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3章
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「なっ!?」
伯爵も夫人も驚いている。
「ノアくんの意に反することは、神に反することと同じ。私の目はそんなに節穴ではない。」
「それから、ノア様の件とは全くの無関係ですが。王都で、”無銭飲食・平民への罵声・平民を他国に売り渡す”などの行為が行われている件で、捜査しておりました。もちろんご存じですよね?」
「な、なんのことでしょうか?」
「しらを切れると思うなよ!!」
陛下が言葉を荒げた。
「証拠は出そろっている。他に加担した者たちも、もう捕えられている。もちろん、君たちも例外なく捕えるだ。」
「っ!!」
「爵位返上は当然。後の処罰は、議会にて決定されるだろう。もちろん爵位返上だから、この婚約うんぬんも白紙だ。」
そんな悪事にまで手を染めていたとは。
無能なだけではなかったのか。
いや、無能だから、利用されたのか。
「つれていけ。」
「御意に。」
彼らは縄で縛られ、騎士の一人に連れていかれた。
もちろん息子も含めて。
__________________
バカ伯爵家族が連れて行かれた後の室内は、静まりかえっていた。
「「「ふう・・・」」」
ため息をついたのは誰だったか・・・
全員だったかもしれない。
「改めて、ノア君に謝罪を申し上げる。宰相からノア君の洗礼式後の話しも聞いていたし、あの伯爵家族が王都で噂を流していることも知り、調べてはいたんだが、結果迷惑をかけることになってしまって、本当に申し訳ないです。」
「え?いきなりどうしたのですか!?なぜ、僕に敬語なのです!?」
なんで!?いきなり陛下が敬語になった!?
「神の愛し子であるノア君は、本来私などの国のトップと立場は同じになるのです。」
「えええ!?父上!?知りませんよ!?」
「ノア、大丈夫だ。私も最近知ったんだ。しかも、父上から聞いたわけではない。」
と兄上まで言う。
「ん?うーん、そうだったかな。」
「父上!なんで教えてくれなかったのですか!!」
「え、いや。あれ。だって、ノア。恐れ多いとか、言いだしそうだし?それに、王家に取られるの嫌だったし?なんとなく・・・」
あ、これ覚えてなかったやつだ・・・
ジト目で見ると、父上は視線をすぐに逸らした。
これは・・・黒だな。
「・・・・僕が陛下と同じくらいの立場になるなら、王家にとられるなんてことないのでは!?」
「あ・・・うん。そうなんだが。周りがうるさくなるぞ?それに、まだ子供だしさ・・・文句言ってくる人もいるかもしれなかったしさ。」
「ああ、まぁそうですね・・・」
父上は父上なりに、僕のことを想ってくれたってことか。
立場のことは、忘れてただけだと思うけど。
「父上、ありがとうございます。大好きですよ。」
伯爵も夫人も驚いている。
「ノアくんの意に反することは、神に反することと同じ。私の目はそんなに節穴ではない。」
「それから、ノア様の件とは全くの無関係ですが。王都で、”無銭飲食・平民への罵声・平民を他国に売り渡す”などの行為が行われている件で、捜査しておりました。もちろんご存じですよね?」
「な、なんのことでしょうか?」
「しらを切れると思うなよ!!」
陛下が言葉を荒げた。
「証拠は出そろっている。他に加担した者たちも、もう捕えられている。もちろん、君たちも例外なく捕えるだ。」
「っ!!」
「爵位返上は当然。後の処罰は、議会にて決定されるだろう。もちろん爵位返上だから、この婚約うんぬんも白紙だ。」
そんな悪事にまで手を染めていたとは。
無能なだけではなかったのか。
いや、無能だから、利用されたのか。
「つれていけ。」
「御意に。」
彼らは縄で縛られ、騎士の一人に連れていかれた。
もちろん息子も含めて。
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バカ伯爵家族が連れて行かれた後の室内は、静まりかえっていた。
「「「ふう・・・」」」
ため息をついたのは誰だったか・・・
全員だったかもしれない。
「改めて、ノア君に謝罪を申し上げる。宰相からノア君の洗礼式後の話しも聞いていたし、あの伯爵家族が王都で噂を流していることも知り、調べてはいたんだが、結果迷惑をかけることになってしまって、本当に申し訳ないです。」
「え?いきなりどうしたのですか!?なぜ、僕に敬語なのです!?」
なんで!?いきなり陛下が敬語になった!?
「神の愛し子であるノア君は、本来私などの国のトップと立場は同じになるのです。」
「えええ!?父上!?知りませんよ!?」
「ノア、大丈夫だ。私も最近知ったんだ。しかも、父上から聞いたわけではない。」
と兄上まで言う。
「ん?うーん、そうだったかな。」
「父上!なんで教えてくれなかったのですか!!」
「え、いや。あれ。だって、ノア。恐れ多いとか、言いだしそうだし?それに、王家に取られるの嫌だったし?なんとなく・・・」
あ、これ覚えてなかったやつだ・・・
ジト目で見ると、父上は視線をすぐに逸らした。
これは・・・黒だな。
「・・・・僕が陛下と同じくらいの立場になるなら、王家にとられるなんてことないのでは!?」
「あ・・・うん。そうなんだが。周りがうるさくなるぞ?それに、まだ子供だしさ・・・文句言ってくる人もいるかもしれなかったしさ。」
「ああ、まぁそうですね・・・」
父上は父上なりに、僕のことを想ってくれたってことか。
立場のことは、忘れてただけだと思うけど。
「父上、ありがとうございます。大好きですよ。」
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