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2章
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ついにスタンピートが始まったようだ。
今朝、明け方に砦の騎士が早馬で伝達に来た。
まだ遠目だが、魔の森に魔物の大群が発生したようだと。
たぶん、前線ではすでに戦闘準備、もしくは戦闘自体が始まっているだろう。
街の中では、非常用の鐘が鳴っている。
鐘は鳴らす回数や、鳴らし方で、どんな非常時か教えてくれる。
今回は、等間隔で3回のあと、素早く2回鐘が鳴っている。
スタンピートの発生を知らせるものだ。
「リアム、ノア、頼んだぞ!」
「「はい」」
「オリビア・エマ。2人は、避難者を頼んだぞ。」
「「はい。」」
「無理はするな。」
「「「はい。」」」
僕ら家族には、それぞれの役割がある。
父上は、騎士団をまとめ、全体の指揮。
兄上は、避難者の誘導、保護。次期当主のため、念のため前線へは出ないでもらう。
僕は、冒険者をまとめ、先陣を切る。
母上は、領内の避難所へ行き、領民のケア。
姉上は、城内の避難所の、領民のケアだ。
「ノア、返事は?」
「大丈夫ですよ。僕はスペアです。」
「ふざけるな!!」
安心させようと、自虐を入れたのがまずかった・・・
「すみません。」
「私らの大切な子供だ。先陣を切って飛び込ませるのは怖いんだ。失ったら、生きてはいけないと思うほどに。」
「そうだ。ノアを失うくらいなら、私が死のう。」
え、兄上の愛がこわい・・・
「ダメよ。ノア。必ず生きて帰って。」
と、母上に抱きしめられた。
「もちろんです。僕は、強いですから。母上、姉上、無理しないでください。行ってきます。」
そう言って、馬にのってかけた。
転移魔法が覚えていられればと、こんなに思ったことはない。
難しくて、まだ習得には至っていないのだ。
だけど、乗馬を教わっていてよかった。
走るよりは、早くつく。
「ノア!必ず生きていろ!」
「はい!父上も!」
一緒に馬で出た父上と、そう言い合って、途中で別れたのだった。
今朝、明け方に砦の騎士が早馬で伝達に来た。
まだ遠目だが、魔の森に魔物の大群が発生したようだと。
たぶん、前線ではすでに戦闘準備、もしくは戦闘自体が始まっているだろう。
街の中では、非常用の鐘が鳴っている。
鐘は鳴らす回数や、鳴らし方で、どんな非常時か教えてくれる。
今回は、等間隔で3回のあと、素早く2回鐘が鳴っている。
スタンピートの発生を知らせるものだ。
「リアム、ノア、頼んだぞ!」
「「はい」」
「オリビア・エマ。2人は、避難者を頼んだぞ。」
「「はい。」」
「無理はするな。」
「「「はい。」」」
僕ら家族には、それぞれの役割がある。
父上は、騎士団をまとめ、全体の指揮。
兄上は、避難者の誘導、保護。次期当主のため、念のため前線へは出ないでもらう。
僕は、冒険者をまとめ、先陣を切る。
母上は、領内の避難所へ行き、領民のケア。
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「ノア、返事は?」
「大丈夫ですよ。僕はスペアです。」
「ふざけるな!!」
安心させようと、自虐を入れたのがまずかった・・・
「すみません。」
「私らの大切な子供だ。先陣を切って飛び込ませるのは怖いんだ。失ったら、生きてはいけないと思うほどに。」
「そうだ。ノアを失うくらいなら、私が死のう。」
え、兄上の愛がこわい・・・
「ダメよ。ノア。必ず生きて帰って。」
と、母上に抱きしめられた。
「もちろんです。僕は、強いですから。母上、姉上、無理しないでください。行ってきます。」
そう言って、馬にのってかけた。
転移魔法が覚えていられればと、こんなに思ったことはない。
難しくて、まだ習得には至っていないのだ。
だけど、乗馬を教わっていてよかった。
走るよりは、早くつく。
「ノア!必ず生きていろ!」
「はい!父上も!」
一緒に馬で出た父上と、そう言い合って、途中で別れたのだった。
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