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「ノア様、模擬戦は何に参加されますか?」


「うーん。そうだなあ。剣術の方が得意だけど、魔法だって訓練しないとだしなあ。選べないや!最後に余ったところがあれば、そこに入れてもらうことにするよ。」


「わかりました!皆、今日の模擬戦の場所へ集まれ!」

そう言うと、騎士たちはそれぞれ別れて、並んでいく。
さてどこに参加することになるかなあ。


「余りが出たところはあるか?」


「はい!剣術余りあります。」

お、得意な剣術か!


「では、ノア様。剣術の模擬戦でよろしいでしょうか?」


「もちろん。」


「相手は、私でよろしいですか?」


「うん、よろしくね。手加減はなくていいよ。父上も手加減していないと思うし。」


「承知しました。」


「はい!副隊長!」

元気に手を挙げた騎士。
いいね、ああいうの嫌いじゃない。
部活みたいなノリ、憧れているんだよなあ。


「なんだ?」


「私は今日、魔法の模擬戦ですが、ノア・・・様の試合見たいです。」

お?いろいろ不満なようだな。
様付けるのも、ためらったくらいだもんな。
うーん・・・ここで、もし副隊長相手に善戦したとしても、納得しないだろうな。


「私は構わない。が、私が副隊長と試合して善戦しても、君は納得しないだろ?それなら、いっそのこと君と試合をしよう。」

ここは、”雇い主側の人間_リートルテ辺境伯家の人間_である”ということを見せなければいけないと思い、いつもの僕呼びではなく、私呼びにしてみた。
そして、命令口調。

それだけで、空気が揺れ、騎士たちがビシっとした。
やっぱり威厳も大事なんだな。
少し悩み、その騎士が口を開く。


「ですが、私は今日剣の模擬戦ではな・・・」

言いかけた言葉を手で制す。


「そんなことは知っている。私と試合した後、もう一試合、本来の模擬戦をしろ。」


「そんなっ」


「鍛えているんだろう?そのくらい出来る。否はきかない。審判は、別の隊から一人。それと、もう一人副隊長から選んでもらおう。ムンさん以外で。」

本来は一人でいい審判だけれど、今回は念のため、副隊長からも出してもらう。
事前に僕を知っているムンさんだと、ひいきしていると思われるかもしれないので、今日会ったばかりの他の人にしてもらおう。
さて、本領発揮だ。
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