運命の番は後天性Ω

yun.

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病院へ〜2  途中から慧side

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途中で慧視点にかわります!

______________


それから、トイレへ行きなんとか持ち直した俺は、慧くんと病院へ向かう。


「では、育子さん。慧さんをお借りいたします。なるべく早めにご連絡します。」


「はい、よろしくお願いいたします。慧、何があっても一慶くんがいるわ。しっかりと、一慶くんを頼るのよ。」


「はい、母さん。わかりました。」


「気をつけてね。」


「はい。」


「では、一慶くんよろしくお願いします。いってらっしゃい!」


「「行ってきます。」」


「どうぞ。」

手を繋いで車まで行き、ドアを開けてあげる。

_バタン_

「じゃあ、出発するよ。慧くん、シートベルトはしめた?」


「クスクス、はい。もちろん!」


「じゃあ、行くね。なんかあったら、言ってね?」


「なにか?」


「うん、運転が荒いとかさ。」


「ふふっ、わかりました。よろしくお願いします。」


________________



一慶さんと快が、変な声を出しながら、背中を丸めるから、ビックリしたけど、お手洗いに行ったら治ったみたい。

急な腹痛とかだったのかな?
食あたりとか?2人同時に?変だな。不思議だ。
でも、治ったなら良かった!


家を出るとき、一慶さんが改まって母さんに、”慧さん”とか言うし、”ぼくのことをお借りします”とか言ってて、ドキドキしちゃった。
大切にされてるって感じがして、すごく嬉しかった。


車に着くと、一慶さんは流れるように、助手席のドアを開けて待っていてくれて、スマートな男って感じがして、ドキッとしたし、キュンっとした。


でもさ、少しして冷静になると・・・一慶さん、こうゆうことに慣れてるのかな?助手席に座るのも、僕が初めてじゃないのかなって、不安になってきた。
だって、あまりにもスマートだったから。


動き出した車の中で、胸元のシートベルトを握りしめながら、うつむいてそんなことを考えていると、すっと横から手が伸びてきて、優しく僕の顎を持ち上げ、一慶さんの方へ向けられる。


瞳が交差する。
魔法にかかったかのように、目が離せない。

「どうしたの?」


「一慶さん、エスコートが慣れてたなって。助手席乗るの、僕が初めてじゃないのかなって・・・」

魔法にかかったかのように、素直に答えてしまう。
うつむいて、視線をそらしたいけど、一慶さんはまだ顎を掴まえてて、それもできない。


「初めてだよ。慧くんが、初めて。スマートにできたなら、良かった。迎えに行くことになって、イメトレしたんだ。」

そう言ってニッコリ笑ってくれた一慶さんが、可愛く見えた。


_プップー_

後続車からのクラクションを受けて、一慶さんが前を向いて車を走らせる。
すると、僕も前を向けるようになった。

目がそらせなかったのは、なんだったんだろう?
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