蛛の牙が俺の腹にめり込む。その威力自体は大した事は無かったが、その牙には像をも一瞬で葬る猛毒が仕込まれている。当然、目の前の噛みついた相手、俺にも猛毒が流れ込んでくる。
だが、残念。俺は毒無効持ちだ。
逃げられないように糸で固定、鎌の一撃で首を刎ね...ガキン。
刎ね...ガキンガキン。
お...オラオラオラオラオラオラァーッッ!!!
何度も斬りつけてようやく絶命。
蜘蛛よ、相性が悪かったな。だが硬すぎだろ何なんだ。
喰ったら糸と毒のスキル熟練度上がりました。激苦くて勿論不味かった。
チートor雑魚の両極端。方や序盤に倒される雑魚敵、方や化け物主人公。RPGおなじみの敵、でも悪くない奴もいる。そう、スライムさんである。
どうにもこの世界のスライムさんはそこそこ強い。物理攻撃効かないんだもんよ。
鎌で斬りつけるが、効いた様子も無く、両腕を溶かそうと纏わりついてくる。だが、俺酸無効まで持ってるのよね。ははは。残念残念。ただ、こちらの攻撃も効いちゃいねぇ。頼みの綱の毒刃も物理攻撃判定になるらしく、スルーされた。
となると、俺の取れる攻撃手段は風魔法と魔術吐息。風魔法は今の所ほぼそよ風レベルだから実質攻撃手段一つ。
ここで問題となるのが、魔術吐息のスキル特性。
このスキルは持っている魔法の属性を選んで使用し、その属性の熟練度により威力が変わるという特性を持っている。んで、今俺が使えるのは毒と風。毒はそこそこ熟練度高いから威力も中々だったが、風の熟練度は1。こんなんそよ風やん。そして、相手はスライム。
これ...毒効くんか...?
3時間後。スライムが断末魔の叫びを上げるようにブルブルと震え、遂に力を失って倒れた。向こうの酸攻撃は効かないから負けることはなかったが、低威力の風ブレスと相性悪い毒ブレスで何とか削りきった。つ、疲れた...
他の魔物に漁夫られないように日陰でジメジメと戦って、再生までしてきたから、もう凄い地味な戦いだった。
因みにスライムは味のない寒天みたいだった。今生ではまだまともな部類の味なの終わってる。スキルは物理耐性に酸攻撃と、中々美味しかったけどね。変身系の能力が無かったのは残念だったけど、ソレを抜きにしても優秀なスキル持ってたよ、うん。ただ、もう戦いたくねぇリスト入りだわ。
打って変わって、激しく空中を飛び回る機動戦。
木から木へ、超高速で動いて翻弄してくるカマキリ。だが、元人間の知能を舐めるなよ?
突然、カマキリの動きが止まる。カマキリが驚いたように足元を見れば、そこには糸が絡まっていた。へっへ、俺だって蜘蛛みたいに糸を使えるのだよ。粘性ないけど、糸玉作って、足を埋めさせて引っかかって抜けなくするのだよ...幾ら機動力が高くても動きを止めてしまえばどうってこと無いのだよ!!バーカバーカ!
さて、ちゃんとトドメを。
ズボ。
足元を見れば、俺がさっき仕掛けた糸玉が。
...俺は無言で毒刃を放ち、カマキリを仕留めた。空中機動なる二段ジャンプ出来るスキルもらいました。戦闘の中で鎌術と糸術の熟練度も上がったし、中々に収穫のある戦闘だったね。皆の記憶を消したから何故か全く覚えてないけどね。脱出は糸術で糸操ればいいだけだからそこまで手間取らなかった。
こちら、茂みの陰。決して草葉の陰ではない。俺の人生はまだリタイアしとらんぞ!
何も真正面から戦うだけが戦闘ではないのだよ。最後に漁夫れば勝ち!ちょろすぎですわこの戦いwwwとか油断してる奴いるじゃん?
ソイツも餌なのよね。真っ黒のヘビを仕留めて、不意打ちなるスキルをゲッチュ。ウマウマ。漁夫を狙ってる奴は正面の戦いが苦手な奴、暗殺系の奴がいるが、コイツら総じて警戒心がない。多分一番楽に倒せる相手。
さて本命の2体だが、先程のスライム戦よりも拮抗した地味な激戦を繰り広げている。
両方見たこともない魔物で、片方が動く鎧で、もう片方はなんか黒い骨。多分両方アンデッドとかいう系統の魔物なんだろう。なんか青い光を掛け合ってる。多分エナジードレインとかそういう?
お互いに吸収技だから中々削り切れないんだろう、もうかれこれ3時間は経過している。まぁその間に漁夫ろうとした奴らを狩りまくってるから助かってるんだけど。
漁夫に人権は無いんだよ!(漁師への熱い風評被害)
とはいえ、ずっと見守っている訳にもいかんし、そろそろ均衡を崩して貰わねば。
スライムから貰った酸攻撃を載せた鎌で、鎧の背中をたたっ斬る...訳には行かなかったが、酸で大きく損傷はさせた。多分これ自分にも酸のダメージ入るわ。手に酸が纏わりついてる感じがする。酸無効持ちだから関係ないけど。
不意打ちで大きくダメージを受けた鎧は思わずエナジードレインらしき攻撃を中断する。が、その隙に骨がドレインしきって鎧がガラガラと崩れる。長い戦いに勝利して油断した骨に酸攻撃で一撃。急所にでも当たったのだろうか、一撃で骨が崩れ落ちた。アンデッドだし元々腐ってたのかも。
とにかく、両方お腹壊しそうな味だったけど吸収とか有用そうなスキルはいろいろゲットした。まぁ、成仏してくだされ。
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