側溝

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向こうには

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昔親と沿岸に行った時、ずっと続くんじゃないだろうかと思うくらい山道が続いていた。

しかし、山を越えると、そこにはさらに無限とも思える海が続いていた。
でも海にだって終わりはあるのだろう。

子供の頃は毎日を長く感じ、一生は果てのないものだろうと思っていたが、それにも終わりが来るんだろう。

だが、この広い宇宙には終わりがあるんだろうか。ひたすら続く真っ暗な世界。
しかし、宇宙にも終わりがあるんだろうと、私は信じたい。

一体どれほどの時間が経ったのかも思い出せないが、人口削減のために私はこの広い宇宙へ放たれた。 

誰とも話せない、景色も変わらない、そんな状況では見果てぬ先のゴールを求めてしまうのは仕方のないことなんだろう。 
しかし、景色は変わらないが私は宇宙の景色が決して嫌いではなかった。

ずっと闇が続くような場所だが、黒色には何か魅力的なものを感じていた。
何かに黒色が一箇所だけ塗られていて、そこをずっとみているとその場所から別の世界に繋がっている気さえしてくる不思議さが黒色にはあった。

もしかしたら、この世にある黒色は別の世界との狭間なのかもしれない。黒色は美しく魅力的であるが、その美しさに魅了され過ぎると、戻ってこれなくなるかもしれない。自分でも何を考えているのかわからないが黒色には御用心を。

私はレーダーが察知したブラックホールに向けて宇宙船の進路を変更した。

黒の向こう側を知るために...


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