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第二章 学園生活
38.トペルナ
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「明日からお前らは長期休みに入る。このクラスは貴族が殆どだから忙しい者もいると思うが、前期で学んだことを忘れないように。あと、後期には剣術大会があるから、剣術コースを選んでいる者はこの休みを使って優勝出来るよう励め。まあ、それ以外の者もこの機会に剣術を学ぶのも良いだろう」
前期の最終日。講堂で学園長と生徒会長のお話を聞いて、現在はカウマン先生がデルタクラスで生徒全員に長期休みの事を話している。先生の話を聞いて、剣術を学ぶのもいいなぁ~と思っていると
「それと、今年の中等第一のトペルナが決まった」
―ザワッ
トペルナって確か一学年の中から一人、優秀な人に送られるものだよね。選ばれた人はネクタイやリボンに銀色の刺繍が施されたものをつけるらしいけど。
「だいたい皆予想はつくだろうが、そいつは魔術大会で優勝した者だ」
はい。大体分かりました…
「エマ=ホール。お前が今年の中等第一トペルナだ」
「流石です!エマ様!」 「我らのホール嬢!」 「きゃー!ホール様!」
うん。一旦皆静かにしようね。
「トペルナに選ばれたこと誇りに思います」
「ああ。それと、スカラーからお前に推薦が来ているがどうする?」
はあ~、あの面倒くさい生徒会の推薦か~。そんなのいちいち聞かなくても分かりきっているでしょ。
「断っておいてくれませんか?」
「ははっ、まあそう言うと思ってた。じゃあ、俺からあいつらに言っておくぞ」
「ありがとうございます、先生」
スカラー(生徒会)もしっかり回避出来たし、後期もゆったりと過ごせる!長期休みは公爵令嬢としての役割を果たしながら、騎士団の方にもお邪魔して剣術でも教えてもらおうかな?
私は長期休みの計画を立てながらかばんに荷物を入れていった。すると、アリアラ達がやって来て
「あの~、エマ様、一つ伺いたいことがあるのですが、よろしいですか?」
「うん?いいよ。どうしたのアリア、聞きたいことって?」
「エマ様の公爵邸では長期休みの間にお茶会やパーティーを開催される予定はあるのですか?」
「うん。一応お茶会は令嬢のお友達を招待したいなぁ~って思っているところ。勿論、アリアラ達も招待するからね」
「ありがとうございます!あと、エマ様にお話したい方々がおられるのですが、よろしければ一度だけでも良いのでお聞きくれませんか?」
「勿論!」
その後何人かの令嬢達がぞろぞろとやって来て、全員とお話をしたのだが。聞いたところ、要は私達もお茶会に行きたいです!ということだった。返事は曖昧にしておいた。だって、私としてはペネ達とか特に仲の良い人達でほっそりとする予定だったから。一気に大人数となると面倒く……大変になってしまう。一応、令嬢中の令嬢であるペネに聞いてみると、『それは全員招待したほうが良いですわよ』と言われた。まあ、そうですよね。
=====================================
―ホール公爵邸
「フィンお父様、お願いがあるのですが…」
今私は公爵邸にてお茶会の許可をもらうためにフィンお父様の執務室に来ている。
「エマ、その前にこっちに来てくれないか」
そう言われたのでフィンお父様が座っている椅子の方に近づくと、ヒョイッと持ち上げられてお父様の膝の上に乗せられた。最近は『エマ充電しないとな』なんて言って、殆ど執務室に行くと膝に乗せられるので慣れてしまった。それに、意外と安定するので落ちる心配は無いのだ。
「それで、お願いとは何だ?」
「えっと、お茶会を開いて学園のお友達を招待したいのです」
「勿論いいぞ。だが、その前に……招待するのは令嬢だけだな?」
「?はい、お茶会ですから」
そう言うとフィンお父様は心底安心したように微笑んで
「なら、エマが沢山お友達を招待できるようにヒューゴや使用人に手伝ってもらうよう伝えておく」
「ありがとうございます!フィンお父様」
ヒューが手伝ってくれたら楽チンじゃん!……あっ、それと部屋の使用の許可ももらわないと。
「あと、広めの部屋を使用したいのですが…」
「ああ、この屋敷の中で一番広い部屋を用意しておこう」
ナイスお父様!
「ありがとうございます!(ニコッ)」
「グフッ……何かあったら絶対に私に言うんだぞ」
「はい!じゃあ、私はこれで失礼します」
私が降りようとすると、フィンお父様は更にガッチリと私をホールドしてしまった。
「あの…他には何もないですけど…」
「エマ、何か欲しいものはないか?」
唐突ですね!……急にどうしたんだろう?
「何でですか?」
「いや、ヒューゴからエマが学園でトペルナに選ばれたと聞いてな。何かお祝いでもしようかと」
「えーっと、それなら、フィンお父様に対してもう少し砕けた口調で話しかけても良いですか?(せっかくの親子だし)」
「良いのか!」
「へえ?(何でお父様が喜んでるの!?)」
「いや、エマがあまりにも丁寧な言葉で話しかけるから、嫌われていると思ってたんだ」
あ~……確かに私も親に対しての口調じゃなかったわ。変な誤解を与えて凄く申し訳ない……
「そんな事無いよ。ただ、私がフィンお父様にどう接したら良いのか分かんなくて…」
「か、可愛いっ!………エマ、ぜひずっとそのままの喋り方でいてくれ、とっても可愛いから」
「う、うん。分かった」
フィンお父様、どれだけ嬉しいんですか!?ちょっと引いちゃいますよ……でも、フィンお父様優しいから、『気持ち悪い』なんて言えない。
その後は十分ぐらい話して、最後にはちゃんと欲しい物を言っておいた。勿論私の大好物のチーズケーキだ。王都にあるお店のチーズケーキ食べ比べをお願いした。
=====================================
「皆さんこんにちは。本日は我が屋敷にお越し下さりありがとうございます」
完璧な挨拶!ヒュー達のおかげで紅茶もケーキも準備万端!
今現在私は二十人ほどの令嬢を招待してお茶会を開いています。約一週間、ヒューと公爵邸の使用人の方たちと一緒に誰を招待するか、ケーキはどれにするかなどをすべて決め、満を持して皆を招待したのだ。勿論その中にはペネやアリアラもいる。私は初めてのお茶会なので念の為にペネ達に助っ人を頼んでいる。
お茶会は順調に進み、皆、何処のドレスが可愛いやら、ここのお店のスイーツは美味しいやら、女子会に発展した。私はギスギスしていて令嬢達が遠回しに相手を攻撃する怖いお茶会を想像していたが、全然違った。私が流行の話についていけて無くても、皆分かりやすいように何の話をしているか教えてくれるのだ。ある程度盛り上がったところでペネが突然右手を上げたかと思うと、一気に静かになった。
「エマ様、恐れながらひとつお願いがあるのですが…」
いつもと違ってめちゃくちゃ真剣な顔。一体何をお願いするの……ゴクッ
「な、何かな…?」
「エマ様、私のお兄様もお付き合いの候補に入れてくれませんか?」
「はい?」
「いや、ですから、お兄様がエマ様のことが好きですの」
「はいー!?」
急な告白に私は驚かずにはいられなかった。
前期の最終日。講堂で学園長と生徒会長のお話を聞いて、現在はカウマン先生がデルタクラスで生徒全員に長期休みの事を話している。先生の話を聞いて、剣術を学ぶのもいいなぁ~と思っていると
「それと、今年の中等第一のトペルナが決まった」
―ザワッ
トペルナって確か一学年の中から一人、優秀な人に送られるものだよね。選ばれた人はネクタイやリボンに銀色の刺繍が施されたものをつけるらしいけど。
「だいたい皆予想はつくだろうが、そいつは魔術大会で優勝した者だ」
はい。大体分かりました…
「エマ=ホール。お前が今年の中等第一トペルナだ」
「流石です!エマ様!」 「我らのホール嬢!」 「きゃー!ホール様!」
うん。一旦皆静かにしようね。
「トペルナに選ばれたこと誇りに思います」
「ああ。それと、スカラーからお前に推薦が来ているがどうする?」
はあ~、あの面倒くさい生徒会の推薦か~。そんなのいちいち聞かなくても分かりきっているでしょ。
「断っておいてくれませんか?」
「ははっ、まあそう言うと思ってた。じゃあ、俺からあいつらに言っておくぞ」
「ありがとうございます、先生」
スカラー(生徒会)もしっかり回避出来たし、後期もゆったりと過ごせる!長期休みは公爵令嬢としての役割を果たしながら、騎士団の方にもお邪魔して剣術でも教えてもらおうかな?
私は長期休みの計画を立てながらかばんに荷物を入れていった。すると、アリアラ達がやって来て
「あの~、エマ様、一つ伺いたいことがあるのですが、よろしいですか?」
「うん?いいよ。どうしたのアリア、聞きたいことって?」
「エマ様の公爵邸では長期休みの間にお茶会やパーティーを開催される予定はあるのですか?」
「うん。一応お茶会は令嬢のお友達を招待したいなぁ~って思っているところ。勿論、アリアラ達も招待するからね」
「ありがとうございます!あと、エマ様にお話したい方々がおられるのですが、よろしければ一度だけでも良いのでお聞きくれませんか?」
「勿論!」
その後何人かの令嬢達がぞろぞろとやって来て、全員とお話をしたのだが。聞いたところ、要は私達もお茶会に行きたいです!ということだった。返事は曖昧にしておいた。だって、私としてはペネ達とか特に仲の良い人達でほっそりとする予定だったから。一気に大人数となると面倒く……大変になってしまう。一応、令嬢中の令嬢であるペネに聞いてみると、『それは全員招待したほうが良いですわよ』と言われた。まあ、そうですよね。
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―ホール公爵邸
「フィンお父様、お願いがあるのですが…」
今私は公爵邸にてお茶会の許可をもらうためにフィンお父様の執務室に来ている。
「エマ、その前にこっちに来てくれないか」
そう言われたのでフィンお父様が座っている椅子の方に近づくと、ヒョイッと持ち上げられてお父様の膝の上に乗せられた。最近は『エマ充電しないとな』なんて言って、殆ど執務室に行くと膝に乗せられるので慣れてしまった。それに、意外と安定するので落ちる心配は無いのだ。
「それで、お願いとは何だ?」
「えっと、お茶会を開いて学園のお友達を招待したいのです」
「勿論いいぞ。だが、その前に……招待するのは令嬢だけだな?」
「?はい、お茶会ですから」
そう言うとフィンお父様は心底安心したように微笑んで
「なら、エマが沢山お友達を招待できるようにヒューゴや使用人に手伝ってもらうよう伝えておく」
「ありがとうございます!フィンお父様」
ヒューが手伝ってくれたら楽チンじゃん!……あっ、それと部屋の使用の許可ももらわないと。
「あと、広めの部屋を使用したいのですが…」
「ああ、この屋敷の中で一番広い部屋を用意しておこう」
ナイスお父様!
「ありがとうございます!(ニコッ)」
「グフッ……何かあったら絶対に私に言うんだぞ」
「はい!じゃあ、私はこれで失礼します」
私が降りようとすると、フィンお父様は更にガッチリと私をホールドしてしまった。
「あの…他には何もないですけど…」
「エマ、何か欲しいものはないか?」
唐突ですね!……急にどうしたんだろう?
「何でですか?」
「いや、ヒューゴからエマが学園でトペルナに選ばれたと聞いてな。何かお祝いでもしようかと」
「えーっと、それなら、フィンお父様に対してもう少し砕けた口調で話しかけても良いですか?(せっかくの親子だし)」
「良いのか!」
「へえ?(何でお父様が喜んでるの!?)」
「いや、エマがあまりにも丁寧な言葉で話しかけるから、嫌われていると思ってたんだ」
あ~……確かに私も親に対しての口調じゃなかったわ。変な誤解を与えて凄く申し訳ない……
「そんな事無いよ。ただ、私がフィンお父様にどう接したら良いのか分かんなくて…」
「か、可愛いっ!………エマ、ぜひずっとそのままの喋り方でいてくれ、とっても可愛いから」
「う、うん。分かった」
フィンお父様、どれだけ嬉しいんですか!?ちょっと引いちゃいますよ……でも、フィンお父様優しいから、『気持ち悪い』なんて言えない。
その後は十分ぐらい話して、最後にはちゃんと欲しい物を言っておいた。勿論私の大好物のチーズケーキだ。王都にあるお店のチーズケーキ食べ比べをお願いした。
=====================================
「皆さんこんにちは。本日は我が屋敷にお越し下さりありがとうございます」
完璧な挨拶!ヒュー達のおかげで紅茶もケーキも準備万端!
今現在私は二十人ほどの令嬢を招待してお茶会を開いています。約一週間、ヒューと公爵邸の使用人の方たちと一緒に誰を招待するか、ケーキはどれにするかなどをすべて決め、満を持して皆を招待したのだ。勿論その中にはペネやアリアラもいる。私は初めてのお茶会なので念の為にペネ達に助っ人を頼んでいる。
お茶会は順調に進み、皆、何処のドレスが可愛いやら、ここのお店のスイーツは美味しいやら、女子会に発展した。私はギスギスしていて令嬢達が遠回しに相手を攻撃する怖いお茶会を想像していたが、全然違った。私が流行の話についていけて無くても、皆分かりやすいように何の話をしているか教えてくれるのだ。ある程度盛り上がったところでペネが突然右手を上げたかと思うと、一気に静かになった。
「エマ様、恐れながらひとつお願いがあるのですが…」
いつもと違ってめちゃくちゃ真剣な顔。一体何をお願いするの……ゴクッ
「な、何かな…?」
「エマ様、私のお兄様もお付き合いの候補に入れてくれませんか?」
「はい?」
「いや、ですから、お兄様がエマ様のことが好きですの」
「はいー!?」
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