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2章

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本日で2章終了です。
1章が長すぎたので、反省しました。
逆に、物足りない方がいらっしゃいましたら、すみません。
3章も、ノアのファンが増えます!どうぞ、お楽しみに。


________________________


僕が近寄ると、その何かがこちらを向いた。


『君が、ノアか?』


「はい。」


『そうか。私を助けてくれてありがとう。私はペガサスだ。それと、フェンリル・・・いやリルの世話もしてくれてありがとう。リルは、生まれたばかりのころから、私たちもお世話していた。なに、神界では幼子は皆で育てるのだ。普通のことさ。こちらに来た時も、まだまだ子供だったようだ。そんなリルがこんな立派に大きくなってきているのは、そなたのおかげだろう。』


"ああ、やっぱり。ペガサス様でしたか。いえ、リルは神様が私へ授けてくれた、大事な家族だと思っていますから。当たり前ですよ。"


『なるほど。さすが神に認められるだけはある。』


"いえ、それほどでもないです。普通ですよ。"


『そなた・・・自己肯定感が低いのではないのか?それとも謙遜か?』


"え?"


『謙遜も度が過ぎれば、嫌みだぞ?』


"ああ、典型的な日本人の・・・あ”。"


『日本人、とな?うむ。聞いたことないな。私は長いこと闇に支配されていたらしい。神様とリルは知っているのだろうな。なるほど。』


"えっと・・・はい。"


『そうか。うむ。決めたぞ。そなた、私と契約しないか?』


"え!?"


『なんだ、私じゃ不満か?私ならリルの世話も見れるぞ?』


”い、いえ・・・そういうことではなくてですね。”


『ああ、そうか。そなたは貴族なのだな。そうか。利用されたりするのでは、面倒事に巻き込まれそうだと考えているのか。』


”ええ!?ペガサスって心でも読めるのかな・・・”


『まあ、念話ができるくらいだからな。そなたも練習すれば、出来るようになると思うぞ?まあ、練習しなくても出来るようになるかもしれんが。』


”ええ!?そんな・・・”


『知ろうと思わなければ、分からないさ。』


”え、でもこわっ・・・”


それって戦術を頭で考えても、相手にバレちゃうってことだろ?
戦いにおいても、社交においても、そんなことが出来る人間が強いに決まってる。


本能のまま戦う魔物とか、本能のまま戦う人間じゃなければ、意識せずとも事前に何をしようとしているか、頭で考えてしまうものだ。
それが筒抜け・・・僕はつい、ブルっと身ぶるいしてしまった。


『それで、そなた私との契約はどうだ?なに、神様から提示をさせればいい。王侯貴族であろうと、ノアの意思に背くものは、魔力を回収する、とな。』


”えーっと・・・それは。はい。もちろんです。”

実質僕に選択肢なかったような・・・
んーてことは名前だよな。名前・・・いいのないかな。

なんか、安直だけど

”ペスってどうですか?”


『いいね、気に入ったよ。』

その返事をもらったから、魔法を行使した。

_コンタクト・ペス_


こうして、ペスが浄化され、魔物もいなくなり、スタンピードは幕を閉じた。

ペスを連れ帰った僕に、父上がビックリしてひっくり返ってしまったり、母上が目を開けたまま失神したり、兄上がやたら僕をほめてきたり、姉上がほおずりをして離さなかったり、ペスのご飯はなんだと使用人がてんやわんやになりながらも、日常が戻ってきたのだった。
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