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私の気持ち
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陛下の呼び出しから、練習室に戻り練習していると、ハルトが訪ねてきた。
お昼に誘われ、庭で一緒に食べることになった。
お弁当を広げ、ハルトは料理人からのランチを食べ始める。
「いいなールビイ、料理できるのか!食べたい・・・」
というので、困り顔でローガンさんとオリビアさんを見る。
2人とも笑顔で、うなずいてくれたので、いいということだろう。
一国の王子が、毒を盛られる可能性なんて、大いにあるのだから、こうゆうところはハルトは甘いなーと思う。
「はいどうぞ」
と笑顔で渡そうとするが、ハルトが制止する。
ん・・・?ほしいって言ったよね?と首をかしげると、
「あーんって食べさせて」と言う。
私はビックリして、目を見開くがハルトはお構いなしに、口をあけて待っている。
ずっと待たせるのもあれなので、恥ずかしくて顔が真っ赤になりながらもあーんする。
するとハルトは満足そうな顔で、
「ルビイ、美味しい。天才だな」なんて言うから、さらに真っ赤になってしまった。
食べ終わると、ハルトが立ち上がり「サクーーー」と叫んだ。
5秒後には人が降ってきて、ハルトの横に立つ。
正確には、降ってきたわけではないが、その表現が一番しっくりくるような登場の仕方だった。
「お初にお目にかかります。サクと申します。」
「初めまして。ルビイです。」
「サクは腕が立つ。俺も負けたしな。こいつは俺直属の騎士にさっきなったんだ。任務はルビイの護衛だ。」
そうハルトが言う。
私は血の気が引いて、青くなった。
私は王女だと言っていない。なのに護衛ってことは・・・陛下から聞いたんだ。
だましていたみたいで、ハルトに嫌われるんじゃないか・・・そればかりが渦巻いて、どうしようもなく不安になる。
私がうつむいたまま、動かなくなったのを不審に思い、ハルトが覗き込んでくる。
私がボロボロと泣いているのを見て、ハルトは焦ったようだ。
だが、次の瞬間私は抱きしめられていた。ハルトのぬくもりを感じ、少し安心した。
私が落ち着いたのを見計らい、ハルトが離れる。
「経緯をきいてもいいか?」
私はうなずく。
「ここじゃ、あれだから、私室までおいで。」
優しくそう言い、私の手をひきゆっくり歩いてくれる。その後ろを側近兼護衛の三人が続く。
私室に着くと、ソファに横並びになって座る。
オリビアさんがお茶を入れてくれたので、1口をいただいてから話し始める。
「私は、フューゲル国の第2王女、ルビイ・フューゲルです。兄と姉は、フューゲルで外交などを担っています。でも私は、兄に王城から出ることを禁止されていて、幼いころ出たきり王城から出たことがありません。私も役に立ちたいと言っても、ダメだって言われました。兄もいじわるで言ったわけではなくて、私がこの目立つ髪とかのせいで囚われたことがあって、心配してのことなんです。それでも、過保護すぎるんですが・・・でも、私は納得できなくて、何も役に立てていない自分が嫌で、家出したんです。」
「そんなことがあったのか。にしても、お兄さんはルビイに執着しているように感じるな・・・」
「それで、さっきは何で泣いていた??」
そう聞かれ、固まってしまう私。
ハルトが目配せで、護衛の3人に退出を促す。
2人になったところで、再度聞かれる。
「なんで泣いていた?」さっきより力強く聞かれ、ビクっとなった。
恐る恐る顔を上げると、声とは正反対の優しい顔をしたハルトがいた。
「ルビイが兄上に呼び出された謁見の間、後ろに隠し部屋があるんだ。俺も呼び出されたときは何も知らなくて、ただ静かにしていろと言われただけだったんだ。ルビイが来て話していた兄上との会話も聞いたよ。ルビイが退出した後、話をしてな。チャンスをもらったんだ・・・ルビイの気持ちが知りたい。俺はルビイを愛しているよ。だから、今度の茶会にはパートナーとして参加してほしい。」
再度告白をされ、顔が真っ赤になる私。素直な気持ちを伝えよう。
「話しがまとまらなくて・・・でも、私の正直な気持ち、話すね。さっき泣いてたのは、ハルトに嫌われると思ったからなの。王女だってことも言わずに、騙していたようなものだから・・・どうしようどうしようって、嫌われたくないって、気づいたら泣いてたの。」
「それって、俺を好きみたいに聞こえるけど?」
「・・・うん。そうなんだと思う。恋したことないから、わからなかったんだけど、私はハルト以外の人が旦那さんになるのは嫌だし、ハルトの隣に他の女性が立つのも耐えられないと思うの。」
涙をためながら、ハルトを見上げる。
「うっ・・・ルビイが可愛すぎるよ。じゃあパートナーとして、一緒に茶会に参加してくれるかい?」
そう言って、手を差し出される。
「はい!喜んで」
そう言って手を重ねる。
お昼に誘われ、庭で一緒に食べることになった。
お弁当を広げ、ハルトは料理人からのランチを食べ始める。
「いいなールビイ、料理できるのか!食べたい・・・」
というので、困り顔でローガンさんとオリビアさんを見る。
2人とも笑顔で、うなずいてくれたので、いいということだろう。
一国の王子が、毒を盛られる可能性なんて、大いにあるのだから、こうゆうところはハルトは甘いなーと思う。
「はいどうぞ」
と笑顔で渡そうとするが、ハルトが制止する。
ん・・・?ほしいって言ったよね?と首をかしげると、
「あーんって食べさせて」と言う。
私はビックリして、目を見開くがハルトはお構いなしに、口をあけて待っている。
ずっと待たせるのもあれなので、恥ずかしくて顔が真っ赤になりながらもあーんする。
するとハルトは満足そうな顔で、
「ルビイ、美味しい。天才だな」なんて言うから、さらに真っ赤になってしまった。
食べ終わると、ハルトが立ち上がり「サクーーー」と叫んだ。
5秒後には人が降ってきて、ハルトの横に立つ。
正確には、降ってきたわけではないが、その表現が一番しっくりくるような登場の仕方だった。
「お初にお目にかかります。サクと申します。」
「初めまして。ルビイです。」
「サクは腕が立つ。俺も負けたしな。こいつは俺直属の騎士にさっきなったんだ。任務はルビイの護衛だ。」
そうハルトが言う。
私は血の気が引いて、青くなった。
私は王女だと言っていない。なのに護衛ってことは・・・陛下から聞いたんだ。
だましていたみたいで、ハルトに嫌われるんじゃないか・・・そればかりが渦巻いて、どうしようもなく不安になる。
私がうつむいたまま、動かなくなったのを不審に思い、ハルトが覗き込んでくる。
私がボロボロと泣いているのを見て、ハルトは焦ったようだ。
だが、次の瞬間私は抱きしめられていた。ハルトのぬくもりを感じ、少し安心した。
私が落ち着いたのを見計らい、ハルトが離れる。
「経緯をきいてもいいか?」
私はうなずく。
「ここじゃ、あれだから、私室までおいで。」
優しくそう言い、私の手をひきゆっくり歩いてくれる。その後ろを側近兼護衛の三人が続く。
私室に着くと、ソファに横並びになって座る。
オリビアさんがお茶を入れてくれたので、1口をいただいてから話し始める。
「私は、フューゲル国の第2王女、ルビイ・フューゲルです。兄と姉は、フューゲルで外交などを担っています。でも私は、兄に王城から出ることを禁止されていて、幼いころ出たきり王城から出たことがありません。私も役に立ちたいと言っても、ダメだって言われました。兄もいじわるで言ったわけではなくて、私がこの目立つ髪とかのせいで囚われたことがあって、心配してのことなんです。それでも、過保護すぎるんですが・・・でも、私は納得できなくて、何も役に立てていない自分が嫌で、家出したんです。」
「そんなことがあったのか。にしても、お兄さんはルビイに執着しているように感じるな・・・」
「それで、さっきは何で泣いていた??」
そう聞かれ、固まってしまう私。
ハルトが目配せで、護衛の3人に退出を促す。
2人になったところで、再度聞かれる。
「なんで泣いていた?」さっきより力強く聞かれ、ビクっとなった。
恐る恐る顔を上げると、声とは正反対の優しい顔をしたハルトがいた。
「ルビイが兄上に呼び出された謁見の間、後ろに隠し部屋があるんだ。俺も呼び出されたときは何も知らなくて、ただ静かにしていろと言われただけだったんだ。ルビイが来て話していた兄上との会話も聞いたよ。ルビイが退出した後、話をしてな。チャンスをもらったんだ・・・ルビイの気持ちが知りたい。俺はルビイを愛しているよ。だから、今度の茶会にはパートナーとして参加してほしい。」
再度告白をされ、顔が真っ赤になる私。素直な気持ちを伝えよう。
「話しがまとまらなくて・・・でも、私の正直な気持ち、話すね。さっき泣いてたのは、ハルトに嫌われると思ったからなの。王女だってことも言わずに、騙していたようなものだから・・・どうしようどうしようって、嫌われたくないって、気づいたら泣いてたの。」
「それって、俺を好きみたいに聞こえるけど?」
「・・・うん。そうなんだと思う。恋したことないから、わからなかったんだけど、私はハルト以外の人が旦那さんになるのは嫌だし、ハルトの隣に他の女性が立つのも耐えられないと思うの。」
涙をためながら、ハルトを見上げる。
「うっ・・・ルビイが可愛すぎるよ。じゃあパートナーとして、一緒に茶会に参加してくれるかい?」
そう言って、手を差し出される。
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そう言って手を重ねる。
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