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頼りすぎた王家

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あ、いえ。もう国ではないのでした。それに、当主でもないのでしたね・・・
驚いたり、あ、違うわなんて思いが、つい顔にも出てしまいそうになり、急いで扇を広げ、顔半分をかくした。


「そっ、それはっ!」


「ん?なんじゃ、元ソラニーノ国王。」


「アンシャーリ嬢の父である、ステッラ公爵はっ」


「ステッラ伯爵じゃがね。彼らの家族は、国を動かしていた要だと言いたいんだろう?」


ハワード王太子殿下が、ソラニーノ国王の言葉の続きに、こう告げる。


「そっ、その通りです。」


「あなたは、よくも悪くもだった。いや、今となっては子育てを間違えたに成り下がってしまったのでしたね。この国の実態は、ステッラ公爵に頼り切りだったのだろう。宰相もいたのに、その宰相はいいとこどりをしていたようだしな。」


ビクっと宰相の肩が揺れた。
そんな宰相を横目で見ながら、ハワード国王陛下が言葉を続ける。


「ああ、そうだな。息子の言う通りだ。幼いころは、ソラニーノ元国王は、他人の意見をよく聞くいい子だと思っていたが・・・今もなお変わっていないとはな。それが悪い方にでてしまって、いいようにされていることにも気づけないとは。まあなんだ、ソラニーノ伯爵領のことは心配するでない。ちゃーんと優秀な内政官を送り込むゆえ。ステッラ伯爵家には、もっと大きな場所で仕事をしてもらうよ。なんせ、帝国は大きな国でね。優秀な者を遊ばせておく余裕はないんじゃよ~あ、ちゃんと見合った給与を渡すゆえ、心配せんでよいがね。はっはっは。」


「王妃殿下も、優秀な方だとは思います。それゆえに、ご公務や書類仕事がお忙しく、お子さまの教育は係りの者に、任せきりだったのでは?もう少しだけでも、お子さまに関わっていれば、お子さまの教育が片寄っていることに気づけたでしょうし、教育を修正できていたかもしれませんのに・・・」


ハワード国の王妃陛下も言葉をつなぐ。


「とにかく、わたくしがソラニーノ国を視察し、だした結果・・・優秀で、引き抜きたいと思わされた人材は、ステッラ公爵家、いえステッラ伯爵家とミュラー男爵家の者たちだけでしたわ。その他の者は、ハワードには必要御座いません。通用しませんので。」


と、最後にハワード王女殿下が締めくくった。
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