上 下
146 / 171
3章

132

しおりを挟む
父上は、早馬を出して、1時間ほどで帰宅した。
いや、すんごい早い帰宅だよ、うん。
やっぱり僕だけじゃ、不安だったのだろうか。
まあ、ガキんちょだもんね・・・


ハンスから、再度説明を受けた。
結論はやはり、僕の婚約の話しだろうということだ。


父上は、王都での夜会の話しを聞いて怒り狂った。
そして、あろうことか王様と、宰相へ連絡をとったのだ。
手鏡みたいのに、魔力を流すと、水蒸気のようなモクモクが出てきて、そこに映像を映し出してくれる。
声と、姿を届けてくれる、テレビ電話のようなものだ。

卒業祝いに、仲の良かった3人に前国王からプレゼントされたそうだ。



_________________


「どういうことだ?王都にいるアホ貴族が、我が家の大切なノアと”婚約とは。」


「それは、耳に挟みました。すぐに捜査開始しています。」


「結果は?」


「勝手に言っているだけ、かと。途中経過の報告を受けいますが、正式な結果はまだ・・・」


「以前、宰相さんが来たときに、言ったよなあ?俺らは、大切なノアに何かあれば、すぐに国を出るって。別に辺境を守らなくたって、生きていける。俺の一番は、家族だ。そこは変わらん。アホ貴族が帰るころには、国を出るよ。今まで、ありがとな。」


と、ヘラっと笑って手を振った父上だった。

すごい大事になっているけど、僕のせいだと思うと、なんだか申し訳ない。


「ちょちょちょ!待ってくれ!」


「待たん。」


「今すぐ何とかする。」

お、静観していた王様がしゃべった。


「申し訳ない。宰相からはちゃんと、聞いていた。私の不手際だ。」


「ああ。だろうな。念押ししておいたからな。」


「そのうえで、これからどうすれば、ダンテの家族を守れるか、一緒に考えたい。いいかの?」


「はあ。リミットは、アホ貴族が帰るまで。それ以上は、延ばさない。」


「わかった。宰相と考えてみる。だから、夜また連絡するよ。」


「ああ。わかった。」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生先ではゆっくりと生きたい

ひつじ
ファンタジー
勉強を頑張っても、仕事を頑張っても誰からも愛されなかったし必要とされなかった藤田明彦。 事故で死んだ明彦が出会ったのは…… 転生先では愛されたいし必要とされたい。明彦改めソラはこの広い空を見ながらゆっくりと生きることを決めた 小説家になろうでも連載中です。 なろうの方が話数が多いです。 https://ncode.syosetu.com/n8964gh/

いきなり異世界って理不尽だ!

みーか
ファンタジー
 三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。   自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!

婚約破棄され逃げ出した転生令嬢は、最強の安住の地を夢見る

拓海のり
ファンタジー
 階段から落ちて死んだ私は、神様に【救急箱】を貰って異世界に転生したけれど、前世の記憶を思い出したのが婚約破棄の現場で、私が断罪される方だった。  頼みのギフト【救急箱】から出て来るのは、使うのを躊躇うような怖い物が沢山。出会う人々はみんな訳ありで兵士に追われているし、こんな世界で私は生きて行けるのだろうか。  破滅型の転生令嬢、腹黒陰謀型の年下少年、腕の立つ元冒険者の護衛騎士、ほんわり癒し系聖女、魔獣使いの半魔、暗部一族の騎士。転生令嬢と訳ありな皆さん。  ゆるゆる異世界ファンタジー、ご都合主義満載です。  タイトル色々いじっています。他サイトにも投稿しています。 完結しました。ありがとうございました。

異世界に転生したので幸せに暮らします、多分

かのこkanoko
ファンタジー
物心ついたら、異世界に転生していた事を思い出した。 前世の分も幸せに暮らします! 平成30年3月26日完結しました。 番外編、書くかもです。 5月9日、番外編追加しました。 小説家になろう様でも公開してます。 エブリスタ様でも公開してます。

異世界で快適な生活するのに自重なんかしてられないだろ?

お子様
ファンタジー
机の引き出しから過去未来ではなく異世界へ。 飛ばされた世界で日本のような快適な生活を過ごすにはどうしたらいい? 自重して目立たないようにする? 無理無理。快適な生活を送るにはお金が必要なんだよ! お金を稼ぎ目立っても、問題無く暮らす方法は? 主人公の考えた手段は、ドン引きされるような内容だった。 (実践出来るかどうかは別だけど)

【幸せスキル】は蜜の味 ハイハイしてたらレベルアップ

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕の名前はアーリー 不慮な事故で死んでしまった僕は転生することになりました 今度は幸せになってほしいという事でチートな能力を神様から授った まさかの転生という事でチートを駆使して暮らしていきたいと思います ーーーー 間違い召喚3巻発売記念として投稿いたします アーリーは間違い召喚と同じ時期に生まれた作品です 読んでいただけると嬉しいです 23話で一時終了となります

転生したら死んだことにされました〜女神の使徒なんて聞いてないよ!〜

家具屋ふふみに
ファンタジー
大学生として普通の生活を送っていた望水 静香はある日、信号無視したトラックに轢かれてそうになっていた女性を助けたことで死んでしまった。が、なんか助けた人は神だったらしく、異世界転生することに。 そして、転生したら...「女には荷が重い」という父親の一言で死んだことにされました。なので、自由に生きさせてください...なのに職業が女神の使徒?!そんなの聞いてないよ?! しっかりしているように見えてたまにミスをする女神から面倒なことを度々押し付けられ、それを与えられた力でなんとか解決していくけど、次から次に問題が起きたり、なにか不穏な動きがあったり...? ローブ男たちの目的とは?そして、その黒幕とは一体...? 不定期なので、楽しみにお待ち頂ければ嬉しいです。 拙い文章なので、誤字脱字がありましたらすいません。報告して頂ければその都度訂正させていただきます。 小説家になろう様でも公開しております。

チート転生~チートって本当にあるものですね~

水魔沙希
ファンタジー
死んでしまった片瀬彼方は、突然異世界に転生してしまう。しかも、赤ちゃん時代からやり直せと!?何げにステータスを見ていたら、何やら面白そうなユニークスキルがあった!! そのスキルが、随分チートな事に気付くのは神の加護を得てからだった。 亀更新で気が向いたら、随時更新しようと思います。ご了承お願いいたします。

処理中です...