運命の番は後天性Ω

yun.

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ヒート編

かわいい慧くんのヒート

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「ヒック、ヒクッ・・・ぅう”あ~~~ん」


と本格的に泣き出してしまった。
慧くんを抱き上げ、背中をポンポンと優しくたたき、あやしてあげるが、なかなか涙が引っ込まないのか、話しもできない。


「あらあら、慧。泣き顔が赤ちゃんのときのままねえ~ウフフ。けーい、さみしかったわね。」

そういって、優しく頭を撫でこめかみあたりをスリスリとすると、慧くんはたちまち泣き止んだ。
お母さんの言葉で、なんとなく察したが、慧くんにも聞いてみたいと思い、慧くんに問う。


「慧くん・・・?なにが嫌だった?」


「いっけいしゃん、僕の、一慶しゃんなの。ヒック、僕だけ、はなしないの。さみしいの。」


つたない言葉で、必死に気持ちを伝えようとしてくれる慧くんが愛おしい。


「ごめんね、さみしい思いをさせちゃったね。もうしないから、行こうか。」


「うん、行くぅ・・・」

と首元にすり寄ってきた慧くんは、可愛すぎると思う。


「すみません、それではこれで失礼します。ヒートが開けましたら、すぐにご連絡します。」


「ああ、待ってるよ。」


「慧をよろしくお願いしますね。」


そう言われて、名残惜しそうな、慧くん一家を横目に見ながら、俺は車へ急いだ。


車に乗せると慧くんのフェロモンが一層よく感じられた。
辛いものもある・・・

が、抑制剤のおかげか今すぐ理性をなくすことはなさそうだ。
慧くんの実家から、自宅が遠くなくてよかった・・・

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